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敬宮殿下が初の海外公務ラオスご訪問でより上のステージに
高森明勅
高森明勅 天皇皇后両陛下のご長女、敬宮殿下が11月17日から 22日まで初めての海外公務でラオスを訪れられた。 日本とラオスの外交関係樹立70周年、JICA海外協力隊が 初めてラオスに派遣されてから60年の節目の年に当たることから、 このたびのご訪問が決まった。 敬宮殿下は入念なご準備の上で、今回の初めての海外公務に臨まれた。 ラオスは国賓に準じたご待遇で丁重に迎えて...
旧宮家養子縁組を受け入れる「養親」はどなたか?
高森明勅
高森明勅   自民·維新連立政権が皇位継承問題を巡る 優先課題と位置付けようとしている旧宮家養子縁組案。 しかし、違憲の疑いが払拭されず、 無理やり合憲論を主張する為には、 「憲法が多くの国民も含み込んだ(皇統に属する者なら 立法裁量によって国民平等の例外扱いが可能という) “巨大な身分制”を創設している」という ディストピア小説的なフィクションを導入する以...
皇室典範特例法の附帯決議にある「女性宮家」の概念整理
高森明勅
高森明勅 平成29年6月に成立した皇室典範特例法の 附帯決議には以下のようにあった。 「政府は、安定的な皇位継承を確保するための 諸課題、女性宮家の創設等について、 皇族方の御年齢からしても先延ばしすることは できない重要な課題であることに鑑み、 本法施行後速やかに、皇族方の御事情等を踏まえ、 全体として整合性が取れるように検討を行い、 その結果を、速やかに国会に報告...
高市首相の所信表明演説と旧宮家案ディストピア的「合憲」論
高森明勅
高森明勅 所信表明演説の背後にある「旧宮家養子縁組案」の連立合意 高市早苗首相は去る10月24日の所信表明演説で以下のように述べた。 「安定的な皇位継承等の在り方に関する各党各会派の議論が深まり、 皇室典範の改正につながることを期待します」 この背後にあるのは、自民党と日本維新の会が 連立政権の発足に当たって合意した、以下の事項だろう。 「古来例外なく男系継承が維持さ...
自民·維新の連立政策「旧宮家養子縁組」は皇統断絶への一本道
高森明勅
高森明勅 自民党と日本維新の会の連立政権に向けて、 維新側が連立の条件として提示した政策の中に、 「旧宮家の男系男子の養子縁組を実現する皇室典範の改正」 という項目が入っている。 これは元々、高市早苗·自民党総裁が総裁選で 掲げた主要政策の1つだ。 「126代続いた男系の『皇統』をお守りするため、 『皇室典範』を改正します」というのが、それだった。 維新側の連立入りし...
世襲の原則、皇太子と傍系の皇嗣の違いを巡る法制局の見解
高森明勅
高森明勅 直系の皇嗣=皇太子·皇太孫と傍系の皇嗣の違いについては、 これまでもしばしば指摘してきた。 例えば、摂政に当たる順位が優先する皇族が、 未成年とか心身の重患、重大な事故などの事情の為に、 他の皇族が摂政に就任していた場合、その事情が解消されても、 皇太子·皇太孫を除き、摂政は交代しない(皇室典範第19条)。 傍系の皇嗣でも、一般の皇族と同じく交代しない。 摂...
11月1日、ネオ書房が「靖国神社ツアー」を実施、予約募集中
高森明勅
高森明勅 先ごろの自民党総裁で、高市早苗·前経済安保担当大臣が 総裁に選出された。 事前の大方の予想を覆す大逆転の結果だった。 その最大の立役者は麻生太郎·自民党最高顧問だった。 なので、麻生氏の政治的な影響力は格段に増すだろう。 皇位継承問題にとっては 殆ど最悪の展開に近い。 高市氏とは以前、靖国神社の参集殿·応接室で 一対一でお話ししたことがある。 靖国神社崇敬奉...
「女性宮家」を巡る初歩的な整理
高森明勅
高森明勅 寛仁親王のご長女、彬子女王殿下が 三笠宮家の当主の地位につかれることが、 9月30日の皇室経済会議において認められた。 併せて、同会議により、信子妃殿下が当主になられる 「三笠宮寛仁親王妃家」という新しい宮家も 立てられる事になった。 これについて質問が届いているので、 ここでごく初歩的な整理をしておきたい。 先ず政府は「宮家」は独立して一家をなす 皇族の呼...
「人格論」ではなく「ルール論」こそ皇位継承問題の焦点
高森明勅
高森明勅 去る9月6日、秋篠宮家のご長男、 悠仁親王殿下の“19歳の”お誕生日に、 皇室にとって40年ぶりの成年式が執り行われた。 これについてはプレジデントオンラインの連載 「高森明勅の皇室ウォッチ」で取り上げた(9月10日公開)。 https://president.jp/articles/-/102083 この時の悠仁殿下のご態度が立派であられたことは、 多くの...
平成時代の皇女、紀宮殿下のご成年「祝宴」は宮殿で開催
高森明勅
高森明勅 私は先頃、敬宮殿下の成年行事に伴う祝宴が、 もしコロナ禍によって取り止めになっていなければ、 天皇皇后両陛下のご長女なので当然、 “宮殿”で行われたはずだ、という指摘をした (8月1日公開のブログ)。 秋篠宮家のご長男、悠仁親王殿下の祝宴が、 公的な昼食会も“民間の施設”で行われるとの 報道に接し、それとの対比で述べたものだ。 しかし敬宮殿下の祝宴は、 実際...
