- 新しい順
- 古い順
- タイル表示
- リスト表示
母方の「姓」を継いだ話
高森明勅
『日本書紀』に次ぐわが国の正史『続日本紀(しょくにほんぎ)』。 それに、なかなか興味深い史実が載っている。第50代桓武天皇が即位して間もない天応元年(781)5月29日のこと。 尾張国中嶋郡の住人、裳咋臣船主(もくいのおみふなぬし)なる人物が朝廷に“改姓”を訴え出た。 「裳咋臣」を改めて「敢臣(あえのおみ)」にして欲しい、と。その理由が注目に値する。 最初の...
「死者との約束の場所」靖国神社
高森明勅
かつて、政府が靖国神社に代わる「無宗教」の国立追悼施設建設の可能性を探ろうとしたことがある。 その時、戦後も長年にわたりルバング島で孤独な戦いを続けられた故・小野田寛郎氏が、激しく批判されていたのが記憶に新しい。靖国神社は、戦争で亡くなられた方々を丁重に祀る「死者との約束の場所」。 その死者との神聖かつ厳粛な約束を、生者の勝手な政治的思惑でないがしろにするの...
「八紘一宇」と日本の正義
高森明勅
自民党の三原じゅん子参院議員が国会質疑で、グローバル資本主義批判の文脈から「八紘一宇」という言葉を取り上げた。 なかなか良い着眼だ。 これに対し、「八紘一宇」という言葉そのものに、言葉の意味もよく分からないまま、条件反射的に反発する向きもあるようだ。 戦後70年を経ても、いまだGHQのマインドコントロールが有効に機能している証拠だろう。 昭和20年12月15...
わが愛犬むーすけ、ありがとう
高森明勅
あれは何年前か。既に1人暮らしをしていた長女からペットの犬を1匹、押し付けられた。 白いポメラニアンで、名前はむーすけ。 最初は、どちらかと言えば嫌々、飼い始めた。まぁ娘の頼みだから仕方がない、と。 家内は殆どノータッチ。餌をやるのも、散歩に連れて行くのも、全て私。むーすけは早く私になつき、私も可愛がった。 私が家にいる時は、膝に乗ったり、いつも側にいる。 ...
安倍首相「国会ヤジ」の問題点
高森明勅
安倍首相が国会で、民主党議員の質問に繰り返しヤジを浴びせた。これまで、首相本人によるこうしたヤジの前例はどうなのか? 随分みっともない振る舞いだ。 まず心理的背景としては、西川農水相の献金疑惑への追及が、安倍氏にはストレスだったのだろう。だから平然と聞き流せなかった。そうした心理的な弱みを公の場で晒すのは、政治家としても人間としても、未熟さの表れ。...
「対テロ戦争」がテロを拡大
高森明勅
「テロとの戦い」と言えば、誰も反対出来ない印象を与える。何だか、世界から不当なテロリズムを撲滅する、平和的な取り組みのような。 だが、実態はアメリカ主導の「対テロ戦争」。 それに積極的にコミットするなら、相応のリスクもコストも覚悟する必要がある。ドカドカ空爆で民間人も殺し、地上戦に踏み出さなくては事態は収まらない。 その“戦争”に加わるなら、非軍事的支援なん...
五輪招致、やはり陛下は「政治利用」をご懸念
高森明勅
やや以前のことだがー。 平成25年9月7日。ブエノスアイレスでのIOC総会で、日本の五輪招致の説明(プレゼンテーション)に先立ち、高円宮妃久子殿下が東日本大震災の復興支援への感謝のお言葉を、優雅に格調高く述べられた。 妃殿下は降壇後、そのまま会場を後にされた。 これは皇族が直接、五輪招致活動に関与しているとの印象を避ける為だ。妃殿下のご存在が結果的に、投票行...
イスラエル、ネタニヤフ首相の危うさ
高森明勅
安倍首相は今回の中東歴訪で、イスラエルのネタニヤフ首相との“親密さ”を、国際社会に強くアピール。その表情は誇らしげだった。 だが、イスラム社会では「テロリスト」とさえ呼ばれるネタニヤフ氏とはどんな指導者か?専門家が指摘する事実関係の一端を紹介しよう。 「ネタニヤフ政権はヨルダン川西岸の入植地拡大の政策をとり続け、それがオバマ政権のケリー国務長官の和平工作を挫...
