高森明勅

核を巡る欺瞞

高森明勅

2017年 8月 24日

現代の日本人は核武装に対して強い拒絶感がある。

しかし、おかしくないか。

アメリカによる「核の傘」は排除しない。

むしろ長年、当然の事として受け入れて来た。

アメリカの核の傘とは何か。

簡単に言えば、アメリカが日本を防衛する為に
「必要」と認めたら、
アメリカ独自(!)の判断で
核兵器を使用する事だ。

日本はそれに全く関わらない
昭和43年2月19日の衆議院予算委員会での椎名外相の答弁。
同年4月16日付の外務省文書「日米安保条約の問題点について」)。

そっちの方がよほど危険ではないか。

本当は必要がなくても使用する恐れがある。

逆に、必要な時に使用しない可能性も否定できない。

何しろアメリカの国益こそが最優先だから。

そんなリスクも顧みず、どうして自ら核武装しないのか。

それで核兵器とは“無縁”だと胸を張るつもりか。

欺瞞も甚だしい。

核兵器と本気で手を切りたいなら、
アメリカの核の傘なんか断るべきだ。

アメリカの核の傘に頼るくらいなら、
自分で核武装するのが当たり前ではないか。

その二者択一しかないはずだ。

いつまで思考停止を続けるのか。