傍系の皇嗣には「立太子の礼」類似儀式は無いのが本来だった
高森明勅
高森明勅   令和2年11月に秋篠宮殿下のお立場に関わる 「立皇嗣の礼」という“前代未聞”の 儀式が行われた。 これは国事行為つまり「内閣の助言と承認」 =内閣の意思による行事だった。 しかし、皇室典範の制度のもとでは、 「皇太子」や皇嗣などは典範自体の規定によって、 言わば自動的にその地位につくのであって、 特段の儀式を必要としないし、 儀式によってその地...
「愛子天皇」待望論の主な根拠が世論調査という“すり替え”
高森明勅
高森明勅 産経新聞9月4日付けの「正論」欄に憲法学者の 百地章氏が「愛子天皇」待望論への批判を 展開しておられる。 その際、唯一、拙著の書名を わざわざ掲げて戴いたのは、光栄だ。 「『愛子天皇』支持者の中には…天皇という地位は 『国民の総意』に基づくべきであり、 世論調査では9割が『女性天皇』を認めている。 この国民の気持ちを無視してよいのか (高森明勅『愛子さま 女...
「令和の天皇論」を巡る座談会記事から
高森明勅
高森明勅 『文藝春秋』9月号に「徹底討論 ー令和の天皇論」という 座談会記事が掲載されている。 参加者は思想史家の先崎彰容、 近現代史研究者の辻田真佐憲、文芸評論家の浜崎洋介、 評論家の與那覇潤の諸氏。 皆さん、昭和50年代の生まれ。 それぞれ特色のある著書や論考を発表している。 言論界の次世代を担う論客達というポジションか。 この中で、先崎氏とは一度だけお会いしたこ...
「万世一系」の皇統を途絶えさせる旧宮家子孫養子縁組プラン
高森明勅
高森明勅 皇室の弥栄(いやさか)を唱え、「万世一系」の 皇統を強調する人らが、自ら進んで「皇統」を途絶えさせ、 皇室を滅ぼそうとしているようにしか見えないのは、不思議だ。 無知なのか、悪意なのか、それとも…。 自民党などが強くこだわる旧宮家系子孫の国民男性を皇族との 「養子縁組」によって皇族に加えるプラン。 次の世代からは皇位継承資格を認めようとしている。 果たして妥...
旧宮家系子孫による皇位継承も「世襲」と言えるのか
高森明勅
高森明勅 旧宮家系子孫による皇位継承も「世襲」と言えるのか 時折こんな質問を受ける。 「憲法は『皇位は世襲』(第2条)と定めていますが、 旧宮家系子孫による皇位継承は果たして “世襲”と言えるのですか?」と。 これについては、憲法の条文にまで 「皇位ハ…皇男子孫之(これ)ヲ継承ス」(第2条)と 男系主義を明記していた大日本帝国憲法のもとでの、 標準的な憲法教科書だった...
皇室の3つの未来図、日本人はどれを選ぶか
高森明勅
高森明勅 今、日本人はどのような皇室の未来図を選ぶか、 岐路に立たされている。以下の3つの未来図だ。 ①消滅 ②変質 ③安定 ①は、今の皇室典範が改正されずに そのまま維持された場合。 未婚の女性皇族はご結婚と共に皇室から次々と離れられる。 未婚のまま皇室に残られても次世代は生まれない。 なので、皇室は痩せ細って行くしかない。 そのような未来が予め見えていて、しかも、...
悠仁殿下の成年祝宴の開催場所から見える直系と傍系の区別
高森明勅
高森明勅 9月6日に秋篠宮家のご長男、 悠仁親王殿下の成年式が行われる。 まことにめでたい。 但しこれは、男性皇族が 成年を迎えられたことに伴う儀式であって、 皇位継承の資格や順序には、直接、何ら関わらない。 従って、この儀式により、構造的な欠陥を抱える 今のルールのもとでの皇位継承順序が、 あたかも固定化されたかのような錯覚に陥ってはならない。 このことは7月25日...
上皇陛下のご譲位を可能にした特例法制定経過から見えたもの
高森明勅
高森明勅 上皇陛下のご譲位を可能にした皇室典範特例法の制定については、 微力ながら私も些か関わりを持った。 今やその経緯も現代史の一コマとして、 そろそろ歴史上の出来事になりつつあるようだ。 その経過を巡り、近刊書の中で言及された一部を紹介しておこう。 先ず、歴史学者で名古屋大学大学院准教授の 河西秀哉氏『皇室とメディアー『権威』と 『消費』の150年史』(令和6年1...
今回の参院選での超私的な逸話をいくつか
高森明勅
高森明勅 私はこれまで、いわゆる「運動」には ごく僅かに参加したにとどまる。 特に選挙運動に関与した経験はない。 しかし、今回の参議院選挙では 少し踏み込んで加わった。例えばビラ配りの手伝い。 街頭演説の場所の1つだった蒲田。 私は生まれて初めてお邪魔した。 その時に、自転車で通り過ぎようとした男性が止まって、 声をかけて来た。 「高森先生ですよね。ご著書は読んでいま...
令和7年の参院選における山尾志桜里候補の崇高な戦い
高森明勅
高森明勅 令和7年の参議院選挙。 無所属、東京選挙区の候補者の中に、 山尾志桜里候補がおられた。 「(安定的な皇位継承の為の)女性天皇の容認」と 「(自衛権行使の為の戦力の保持と規律を可能にする) 憲法9条第2項の改正」を真正面に掲げて、選挙戦に挑まれた。 結果は残念ながら落選。 当落線上にも届かない敗北だった。 しかし、圧倒的に不利な条件がいくつも重なった中で、 1...