安倍首相の中東歴訪、もう1つの失策
高森明勅
日本人2人がイスラム国に拘束されている最中、中東を歴訪して「イスラム国と戦う諸国を支援する」と大見得を切った安倍首相。2人が殺されたのは“自己責任”としても、全日本人が「テロの危険の中にいる」(安倍首相)状態に陥ったのは、誰の責任か。 かつての、ルーピー鳩山首相の「国外、県外」発言さえ霞んで見える大失策。政府内部の検証委員会でどんな言い訳を捻り出しても、取り...
食品の異物混入への過剰反応
高森明勅
最近、食品への異物混入が取り沙汰されることが多い。少し前ではペヤングソース焼きそばとか。全商品の回収などに繋がるケースも。 個別の例はともかく、全体的な印象として、いささか大袈裟過ぎないか。 勿論、健康を著しく損なうような場合は別だが。 以前、某大手パンメーカーの商品を買って、異物が混入していたことがあった。 早速、購入した店に届けて交換して貰った。 それで...
映画「アメリカン・スナイパー」の排外主義
高森明勅
『ニューズウィーク日本版』最新号(2月17日号)にクリント・イーストウッド監督の「アメリカン・スナイパー」の映画評が載っている(デーナ・スティーブンズ執筆)。アメリカではイラク戦争とアフガニスタン戦争を批判的に扱った映画はヒットしないという。 9・11テロ後の「米軍の侵攻とその人的代償について鋭い問いを突きつけた」ような作品(キンバリー・ピアーズ監督「ストッ...
小林よしのりにおける「個と公」の原点とは?
高森明勅
隔月のゴー宣道場開催に当たって、毎回必ず1週間前に原則、師範全員参加の打ち合わせがある。それから当日は1時間前に集合して、直前の打ち合わせ。更に第1部終了後、休憩時間を利用して打ち合わせ。第2部が終わると、回収されたアンケートを時間の許す限り回し読み。 それから「語らいタイム」収録。 以上全てが終わると、反省会兼打ち上げに移る。 その間、しばしば本番に劣らな...
アメリカ依存心理の根深さ
高森明勅
ゴー宣道場に参加戴くのは、日常に埋没するのを潔しとせず、左右の紋切り型のボジショントークにも満足せず、自分の頭で「考える」姿勢を手放さない人たちーのはず。 だが、そんな道場参加者(我々は道場生と呼んでいる)の中にも、アメリカ依存心理を脱却出来ない人が、やはりいる。かなり知的と思える人物が、アンケートに「日本独自の自主防衛は、たとえ望ましくても、経済的負担が大...
イスラム国より残虐な政府軍
高森明勅
先に、イスラム国関連の死者の数を紹介した。イスラム国の武力攻撃に伴う“治安悪化”によるイラクでの死者は1万人弱(昨年年初から9月迄)だった。これに対し、昨年7月のシリア人権ネットワークの報告では、シリア政府軍が殺害した民間人は少なくとも11万人弱(うち約1万5千人強が子供、1万4千人弱が女性、拷問による死者が5千人弱)という。ちなみにシリアの人口は2000万...
田村謙治氏の道場参加に感謝
高森明勅
今回のゴー宣道場に、元衆議院議員の田村謙治氏が急遽、ご参加下さった。 『新戦争論1』の読後感を小林よしのりさんにメールされたのがきっかけ。田村氏は以前にも道場にご参加戴いたことがある。民主党の保守系政治家の中でも有望株として、小林さんが期待されている人物だ。 お忙しいのに、活動拠点の静岡からわざわざ上京戴いてのご参加。 ありがたい。東大法学部をご卒業後、大蔵...
「建国記念の日」國護り演説大会
高森明勅
2月11日、建国記念の日。 わが家に国旗を掲げ、有楽町のよみうりホールへ。 正午から第7回國護り演説大会。この日、参加した若者は800人位か。 567名の応募者(応募資格は29歳まで)から数次にわたる審査を経て、最終的に残った9名が登壇。 私はここ数年、審査員を拝命している。さすがに多数の応募者の中から選ばれただけあって、皆レベルが高い。 応募者の性別は男性...