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アメリカ軍事費の実態
高森明勅
アメリカが軍事費の削減を進めているのは周知の通り。アメリカのヘーゲル前国防長官は退任直前の昨年11月16日、「米国はもはや、(軍事)予算の規模で敵を圧倒することはできなくなった」と、率直に語っている。 その実態について、兵頭二十八氏は以下のように指摘する。 「世界の軍事費の3分の1以上は、米国が1国で支出しているといわれる。 だが…各国の消費力を比べるときに...
今年2回目の日本教師塾
高森明勅
9月12日、本年度2回目の日本教師塾への出講。 この塾は、東京・千葉・埼玉・神奈川地域の20代、30代の若い小学校教師たちを中心に結成された、自主的な研修の場。 創立以来、と言うか、創立以前から、縁あってお手伝いしている。 今回の研修テーマは「沖縄」。こうした、ある意味で“挑戦的な”テーマ設定をするあたり、いかにもこの塾らしい。当日の発表が予定されている2人...
中国脅威の名目で中東に駆り出される法案
高森明勅
安保関連法案。 一口で言って、中国の脅威に対抗する為に、何故か、自衛隊を米軍の兵たん部隊として中東に派遣して、「泥沼」の戦争に参戦する道を開く法整備。殆ど正気の沙汰とは思えない。 そもそも、アメリカに中国とことを構える気があるのか、どうか。兵藤二十八氏は、カーター国防長官のこんなエピソードを紹介している。 「2015年4月に国防長官として日本を訪問する直前の...
安全保障、いつまで対米全面依存?
高森明勅
安保関連法案の前提とされる「我が国を取り巻く安全保障環境の変化」とは何か。 端的に言って、中国の台頭とアメリカの凋落。 ならば、日本自身がしっかりしなくては、となるのが当たり前。いつまでも、安全保障をこのままアメリカに全面依存していられない、と。ところが、自国の防衛力強化には見向きもせず、アメリカにもっとしがみつく為に「貢献」を!というのが、今回の安保関連法...
安保関連法案へのソボクな疑問
高森明勅
安保関連法案。 違憲との見方が有力だ。 それに対する反論は、「国際情勢の厳しさを直視せよ!」というもの。 これがまず疑問。違憲との批判への反論は「いや、合憲だ!」であるはず。でなければ、「国際情勢が厳しいから違憲でも仕方がない」と主張しているに等しい。 「憲法、立憲主義、法の支配なんてどうでも良い」と。違憲を解消するには憲法を改正すれば良い。 「国際情勢の厳...
ハグさせて貰えないお義父さん
高森明勅
娘は、シンガポールでまだ家が入手できないのと、日本での仕事もあって、両国を行ったり来たり。 あちらに行くと、旦那のご両親が優しく迎えてくれる。 どうも、虚像か実像か、日本人の嫁の評価が無茶苦茶、高いんだとか。 殆ど世界最高!と思われているらしい。 わが娘も、そうした一般的な評価の恩恵に預かっているようだ。 まぁ、娘も暫くは猫を被っているだろうし。 あちらのお...
悠仁殿下をお1人にしてはならない
高森明勅
9月6日、秋篠宮家の悠仁親王殿下のお誕生日。満9歳を迎えられた。 心からお祝い申し上げる。だが繰り返す迄もなく、今のまま歳月が流れたら、皇室は悠仁殿下お1人だけになってしまう。これも改めて言う迄もないが、現在の制度では内親王、女王方はご結婚と共に、皇室から離れて行かれる。やがて世代が交替すれば、残るのは悠仁殿下のみ。皇室の全てのご公務も当然、お1人に集中する...
男系限定の前提、「側室」復活は無理
高森明勅
こんなこと、改めて言う迄もない。 それでも皇位の継承において、男系を維持しようとすれば、必ず側室を復活させるしかない。男系限定は、側室制度と組み合わせてこそ、何とか辛うじて維持できる。 だから、男系限定を今後も維持しようとし、なおかつ僅かでも論理的な思考力を持つ人は、どうしても側室の復活を夢想することになる。 でも無理。側室の事実上の廃止は、大正天皇から。そ...
旧宮家系国民男子は1人だけ?
高森明勅
皇統の危機をどう打開するか? 皇室典範を改正して、旧宮家系国民男子に新しく皇籍取得を認めよう、という意見があった。 だが、皇室と国民の区別を曖昧にする、との批判が早くからある。 つい先頃も、旧宮家系男子の1人、竹田恒昭氏が大麻所持で起訴されたばかり。皇族と結婚したのでもないのに、民間人が皇籍を取得できるような制度改正は、皇室の尊厳を重んじるなら、厳に差し控え...
旧宮家系国民男子の起訴
高森明勅
旧宮家系国民男子、竹田恒昭氏が大麻所持で起訴されたという。こういう人物に、あろうことか皇籍を取得させようと考えていた人々は今、どんな感想を持っているのか。 世俗化した現代日本で、皇室典範を改正し、一部の民間人に新しく皇籍取得を認めようという方向性は、高貴であるべき皇室と、一般国民との厳粛な区別をないがしろにする、極めて危険な考え方と言う他ない。 今回の事件は...
因果は巡る山口組分裂
高森明勅
日本最大の暴力団、山口組が分裂状態に陥ったとか。多数の死傷者を出した山一抗争を思い出す。 同組は今年、創設百年を迎える。 皮肉な話だ。 だが、さもありなん、とも思う。今の司忍組長の6代目就任は、一種のクーデターと囁かれていたからだ。追い落とされた側には当然、遺恨が残ったはず。 また、その正統性への疑念もあったろう。平成9年に山口組のナンバー2、宅見勝若頭が暗...
「桑原、桑原」について
高森明勅
先にブログで「桑原、桑原」という言葉を遣った。 ところが、ピンとこない人もいるらしい。 まさか、もはや死語になっているのか? と不安になり、手近の辞書を捲ると、ちゃんと出てくる。 「くわばら(桑原) 落雷を避けるためにとなえるまじないのことば。また、いやなことや不吉なことをさけるためにとなえるまじないのことば。 ふつう『くわばら、くわばら』と2度続けていう」...
メディアへのコメント
高森明勅
8月にメディアから求められてコメントしたのは、2つ。 1つは、8月上旬に毎日新聞から靖国神社について取材を受けた。それが記事になったのは13日付朝刊。 15分位、喋ったうち、紙面に載ったのは次の通り。 「〔安保関連法案を巡る〕国会論議は死者が出る可能性をごまかしている。実際に死者が出ても政府は(戦争でないとして)戦死と認めないかもしれない。 その時、靖国が独...
アメリカの為なら先制攻撃もOK?
高森明勅
安保関連法案の眼目の1つが、新しく「存立危機事態」での防衛出動を認める自衛隊法第76条改正案。その条文が何とも曖昧。 存立危機事態を定義して、「我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追及の権利が根底から覆される明白な危険がある事態」と規定。 これは既に他国への武力攻撃が「発生した」こと...
個別的自衛権と集団的自衛権の逆転
高森明勅
安保関連法案の可笑しさを巡って、元内閣法制局長官の大森政輔氏がこんな趣旨の指摘を。個別的自衛権に基づく「防衛出動」の要件は、「明白な危険が切迫している」こと。 つまり、わが国への外部からの武力攻撃の(1)明白な(2)危険が(3)切迫―という3重の“縛り”。 ところが法案では、集団的自衛権の場合、他国への武力攻撃の「明白な危険がある」だけ。 (1)明白な(2)...