高森明勅

「八紘一宇」と日本の正義

高森明勅

2015年 3月 18日
自民党の三原じゅん子参院議員が国会質疑で、
グローバル資本主義批判の文脈から「八紘一宇」という言葉を
取り上げた。

なかなか良い着眼だ。

これに対し、「八紘一宇」という言葉そのものに、
言葉の意味もよく分からないまま、条件反射的に反発する向きも
あるようだ。

戦後70年を経ても、いまだGHQのマインドコントロールが
有効に機能している証拠だ
ろう。

昭和20年12月15日、占領当局によって「神道指令」が出された。

その中で、具体的に禁止用語として指定された言葉が2つあった。

1つは「大東亜戦争」。
そして、もう1つが「八紘一宇」だった。

いずれも、先の大戦に於けるわが国の「正義」
をストレートに
表明した語。

占領当局には頗る都合が悪い。

だからこそ、“名指し”で禁止された。

だが、サンフランシスコ講和条約で日本が独立を回復すると同時に、
同指令は効力を失った。

にも拘らず、「大東亜戦争」も「八紘一宇」も事実上、
公共の言論空間から追放されたまま。

それは、日本がいまだ自らの正義を見失ったままの現実に、
ぴったり対応している。

だから、三原質問に登場した「八紘一宇」
拒絶反応を示した連中は、自分では気付かないまま、
GHQの幻に忠誠を尽くし、わが国の事実上の被占領状態の維持に
努めているに等しい。