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西部邁氏の発言から
西部邁氏の発言から
高森明勅
高森明勅 評論家の西部邁氏の近著『ファシスタたらんとした者』から。 「伝統は左翼人士のいうような『自由な冒険への拘束』でないのはむろんのことだが、右翼人士がいうような『安定した生活の岩盤』でもない。伝統は『危険のなかで一本の綱を渡るための精神の平衡術』といえば言い過ぎかもしれないが、険峻な尾根を渡って行くための精神の装備法であり歩行法である…〔オルテガいわく〕 『人が...
安倍首相、謎の六本木ジム通い
安倍首相、謎の六本木ジム通い
高森明勅
高森明勅 安倍首相の夏休み。 六本木のホテル内にあるジムに通い詰め。何しろ以下の通り。山梨の別荘から帰京した8月18日以降の様子。19日、午後1時過ぎから約3時間。21日、午後1時過ぎから約2時間。23日、午後1時過ぎから3時間近く。26日、午後2時頃か3時間余り。 半端な頻度ではない。このジムがよほどお気に入りなのか。という話ではないのかも知れない。 と言うのは、以...
大嘗祭より観光客?
大嘗祭より観光客?
高森明勅
高森明勅 産経新聞(8月25日付)を読んで呆れた人も多いのではないか。一面に大きく(全面の3分の1位のスペースで)「観光痛手 皇居東御苑 長期休園か 大嘗祭に合わせ、31年夏から冬」という記事。カラーの写真や地図、グラフ入り。 そのポイントはこういう事だ。ご譲位による新しい天皇のご即位に伴い、重要な皇位継承儀礼の1つとして大嘗祭が行われるものの、それが前例通り皇居東御...
退位の儀式
退位の儀式
高森明勅
高森明勅 8月24日、神社本庁の大講堂で「政教関係を正す会」の総会と研究会。 同会の会長は國學院大学名誉教授の大原康男氏。私は幹事の末席を汚している。幹事は他に東京大学名誉教授の小堀桂一郎氏や麗澤大学教授の八木秀次氏など。 但しこの日は欠席。ちなみに監査役は前防衛大臣で衆議院議員の稲田朋美氏ら。総会の議長は私が務めた。総会で承認された平成29年度事業大綱には、次のよう...
核を巡る欺瞞
核を巡る欺瞞
高森明勅
高森明勅 現代の日本人は核武装に対して強い拒絶感がある。 しかし、おかしくないか。 アメリカによる「核の傘」は排除しない。むしろ長年、当然の事として受け入れて来た。アメリカの核の傘とは何か。 簡単に言えば、アメリカが日本を防衛する為に「必要」と認めたら、アメリカ独自(!)の判断で核兵器を使用する事だ。日本はそれに全く関わらない(昭和43年2月19日の衆議院予算委員会で...
北朝鮮による半島統一という悪夢
北朝鮮による半島統一という悪夢
高森明勅
高森明勅 ロシア公使、ウズベキスタン大使などを歴任した河東哲夫氏の暗い予測。 「『北朝鮮製ICBM』はこれまでのゲームを一変させ、北東アジアの政治地図を替えるだろう。ICBMが来襲しかねない状況で、アメリカは北朝鮮の処理をいつまでも中国に丸投げできない。だが、アメリカは武力は使えまい。影武者を何人も使い、常に居場所を変える金(正恩)の『除去』は至難の業。核開発施設も地...
次の首相に石破茂氏という世論調査結果
次の首相に石破茂氏という世論調査結果
高森明勅
高森明勅 先頃の内閣改造で安倍内閣の支持率が回復傾向を見せている。これをどう見るか。 率直に言って、民進党のグダグダぶりが助けている部分が大きい。代表選挙という、最も党の求心力が高まるはずの場面で、離党者が相次ぐようでは、国民は安心して支持できない。それから、閣僚に野田聖子・河野太郎両議員を加えた効果も無視しがたい。反安倍ないし非安倍的な(又はそう見られている)人材を...
メディアと警察
メディアと警察
高森明勅
高森明勅 メディアは国税庁に弱い。 という事は財務省に弱い。ばかりでなく、警察にも弱い。 何故か。 すこぶる単純な話だ。警察が極めて有力なネタ元だから。 新聞・テレビで社会部が流している報道の8割以上が、警察からの情報と言われている。 殺人、傷害、強盗、放火等々。毎日起こる事件の情報は、全て警察発だ。警察が情報を出し渋ったら、たちまち番組や紙面作りに、致命的な支障が生...
佐川氏の逆襲?
佐川氏の逆襲?
高森明勅
高森明勅 財務省理財局長だった佐川宣寿国税庁長官。早くも逆襲に転じたようだ。 些か旧聞に属するが、朝日新聞の関連会社、朝日広告社が6年間で1億円の所得隠しを行っていた、として5600万円の追徴課税。社員2名が外注費の水増しなどで接待費を捻出していたとか。業界では、この種の事はどこでもやっているらしい。 だから、“狙い撃ち”されたと見るのが自然だろう。 以前、大蔵官僚が...
アーリントン墓地
アーリントン墓地
高森明勅
高森明勅 日米の外務・防衛閣僚協議「2プラス2」の為に訪米した河野外務大臣と小野寺防衛大臣。2人揃ってアーリントン墓地に献花。 当然の外交儀礼だ。 一方、終戦記念日の靖国神社はどうだったか。 安倍内閣の閣僚は、誰1人参拝しなかった。 アーリントン墓地にはお参りしても、靖国神社にはソッポを向く。 これが今の安倍内閣。首相の靖国参拝が外交問題化して以降も、閣僚の参拝は行わ...
