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ゴー宣道場ゲストへの態度
高森明勅
ゴー宣道場では時々ゲストを招く。人選は概ね小林よしのりさんがなさる。ゲストとして登場頂く方々は多彩。 考え方も人柄も、当然ながらそれぞれ違う。 それでも皆さん、道場の趣旨に、何らかの意味で共鳴して下さるからこそ、ゲストを承諾されるはず。 そう思って、これまでゲストの方々には、意見の違いなどには関わりなく、少なくとも道場当日は、基本的に感謝と尊敬の念を抱いて接...
いわゆる保守がグローバリズムに走る理由
高森明勅
いわゆる保守派が新自由主義の旗を振り、グローバリズムを推し進める。 それによって“保守すべき価値”は喪われて行く。 弱肉強食の原理を遠慮会釈なく社会に導き入れ、中間層を突き崩し、格差を拡大すれば、日本的な美徳もへったくれも無くなって当たり前。明らかに自己矛盾。 何故こんなことになるのか。 それが「宗主国」アメリカの価値観に合致し、その利益に叶うからだ。いわゆ...
ブレジンスキーとウォルドロンの率直な指摘
高森明勅
昨年、田久保忠衛先生からご高著『憲法改正、最後のチャンスを逃すな!』(並木書房)をご恵送頂き、啓発されるところが多かった(但し、小林よしのり氏につき、僅か一ヵ所ながら誤った言及があるのは残念)。安倍政権への言及が意外なほど少なく、かつ手厳しい印象で、故江藤淳氏の占領研究の業績を高く評価しておられる。同著の冒頭にズビグニュー・ブレジンスキー元米大統領補佐官の発...
ポツダム体制派VSサンフランシスコ体制派
高森明勅
戦後史における「目に見える」形での政治・思想上の最大の対立は、ポツダム体制派VSサンフランシスコ体制派の対立だったのではないか。 ポツダム体制派は、日本の過去の戦争を徹底的に罪悪視し、反戦反軍の立場で、憲法護持を唱え、非武装(又は軽武装)を求める。 日米安保条約に対しては、否定的もしくは懐疑的。東西冷戦時代には、社会主義・共産主義を受け入れるか、積極的に支持...
戦後レジームとしての「在日米軍」
高森明勅
保守は「戦後レジームからの脱却」を唱え、リベラルは「戦後民主主義を守れ!」と叫ぶ。 では、在日米軍と戦後レジームや戦後民主主義との関係は? 紛れもなく、その重要な支柱だろう。 だから、戦後民主主義を守れ!と言うなら、在日米軍もそこに含まれるはず。戦後レジームからの脱却を主張するなら、やはり在日米軍も込みでなければ可笑しい。 ところが、リベラルは在日米軍を守れ...
戦後の「延長」としての戦中
高森明勅
先に、戦後とは「被占領とその延長」と要約した。 で、もし「占領」者たるアメリカの都合で日本が没主体的に戦争に駆り出されたとしたら(「属国」状態での集団的自衛権がどんな意味を持つか、その時こそ誰の目にも明らかになっているだろう)、語義に照らして戦「後」は終わる。 戦「中」に移行するからだ。だがそれで、わが国の主体性や正義が回復する訳ではないのは、勿論だ。 むし...
テロ未遂者?の「自由」論(下)
高森明勅
そもそも、フランス革命の理念に掲げられた「自由」と「平等」は、それぞれを絶対視してとことん突き詰めたら、決して両立しない。 自由を無制限に認めたら、果てしない弱肉強食により、不平等極まる社会になるのは必至。一方、平等を厳格に社会の隅々まで貫徹しようとすれば、自由は著しく制約され、殆ど“窒息死”を免れない。よって両者のバランスが大事で、その均衡点を探る場合、重...
佳子殿下の武蔵野陵ご参拝
高森明勅
秋篠宮家のご次女、佳子殿下がご成人のご報告の為、多摩陵(大正天皇御陵)、多摩東陵(貞明皇后御陵)、武蔵野陵(昭和天皇御陵)、武蔵野東陵(香淳皇后御陵)をご参拝になった。まことに気品溢れるご立派なお姿だ。 だが、今の制度のままなら、ご結婚とともに民間にお入りになる。姉宮の眞子殿下はよりご結婚に近いご年齢。 これを放置すれば、やがて今の皇族方で皇室に残るのは、悠...
