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不思議な金銭感覚
高森明勅
高森明勅 久しぶりに家内の買い物に付き合う。 と言っても、食料品の買い込み。 一渉り買い物を済ませたと思うと、「もう少しすると生鮮食品の割り引きが始まるから、それまで時間を潰そう」と、店内の喫茶室へ。2人でケーキセットを頼み、しばし懇談。 で、再び颯爽と売り場に。 いくつか割り引きした商品を買い足して、満足気に帰路に就いた。 余計なことだが、喫茶室で時間を潰した分、か...
抑止力が高まる?
高森明勅
高森明勅 国会で今、審議中の安保関連法案について、初歩的な誤解があるのではないか。 この法案が成立すれば、日本の安全保障の為にアメリカが“何か”新しい義務を負う、と。勿論、そんなことは全くない。 そもそも、日本国内でどんな法律が成立しようと、それによってアメリカが拘束されるなんて、原理的にあり得ない。そんな小学生でも分かることを改めて言うのは、そうした根拠のない“誤解...
昭和天皇・マッカーサー会見の史料批判
高森明勅
高森明勅 昭和天皇とマッカーサーの第1回会見。 そこで、昭和天皇は自ら戦争責任を負う旨の発言をされたのか、否か。そうした発言をされた、とする史料の主なものにマッカーサーの回想録がある。だがこれは、後年まとめられた文献で、誇張や虚偽も多く含まれる。 これに対し、通訳の奥村勝蔵氏が記した御会見録は同時代の公式記録だが、そこには責任発言は出てこない。 ならば、そんなご発言は...
昭和天皇・マッカーサー第1回会見の真相
高森明勅
高森明勅 昭和20年9月27日、昭和天皇とマッカーサーの第1回会見が行われた。 その時、昭和天皇は戦争に伴う一切の責任を自ら負われる旨の発言をされた、とマッカーサーは後年、自身の回想録に記した。 ところが、この会見で通訳に当たった奥村勝蔵が認めた公式記録というべき「御会見録」には、そのような発言は全く出てこない。 そこで、昭和天皇は実際にはそうしたご発言はされなかった...
沖縄問題と改憲論
高森明勅
高森明勅 京都大学准教授の柴山桂太氏が次のような指摘をしている。 「日米安保体制とは、日本の安全保障の根幹をアメリカに委ねる体制であり、米軍が日本本土と沖縄に駐留し続ける体制だった。 戦後、日本本土の基地は縮小に向かったが、沖縄の基地は拡大を続けた。 そして今や、米軍専用施設の7割が沖縄に集中し、沖縄本島の2割を米軍基地が占めるという他の地域でも例を見ない基地の集中が...
リベラル改憲論
高森明勅
高森明勅 リベラルの立場から、こんな改憲論が提起されている。 「これまで、日米安保条約と日米地位協定が日本国憲法の上位に君臨し、日本人の主権を侵害している現状を『これでもか』というほど書いてきました。 …その最大の原因は、国連軍構想が実現不可能になったあとも、手つかずで放置されたこの(憲法)9条2項にあったと言えるでしょう。 …9条2項の具体的な条文については…とにか...
ドイツ基本法、改正による再軍備で安定化
高森明勅
高森明勅 わが国を代表する憲法学者、佐藤幸治氏。 無論、憲法擁護派だ。その彼がスルッと、こんなことを書いている。 「(ドイツが)再軍備問題について…いち早く(ドイツ連邦共和国)基本法を改正して手当てを行ったことも…基本法の安定化に寄与したものと思われる」(『立憲主義について』)と。 これは要するに、ドイツが事実上の憲法典である基本法を、早々と改正して公然と再軍備したや...
8月15日の靖国神社
高森明勅
高森明勅 8月15日、例年のように靖国神社境内で子供たちと落ち合う約束。参拝者が拝殿前から長い列を作り、神門を越え、第2鳥居(青銅大鳥居)より先まで伸びている。 外苑も人がいっぱい。大変な人出だ。 若い人の姿が目立つ。 まず長女が、暑さと人ごみにヘロヘロになりながら、登場。最近までシンガポールにいて、やっと市民権も取れたので、今は夫と一緒に新居購入の準備に当たっている...
画期的!ニコ生で遊就館紹介動画
高森明勅
高森明勅 8月15日、およそ午後5時から7時までニコニコ生放送で、靖国神社境内にある遊就館をたっぷり紹介する動画を流した。案内役は私。 サポート役にプロのアナウンサー。手前味噌ながら画期的な企画だろう。 去年、同じ終戦記念日に靖国神社境内の日本庭園で、同じアナウンサーを相手に靖国神社について語る番組をやり、幸い好評戴いた。 それで今度は、遊就館の中にカメラを入れて、歩...
いきなり、関西ゴー宣道場いつやる?って…
高森明勅
高森明勅 小林よしのりさんからメールを戴く。 「関西ゴー宣道場の開催はいつにしよう?」という内容。 ???。確かに、前回の道場の後、関西で道場開催を望む声があるという話は、少し聞いていた。しかし、いきなり“いつやる?”と言われても。 10月、12月の東京での会場は予約済みだし、その他の事情からも、今さら変更はほぼ不可能。 となると、各師範の都合を一から調整しなくちゃな...
