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世界遺産で河野談話の愚、再び
高森明勅
普通の感覚があればヤバいと分かるはず。 長崎・軍艦島などの世界遺産登録。 韓国側はナチス・ドイツのアウシュビッツ収容所を引き合いに出してクレームを付けたようだ。 慰安婦問題を上回る荒唐無稽さ。 正気の沙汰ではない。だが安倍政権は譲歩。 慰安婦の時と同じく「強制性」を認めた。ばかりか、「犠牲を記憶する為の施設」まで設けると。どこまで自虐史観を突き進むのか。 そ...
クールビズ流行ってネクタイ愛用
高森明勅
今の季節、世間ではビジネスマンらしい男性も殆どノーネクタイ。すっかりクールビズが定着した。 紳士物の売り場には、クールビズ用のワイシャツが溢れている。このクールビズが広がる前、私は大体ノーネクタイで過ごしていた。 その方が単純に楽だから。また仕事柄、それが許された。 そもそも、日本のように湿気の多い国で、ネクタイなんて奇妙な風習を受け入れたのが可笑しい、など...
アメリカは日本を見捨てる
高森明勅
国防の在り方を巡り、評論家の江崎道朗氏がこんな指摘を。 「安倍政権が自主独立を目指すことを明確にしていないがゆえに、…《「アメリカの戦争に巻き込まれるのではないか」という左翼の意見は真っ当な懸念》と見えてしまう」 「日本が本気で自主独立を目指さない限り、言い換えれば、日本がアメリカに依存している限り、アメリカ軍はいずれ日本を見捨てる」と。 確かにその通りだろ...
ポツダム体制は終わった?終わらない?
高森明勅
安保法制「合憲」論者でも、“憲法学者”でもなかった八木秀次氏。 以前、社会人教育の場で、彼の文章を教材として活用させて貰った。論理的思考力をちゃんと身に付けないと、人前でどんなにみっともない発言をしてしまうか、その格好のサンプルとして。 『正論』2月号に掲載された文章だ。そこには、こんな文章が。 「(安倍)首相が言う脱却すべき『戦後レジーム』とは…『ポツダム...
『卑怯者の島』に注目せよ!
高森明勅
以前、『わしズム』で連載していた「卑怯者の島」。戦争のリアリティーを追及した異色作だ。 戦争「論」ではなく、戦争の“真実”に肉薄する「物語」。 けれど中断。現役の幹部自衛官たちからも、その再開が待望されていた。しかし一時期、復活は殆ど絶望視されていた。 私など、未完のままでも良いから、これまでの分を纏めて単行本にして欲しい、と考えていた位だ。あれだけの力作が...
リベラルの国家擁護論
高森明勅
グローバル化の趨勢の中で、近代国家はやがて終わりを迎える。それは不可避だし、歓迎すべき未来だーという見方がある。リベラル系の論者ほど、声高にそうした主張を唱えている印象がある。 だが、法哲学者の井上達夫氏の意見は少し違う。 彼は、こんなことを述べている。 「主権国家を何のためにつくったかというと、個人の基本的な人権を擁護するためには中間的な社会的諸権力よりも...
目の前にある「参戦」
高森明勅
外交評論家の岡本行夫氏と作家の佐藤勝氏が、安保法制などを巡って対談している(『WiLL』8月号)。その中で、佐藤氏がホルムズ海峡での掃海活動につき、こんな発言を。 「ホルムズ海峡の国際航路帯は公海ではなく、主にオマーンの領海を通っています。 …そもそも国際法では、他国の領海内に機雷を敷設すればその瞬間に宣戦布告として扱われ、戦争状態になります。その機雷除去に...
アメリカは内向き?外向き?
高森明勅
アメリカがすっかり「内向き」になっているという。 例えば、ピュリッツァー賞を受賞したジャーナリストのブレット・スティーブンズは、こう述べている。 「パックス・アメリカーナの基本的な『取り決め』は、各国が外交面でアメリカに従うのと引き換えに、アメリカが軍事的な保護を与えるというものだ。アメリカの大統領がその取り決めを守らなければ、遅かれ早かれアメリカはパックス...
死の覚悟なき首相が自衛官に死ねと言えるか?
高森明勅
小林よしのりさんのブログを読んで、驚愕。 早速、該当記事を読んだ。 「昨年、安倍はテレビ番組に出演し、『私はお国のために死ねる。〇か×か?』という質問に△のパネルを挙げていた」と(週刊文春、7月2日号)。この種の質問に中間はない。 死ねるか、そうではないか。 △は、〇では“ない”。 つまり、死ぬ覚悟がない、ということ。他でもない、一国の首相が「お国のために」...
ハイテク戦時代に徴兵制はムリ?
高森明勅
以前、「保守」系知識人のY氏の子供が学校で、いずれ徴兵制が採用されるかも、という話を聞いて不安がったので、以下のように反論した、と。 「現代の戦争はハイテク戦だ。訓練されたプロにしかできない。素人が自衛隊に入っても足手まといになるだけだ。徴兵制なぞあり得ない」(産経新聞、平成25年7月9日付)。まぁ、よく聞く言い方だ。 だが、本当にそうか? 徴兵制の採用を提...
沖縄と本土を繋ぐ陛下
高森明勅
かねて天皇陛下は、忘れてはならない「4つの日」ということを、おっしゃっておられる。 終戦記念日と広島・長崎の原爆投下の日、そして6月23日。 沖縄で米軍との死闘が終わった日だ。これらの日には長年、陛下は黙祷を捧げ続けて来られた。初めて沖縄を訪れられたのは、昭和50年7月。皇太子時代のこと。ひめゆりの塔で火炎瓶を投げつけられる事件があった。当時の沖縄は、「天皇...
ドイツの戦争責任の取り方
高森明勅
法哲学者で東京大学大学院教授の井上達夫氏が近刊で、ドイツの戦争責任の取り方に言及されている。 ドイツで、国防軍の第2次大戦での侵略責任を示す展示会をやったら、世論の総攻撃を受けた。 ドイツ人の多くは、ナチスは酷いけど、国防軍は別と考えている、と。 「ドイツは、自分たちの戦争責任の追及を、日本よりずっと立派におこなった、という『神話』がある。これが、いかに神話...
自民党のGHQ占領政策検証
高森明勅
自民党は、GHQの占領政策や東京裁判、現行憲法の成立過程などを検証する組織を、新しく立ち上げるという。 結構なこと。 どんどんやって頂きたい。但し、1つ注文がある。 そうした被占領下の諸施策の影響が、「独立」回復?後も何故、長く維持されてきたのか。 この点も是非、手を緩めないで検証して欲しい。 占領期のアメリカは“悪いアメリカ”、「独立」回復?後のアメリカは...
憲法学者は知恵を出せ?
高森明勅
先頃、菅官房長官は安保法制合憲論を唱える憲法学者を問われて、僅か3人しか名前を挙げることが出来なかった。安倍政権のブレーンと称する八木秀次氏の名前はない。どうなっているのか? と思っていたら、産経新聞(6月17日付)に本人がこんなことを書いていた。 「(安保法制関連法案と)憲法との矛盾は誰でも指摘できる。しかし、わが国は生き残らなければならない。 …矛盾を矛...