高森明勅

男系限定の前提、「側室」復活は無理

高森明勅

2015年 9月 5日

こんなこと、改めて言う迄もない。

それでも皇位の継承において、男系を維持しようとすれば、
必ず側室を復活させるしかない。

男系限定は、側室制度と組み合わせてこそ、
何とか辛うじて維持できる。

だから、男系限定を今後も維持しようとし、
なおかつ僅かでも論理的な思考力を持つ人は、
どうしても側室の復活を夢想することになる。

でも無理。

側室の事実上の廃止は、大正天皇から。

それを自覚的に廃絶したのは、昭和天皇の聖断による。

皇室がその復活を望まれるとは、考え難い。

国民の多数がそれに同意することも、あり得ない。

国会の過半数が、そうした制度改正を支持することもない。

自ら側室になろうとし、然るべき条件を備えた女性が複数、
継続的に
現れるはずもない。

更に、今の日本でそんな制度が復活したら、
先進諸国もさぞや驚くだろう。

どこから見ても、側室復活はない。

男系限定の前提は、とっくに失われているのだ。

よって、それに固執すれば、皇室そのものが存続できなくなる。

だから私どもは、不可避的に二者択一を迫られる。

男系限定をこのまま続けて皇室の消滅を待つか、
皇室の存続を願って男系限定を見直すか。

答えは自ずと明らかだろう。