安保関連法案の為に自虐史観強化という逆説
高森明勅
高森明勅 第2次安倍政権の登場を歓迎した人々は一体、何を期待したのか。  恐らく、その最たるものは歴史問題の克服であり、自虐史観からの脱却ではなかったか。 だが、実際はどうなったか。靖国神社神社への参拝は又々中断。 世界遺産登録では、韓国に譲歩して「強制性」を自ら認める大失策を犯した。そして戦後70年談話。 本来、これは村山談話を事実上、撤回する為のアイディ...
皇后陛下のご快癒を祈り奉る
高森明勅
高森明勅 このところ暫く、皇后陛下のご体調が優れないとの報道に接し、ご心配申し上げている。 東大病院での精密検査の結果、強いストレスなどによる心筋虚血と診断されたという。恐らく原因となる「強いストレス」は、私的というより、公的・国家的な性格のものである可能性が高いだろう。 皇后陛下が「ずんとする胸の痛み」を訴えられるようになったのは、6月末頃。となると、そのストレスの...
元記者が語る最晩年の昭和天皇
高森明勅
高森明勅 昭和天皇の最晩年に皇室記者として取材していた人物の証言。 (1)水野和伸氏(東京新聞) 「崩御(ほうぎょ)される前年の夏に、那須でお会いしたのが最後でした。…一般の方には、テレビなどで流れる、どこか飄々とした独特のしゃべりの印象が強いかも知れませんが、そのときは、ご病気がだいぶ進行されていたにもかかわらず、ものすごく強烈な存在感がありましたね。 もちろん、ご...
開戦時から終戦を考えておられた昭和天皇
高森明勅
高森明勅 戦後70年に際し、先の大戦を様々に回顧する必要がある。中でも、昭和天皇が開戦当初より、いかに戦争を終わらせるべきか、早くも模索しておられた事実を見逃してはならない。昭和44年9月8日、那須御用邸での記者会見において、記者からこんな質問があった。 「陛下、この戦争はやめなければならないと、決断された時期はいつ頃ですか」と。 これに対し、昭和天皇は以下のようにお...
クーラー主権
高森明勅
高森明勅 先頃、ある民間会社がクーラーの使用実態について、20歳から49歳までの男女にアンケート調査。 その結果、男性の自宅での設定温度は25度が最多で、一方、女性は28度が最多とか。で、設定温度は誰が決めるかという質問に、「自分」と答えたのが男性50、7%、女性38、8%だとか。これを見て、“夫”が決定権を持つ例が多いと即断してはならない。 ただ単に、調査対象になっ...
宮田昌明氏の最新研究に注目!
高森明勅
高森明勅 近現代史研究家で一燈園資料館「香倉院」勤務、里見日本文化学研究所客員研究員の宮田昌明氏が京都大学に提出した学位論文 『英米世界秩序と東アジアにおける日本ー中国をめぐる協調と相克』(錦正社)。 最近の広告にはこんな紹介が。 「大東亜戦争肯定論の新拠点。英米中ソはじめ世界各国を緻密に分析、20世紀前半の世界情勢を描写する新たな歴史観を提起する!」と。 以前から気...
笑えない政府・自民党ぶっちゃけトーク
高森明勅
高森明勅 このところ、政府・自民党関係者の「本音」トークが立て続けに炸裂している。まず安倍首相側近で安全保障担当の礒崎首相補佐官。 「法的安定性は関係ない」。 これは要するに、「今回、政府が国会に提出した安保関連法案は、ぶっちゃけ法的安定性をムチャクチャ危うくしていまう。でも、法的安定性は関係ない」ということ。 実に正直。 次に、滋賀4区選出の自民党の武藤貴也衆院議員...
イジメ寸感
高森明勅
高森明勅 イジメについて一般的な感想を尋ねられたりする。そこで参考までに、私なりの乏しい知見や体験に基づき、目下の考え方の一端を、記してみる。もし採用できる部分があれば採用し、棄てるべき部分は棄てて頂ければ幸いだ。 イジメは無論、大人の社会にも普通に存在する。 だが、ここでは一先ず除外。さしあたり、子供の世界でのイジメに限定しよう。 それは、大人の場合と比べて、時に重...
「河野談話」の読み直し
高森明勅
高森明勅 第49回ゴー宣道場。 珍しく、小林よしのりさんが自ら司会に名乗りを。 でも、ご本人は楽しくなかったとか。 司会は余り発言出来ないし、司会に専念された分、議論の全体を、距離を置いて大観するのも、通常より難しかったのでは。 しかし、いつも司会を務めて下さる笹幸恵師範の発言を伺う場面が増えたのは、良かった。ゲストだったジャーナリストで編集者の松竹伸幸氏の、最初のま...
一国のみで自国を守れない?
高森明勅
高森明勅 「もはや一国のみで自国の安全を守ることはできない」というのが安倍首相の決め台詞。 “もはや”って、戦後70年、日本一国のみで自国を守れたことは、1度もなし。 だから、ちゃんと自国のことは自国で守れるようにしよう。その為に必要なら憲法を変えよう。 というのが筋ではないか。上記の台詞は、要するに「日本は国民を守れない」と断言しているに等しい。それを堂々と宣言して...