頭の体操
頭の体操
高森明勅
高森明勅 簡単な頭の体操を。 地球上のある国を空想してみる。経済では世界有数の大国。 仮にN国とする。この国は些かユニーク。 国民が誰も、自分で自分の国、つまりN国を「守る義務」があると考えていない。その義務があるのは他国。 仮にA国としよう。その国の兵士である、と信じて疑わない。 A国の兵士が「命を賭けて」自分たちのN国を守るのが当然であり、それを疑うのは失礼だとさ...
見本本が届いた
見本本が届いた
高森明勅
高森明勅 小生監修の『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社、1200円+税)の見本本が届いた。果たして天皇陛下のお気持ちを大きな間違いなく紹介できているだろうか。 ペラペラと読み返してみると、時間の制約があったとはいえ、もう少し丁寧にチェックし、筆を入れるべきだったと感じる。 ただ、次の3点は言えるだろう。その1。類書にない内容を盛り込むことができた。 その2...
3度目の独立
3度目の独立
高森明勅
高森明勅 日本はこれまで2度「独立」を達成した。 1度は古代。シナを頂点とした冊封(さくほう)体制からの脱却だ。「天皇」というわが国独自の君主の称号は、その「独立」の証(あかし)だった。 2度目は近代。幕末に押し付けられた不平等条約を、明治44年に最終的に改正する事が出来た。自力で欧米列強と国際法上、完全に対等な地位に登ったアジアで最初の国になった。これこそ、明治維新...
靖国神社本を巡る談話
靖国神社本を巡る談話
高森明勅
高森明勅 先日、小学館から刊行された靖国神社関連本について、『週刊ポスト』編集部から取材を受けた。 同じ版元なので、なるべく褒めて欲しかったのかも知れない。 しかし、他のテーマならいざ知らず、靖国神社についての本なら、無責任なコメントは出来ない。 些か辛口の評価になってしまった。後日、連絡があり、『週刊ポスト』の誌面ではなく、Web上に挙げるので、いつ挙げるか分かり次...
誰が日本を守るのか
誰が日本を守るのか
高森明勅
高森明勅 第2次世界大戦でわが国と同じ枢軸国側に属したイタリア(但し国内が分裂し、バドリオ政権は連合国側へ)。そのイタリアが戦後、定めた憲法には、以下のような規定がある。「祖国の防衛は市民の神聖な義務である」(52条)。注意すべきは、これは政府が一方的に国民に押し付けた“義務”ではない、という事実だ。現在のイタリア共和国憲法の制定過程を見れば明らか。1946年6月2日...
証言
証言
高森明勅
高森明勅 元陸軍技術少佐だった今村和男氏(大正7年生まれ)が特攻隊について、次のように語っておられる。 「私が(戦後に)防衛庁(当時)で命じられたことは…(戦史の多角的・客観的な検証の1つとして)あの戦争で特攻機はどこまで効果があったのかという調査です。訪米時、(マサチューセッツ工科大学の)ドビー先生を訪ねると彼は丁寧に教えてくれました…先生の調査では、特攻作戦の物理...
保守若手の安倍「加憲」批判
保守若手の安倍「加憲」批判
高森明勅
高森明勅 文芸批評家の浜崎洋介氏、国際政治学者の細谷雄一氏ら若手の保守系知識人が、安倍首相の自衛隊加憲論を批判している(『文藝春秋』9月号)。浜崎氏いわく。「政治は、理念だけではどうにもならないところがある。…僕自身、TPPを推進し、靖国神社に参拝しない安倍首相に我慢してきました。しかし、もう、それも限界です。…すべては改憲という大義のための我慢でしたが、『9条加憲案...
なぜ戦争は無くならないか
なぜ戦争は無くならないか
高森明勅
高森明勅 第2次世界大戦後、国際法上、武力行使は違法化され、あらゆる国の交戦権も否認された。 なのに「戦争」は無くなっていない。 何故か。 理由は簡単。国家間の利害対立などの解決手段として「武力」の必要性、有効性が失われていないからだ。 本来は、そうした問題は集団安全保障(国連軍の出動)によって解決するはずだった。 しかし、国連安保理の常任理事国間の対立で、その構想が...
親切な独裁秘書官?
親切な独裁秘書官?
高森明勅
高森明勅 柳瀬唯夫氏(現・経済産業審議官)には何の恨みもない。優秀有能で人柄の良さそうな官僚をネタにするのは、正直に言って気が引ける。 しかし、平成27年4月2日の真実がいまだに覆い隠されたまま。 だから、取り上げざるを得ない。 この日、今治市の企画課長らと加計学園の事務局長が「呼ばれて」首相官邸を訪れ、安部首相の代理の柳瀬首相秘書官と会った。そこで柳瀬秘書官から「(...
横着な秘書官?
横着な秘書官?
高森明勅
高森明勅 平成27年4月2日。愛媛県今治市の企画課長らが首相官邸を訪れた。用件は獣医学部の新設。 特区担当の内閣府を訪問する予定だった。そこに「首相官邸に来るように」連絡があり、急遽、安倍首相の代理の柳瀬唯夫首相秘書官と面談する事に。この時、加計学園の事務局長も一緒だった事が新たに判明した。この間、加計学園の理事長とゴルフや会食を頻繁に繰り返して来た安倍首相は、今年の...