高森明勅

保守若手の安倍「加憲」批判

高森明勅

2017年 8月 13日

文芸批評家の浜崎洋介氏、
国際政治学者の細谷雄一氏ら若手の保守系知識人が、
安倍首相の自衛隊加憲論を批判している(『文藝春秋』9月号)。

浜崎氏いわく。
「政治は、
理念だけではどうにもならないところがある。
…僕自身、
TPPを推進し、靖国神社に参拝しない安倍首相に
我慢してきました。
しかし、
もう、それも限界です。
すべては改憲という大義のための我慢でしたが、
『9条加憲案』
はひどすぎる。
…『改憲』と言っても…(9条)
第2項を残すなら全く意味がない。
『戦後レジームの脱却』
と安倍首相は言いますが、これによって
『戦力不保持』
を憲法で半永久的に確定することになり、
『脱却』どころか、
むしろこれで『戦後レジーム』は完成します。
これでは、
安倍首相に期待していた保守層も見限るしかない」

細谷氏いわく。
「同盟には、『独立精神に基づいた同盟』と
依存と甘えに基づいた同盟』があり、後者の同盟はいずれ
崩壊します。
自立精神を持った上で米国と協力するか、
そうでないのかが問われている。
実は日本の保守にも革新にも米国への甘えがある」ー