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戦後「異常に長い」70年
高森明勅
高森明勅 今年は「戦後70年」。 だが、“戦後”という言葉で括られる1つの時代が、70年も続いているのは明らかに異常。 まず、そのことを自覚すべきだろう。 西暦1945年から70年、過去に遡ると1875年。 明治8年だ。明治8年からの70年にどんなことが起こったか? 手近な年表で確かめてみればよい。 明治、大正、昭和戦前・戦中期。 とてもモノトーンで語れる期...
嬉しい年賀状
高森明勅
高森明勅 年賀状というのは良い風習だ。平素、疎遠な人とも再会出来た気持ちになる。特に手書きの添え書きがあったりすると、肉声を聞く思いだ。今年頂いた中で取り分け嬉しかったのは、教え子で美形のHさん(旧姓Sさん)からの年賀状。 去年の年賀状には結婚の報告があり、イケメンの新郎と一緒に写った写真が印刷してあった。 「美男美女の組み合わせって、めったにないのよね〜」というのが...
年頭に古歌1首
高森明勅
高森明勅 平成27年の年頭に当たり、月並みながら些かの感慨を込めて、『万葉集』末尾の大伴家持の和歌を掲げる。 新(あらた)しき年の初めの初春(はつはる)の今日降る雪のいや重(し)け吉事(よごと)   (新しい年の初めの新春の今日降っている雪のように、いよいよ重なれ、よいことが)
超私的な高森家平成26年3大ニュース
高森明勅
高森明勅 誰も読む必要がない、 今年の高森家3大ニュース。私的なメモとして、3人の子供たちの出来事を年齢順に挙げる。 (1)長男。やはり、彼が企画書を書いた日本をアピールするイベントが、ミャンマーの人たちに支持され、4万7千人もの参加者を得て大成功に終わったことか。来年にも繋がりそうだとか。 (2)長女。何と言っても、シンガポールの好青年との結婚。娘の旦那は...
女系容認で収拾がつかなくなる?
高森明勅
高森明勅 『週刊現代』(1月3日・10日合併号)に「未来の天皇『やっぱり愛子さまがいい』VS『当然、悠仁さま』」という記事。その中で明確に女系を排除する発言がある。 「もし、女系にまで皇位継承権を広げてしまったら、収拾がつかなくなり、必ず争いに繋がりますよ。日本が根本から変わってしまうかもしれない」と(八木秀次氏)。奇妙な意見だ。 端から皇室典範の存在を無視している。...
既に子供たちは道徳的な心を持っている
高森明勅
高森明勅 12月14日、ゴー宣道場。 テーマは「道徳教育は可能なのか?」。 私なりに楽しむことが出来た。 最も印象に残っているのは、小林よしのりさんの発言の1つ。 「友情や努力を描く少年ジャンプの漫画を読んで子供たちが道徳的になるのではなく、既に道徳的な心を持った子供がいるから少年ジャンプにそうした作品が載る」という趣旨だった。ゲストの岡田氏への反論として述べられたも...
ミャンマーで体験型「日本」発信イベント大成功!
高森明勅
高森明勅 12月6日・7日、ミャンマー最大の都市ヤンゴンで「ジャパン・ミャンマー・プエドー」なるイベント開催。 趣旨は、日本とミャンマーの国交樹立60周年を記念して、現地で日本の「夏祭り」を大がかりに再現し(現地は12月も猛暑)、 ミャンマーの人々に日本文化を体験して貰うこと。 中身は、和太鼓や各種屋台、原宿ファッション、カラオケコンクール、など盛りだくさん。 これに...
衣食足りて…
高森明勅
高森明勅 道徳教育を考える際に、「基礎の基礎」と言うべき視点がある。よく知られている言葉だが。 「衣食足りて礼節を知る」。 シナ斉(せい)の桓公を助けた管仲(?〜前645年)の著『管子』の言葉に由来する。 正しくは「衣食足れば則ち栄辱を知る」。改めて解説する迄もあるまい。 生活に余裕が生まれ、暮らしの心配がなくなって初めて、人は礼儀や節度、名誉や恥辱などに心を寄せるこ...
思し召しで昭憲皇太后「百年」式年祭
高森明勅
高森明勅 ちょっとした事情があって、今年これ迄に行われた皇室祭祀を確かめた。 すると、4月11日に昭憲皇太后百年式年祭が執り行われている。式年祭というのは、決められた年(式年)ごとの崩御日に当たる日に行う祭り。 今年は、明治天皇の皇后だった昭憲皇太后が崩御されて百年。 そこで、大きな区切りの式年祭が行われたのだ。 勿論、その事実そのものは、かねて承知していた。 だがこ...
神話授業への小学生の質問
高森明勅
高森明勅 先日の小学校の先生方の研修会に参加された若きY先生。 早速、子供たちに神話の授業を行われたらしい。 大好評だとか。 で、子供たちからこんな質問が。 「イザナキの神が火の神を斬り殺したはずなのに、なぜ今も火はあるの?」 熱意溢れるY先生もさすがに即答できず、その質問が私に回って来た。 それにしても、ずいぶん詳しく神話を教えておられるのに感心する。 でなければ、...
