高森明勅

佐川氏の逆襲?

高森明勅

2017年8月20日 22:00

財務省理財局長だった佐川宣寿国税庁長官。

早くも逆襲に転じたようだ。

些か旧聞に属するが、朝日新聞の関連会社、
朝日広告社が6年間で1億円の所得隠しを行っていた、
として5600万円の追徴課税。

社員2名が外注費の水増しなどで接待費を捻出していたとか。

業界では、この種の事はどこでもやっているらしい。

だから、“狙い撃ち”されたと見るのが自然だろう。

以前、大蔵官僚がノーパンしゃぶしゃぶの接待を受けていたなど、
その腐敗ぶりがメディアにさんざん叩かれたことがあった。

その結果、金融監督部門を切り離し、
今の財務省に衣替えする羽目に陥った。

ところが…。

小泉政権が発足した直後の2001年頃から報復が始まる。
国税庁が、主要新聞、大手出版社、さらには民放キー局と、
マスコミに対して片っ端から税務調査を始めたのだ。
その調査は異常に細かいもので、記者が取材費の清算で提出した
領収証を1枚1枚チェック。
白紙領収証を使ったり、金額を偽造した領収証を特定して、
それを作成した記者まで事情聴取するという念の入れようだった。
そして、結果的にはいくつかの社が数千万円以上の申告漏れを
指摘された。

…メディアがその後、
どう
なったかは推して知るべしだろう。

財務省の不祥事や批判がまったく
掲載されなくなったのはもちろん

財務省に操られたような記事が
どんどん掲載されるようになってい
った」
(河端幹人氏『タブーの正体』)

国税庁は財務省のメディア支配の尖兵。

そのトップの座にメディアに恨み骨髄の佐川氏が座った。

氏の「報復」は今後も続くのか。

メディアは朝日広告社がやられたのを見て、
既に戦々恐々だろう。

“一罰百戒”の効果は十分あったはずだ。