高森明勅

「手打ち」論・補足

高森明勅

2015年 6月 18日

今回のゴー宣道場で、こんな意見があった。

日本は国際社会への復帰にあたり、
連合国と「手打ち」
をしたのだから、
もうそのことについては蒸し返すべきではない、
と。

説得力のある意見だ。

例えば、日韓基本条約(及び4つの附属協定)は
日本と韓国の国際法上の正式な「手打ち」

韓国が勝手にそれを踏みにじるような振る舞いは許されない。

それと同じ。

しかし、問題は手打ちの中身。

具体的にはサンフランシスコ講和条約などのこと。

そこには、靖国神社へのいわゆるABC級「戦犯」の合祀を妨げたり、
靖国神社への首相の参拝を禁じたりする内容は勿論ない。

いわゆる東京裁判史観(連合国史観)
を未来永劫受け入れる
約束もしていない。

現に、ABC級「戦犯」の合祀それ自体も、
合祀後に繰り返された首相の参拝も、
リアルタイムで旧連合国や中国から問題視されたことはない
ちなみに戦後、建国した中華人民共和国とわが国の関係樹立を
決定した日中共同声
明には、相互の内政不干渉を明記)。

どころか、道場でも述べたように、
合祀後も各国の政治家や軍人などが多数、
靖国神社に参拝している。

それなのに、いわゆるA級「戦犯」が合祀されて何年も経った
昭和6
0年に、中国が(主に国内の事情から)
初めて抗議の声を上げて以降、主に日本国内から「手打ち」
ハードルを根拠なく上げた議論が、
“後出しジャンケン”
的に唱えられているように見える。

不思議だ。