我ながら情けない
高森明勅
高森明勅 先日、小学校の先生方の研修会。東京、千葉、埼玉、神奈川などの先生方が集まる。この日は40人余り。 若い先生方がほとんどで、女性の参加者も多い。 中には年輩の校長先生も。 皆さん、優秀で熱意ある先生方ばかり。 今年で2年目。11月は今期で3回目の研修があった。 テーマは「神話」。正午に集合して午後4時過ぎまで。 終わった後、近所の居酒屋で打ち上げ。 熱心にどん...
新嘗祭「暁の儀」お出まし取り止め
高森明勅
高森明勅 天皇陛下が、毎年11月23日に行われている新嘗祭での「暁の儀」のお出ましは、今年からお取り止めになることになった。宮内庁は、天皇陛下が75歳を迎えられた平成21年から、陛下のご理解を頂きながら、段階的にご負担の軽減を図って来た。この度のことも勿論、その一環。 振り返ると、例えば明治天皇の場合、数え54歳の明治38年が新嘗祭への最後のお出ましだった。それ以降は...
「詔書」を知らない政治家ども
高森明勅
高森明勅 先に念のため、衆議院の解散は「天皇の国事行為」であることを指摘した。 こんなの憲法学以前の、社会常識の基礎の基礎。 と思っていたが、今日、信じがたい非礼かつ不敬なハプニングがあった。国会で伊吹衆議院議長が「解散の詔書」を読み上げている途中で、議員達が恒例の万歳三唱を始めてしまったのだ。詔書の文面は以下の通り。 「日本国憲法第7条により、衆議院を解散する。&n...
衆議院の解散は「天皇の国事行為」である
高森明勅
高森明勅 憲法は、衆議院の解散が天皇の国事行為であることを、明記している(第7条)。 天皇陛下の「解散の詔書」によって、はじめてそれは行われ得る。 もちろん、国事行為には内閣の「助言と承認」が欠かせない(第3条)。 だから事実上、内閣総理大臣が解散の時期を決定出来ることになる。 ならば何故、憲法上、内閣総理大臣“単独”の専権事項とされないのか。国権の最高機関たるべき国...
宮崎駿氏の「勤勉」
高森明勅
高森明勅 長年、アニメ映画を手掛けてこられた宮崎駿監督が「アカデミー名誉賞」を受賞。 日本人では黒澤明監督以来、2人目という。 快挙だろう。このニュースに触れて、私が真っ先に思い浮かべたのは、彼の「勤勉さ」。 と言うのも以前、脳学者の池谷裕二氏とコピーライターの糸井重里氏の対談(初出は平成14年)の一節を読んで、余りにも強烈な印象を受けていたからだ。 糸井氏いわく、「...
近況一端
高森明勅
高森明勅 10月30日。 都内某誌編集部へ。住所が移ってから初めてのお邪魔。 「ゴンドラ」のパウンドケーキを手土産に。 編集長、担当編集者と一緒に近所で昼食。 美味しい鰻をご馳走になった。私の文章について、明快で、感情的にならず、根拠を積み上げる語り口なので説得的ーとの評価を頂いた。 当然、お世辞交じりだろう。 でも話半分としても、面映ゆい。2人と別れて神保町へ。 年...
道徳・不道徳・非道徳
高森明勅
高森明勅 次回のゴー宣道場は「道徳教育は可能か」を考える。そこで予め予備的な頭の体操を。 人間は誰しも、生まれながら道徳的な行為が出来る訳ではあるまい。先天的には不道徳というより、非‐道徳的な存在だろう。しかし通常、人々が何らかの程度で道徳を身に付けていないと、おそらく社会は安定的に維持出来ないのではないか。 もちろん、強大な政治権力の統制によって、無理やり社会秩序を...
百地章氏の「正論」
高森明勅
高森明勅 産経新聞10月30日付「正論」欄に憲法学者で日本大学教授の百地章氏が「旧宮家の男子を皇族に迎えよ」との一文を発表された。 以前、女性皇族がご結婚により民間人になられても、特例として尊称を認めて皇室活動を手伝って頂く―というプランが出されていた。 だがこれについて、百地氏は「新たな身分制度を作りかねないとの批判があった」などと言及。その上で閣議決定による称号な...
発売中の雑誌のことなど
高森明勅
高森明勅  今発売中の月刊誌『WiLL』12月号に拙い文章を書いた。 「『昭和天皇実録』公表の機会に、富田メモの信憑性を含め、(昭和天皇の靖国神社への)ご親拝中断の『真相』についてあらためて検証」したもの。ご関心の向きは覗いて頂けると有難い。 『SAPIO』11月号が「『昭和天皇実録』1万2000ページを読み解く」という特集。 なかなかの充実ぶり。 特に、昭...
エボラ出血熱を疑われる寸前だった長男
高森明勅
高森明勅 長男がミャンマーへ。 12月に同国で、日本をアピールするやや大がかりなイベントがあり、その手伝いをしているらしい。数名のメンバーと一緒に下見に出かけたんだとか。ところが帰国直前に、現地でスコールに打たれて風邪を引いた。何でもない普通の風邪。 だが、帰りの飛行機(ANA)の中でどんどん熱が上がった。 このまま成田に着けば、エボラ出血熱感染を疑われて大騒ぎになる...