高森明勅

「対テロ戦争」がテロを拡大

高森明勅

2015年2月20日 11:00
「テロとの戦い」と言えば、誰も反対出来ない印象を与える。

何だか、世界から不当なテロリズムを撲滅する、
平和的な取り組みのような。

だが、実態はアメリカ主導の「対テロ戦争」。

それに積極的にコミットするなら、
相応のリスクもコストも覚悟する必要がある。

ドカドカ空爆で民間人も殺し、
地上戦に踏み出さなくては事態は収まらない。

その“戦争”に加わるなら、非軍事的支援なんて言い訳は、
少なくとも敵側には通用しない。

敵の「憎悪」を、日本人皆が真正面から引き受けなくてはならぬ。

その心構えがあるのか。

そもそも、アメリカ流の対テロ戦争をこれまで通り続けて、
勝算はあるか。

イラク戦争もアフガニスタン戦争も、
全く戦争目的を達することが出来なかった。

どころか、おびただしい死者を出し、莫大な費用をかけて、
事態を格段に悪化させただけ。

むしろイスラム国を生み出すなど、テロの脅威は遥かに増大した。

イラクでは宗派的相違はほとんど意識されることなく、
スンニ派とシーア派が共存するシステムが存在したが、
フセイン政権打倒にシーア派の協力が必要であったアメリカが
宗派
的対立を煽り、それがイラク社会に定着してしまった」

イラクは、米軍がイラク戦争で占領するまで、
内戦の歴史をもっていなかった。
イラクでは難民が国外へ流出する一方、内戦に加担したり、
米軍と戦おうとしたりする民兵や過激派のメンバーが
国内に流入す
るようになり、大量の武器がもち込まれたのは、
米国の同盟国であるサウジアラビアの富豪層たちが、
米軍と戦う武装集団に武器、弾薬、資金を提供したからである」
等の指摘がある。

アメリカ主導の泥沼の対テロ戦争に、覚悟も当事者意識もなく、
いつの間にか日本も“参戦”
ーなんて悪夢は、もう始まっているのか。