テロ未遂者?の「自由」論(中)
高森明勅
幸い、監督は私たち言い分を真摯に受け止めて下さり、映画会社もほぼ最大限の対応をしてくれた。 特に、上映中の映画にも拘わらず、技師を全国の劇場に派遣し、問題の場面を全てカットしてくれたのは、私たちを十分納得させる措置だった(若かった私は更に、プロデューサーに孝明天皇の御陵と孝明天皇を祀る平安神宮への謝罪参拝を求め、これも実現した)。 だがもしあの時、先方の対応...
テロ未遂者?の「自由」論(上)
高森明勅
フランスで風刺週刊紙本社が銃撃される事件があり、多数の死者が出た。 この事件そのものについては、正確な判断を下せるだけの情報を、私は持っていない。 ただ、この事件に絡んで、小林よしのりさんが「『言論の自由』は絶対ではない」と主張されているのは、“危険な意見”だが、傾聴に値する。 言論・表現の自由は無論、大切。 だから極力、尊重されるべきだ。 しかし、絶対かつ...
桑田佳祐氏の「尊皇」
高森明勅
ロック歌手の桑田佳祐氏について、私は殆ど何も知らない。正直に申して、その音楽も余り聴いたことがない。 ただ昨年、紫綬褒章を受けた時のコメントが立派だったのは覚えている。また、受章当日の映像を見て、その極度の緊張ぶりに好感を持った。 他の受章者と一緒に君が代を歌っている場面もあった。彼はロック歌手でも芸能人でもなく、1人の国民として歌っていた。 ああ、この人は...
最もコンパクトな戦後史論(3)
高森明勅
戦後史第3期は東西冷戦終結後。そこで日本はどのようなポジションに立つのか?相変わらずアメリカの属国。 だがソ連消滅で、アメリカにとって日本の利用価値は激しく低下した。 その上、一時は世界を覆うかと見られたアメリカ一極覇権も、敢えなく頓挫。 アメリカの威信が衰える一方、中国の存在感は増大。 東西冷戦時代と異なり、アメリカは共産党独裁下の中国と、経済的に極めて緊...
最もコンパクトな戦後史論(2)
高森明勅
戦後史第2期は東西冷戦開始からその終結まで。そこでの日本の位置付けはアメリカの「属国」(建前上はアメリカの同盟国で自由主義陣営の一員)。サンフランシスコ講和条約により国際法上、主権を回復しても、わが国の主体性が抑圧されている状態が解消した訳ではない。第1期に由来する憲法の拘束で「戦力」未満の自衛隊しか持てない日本には、日米安保条約によって国内に米軍が留まった...
最もコンパクトな戦後史論(1)
高森明勅
戦後70年という期間の異常な長さを先に指摘した。その戦後史は、さしあたり3期に分けて理解出来るのではないか。第1期は、日本がポツダム宣言を受諾して敗戦後、いわゆる東西冷戦が始まるまで。 占領前半期にあたる。 ここでは、日本は“連合国の敵”。 よって、日本の主体性は徹底的に抑圧され、その正義は全面否定された。そうした日本の主体性抑圧を固定化する装置が日本国憲法...
『SAPIO』2月号に「宮中祭祀の1年」
高森明勅
1月5日発売の『SAPIO』2月号に新春特別企画として、オールカラー8ページの「宮中祭祀の1年」という記事。一般誌に、皇室の祭祀がここまで丁寧に紹介されるのは、初めてではないか。 編集者の見識に敬意を表したい。私は微力ながら同記事の監修に携わった。 念の為に直接、実際に祭祀に奉仕されている掌典職に事実確認も行った。但し紙幅の都合で、、残念ながらその殆どは誌面...
天皇陛下のメッセージ
高森明勅
私は年来、様々な場で、国民はもっと天皇陛下はじめ皇族方のお言葉に謙虚かつ虚心に耳を傾けるべきだ、と訴えて来た。 それは、美辞麗句を並べた役人の作文なんぞではなく、制約されたお立場にありながら、ご自身のお気持ちやお考えを伝えるべく、入念に推敲を重ねられた、皇室からの貴重なメッセージに他ならないからだ。近頃はその事実に気付く人が、少しずつでも増えているのではない...