高森明勅

因果は巡る山口組分裂

高森明勅

2015年 9月 2日

日本最大の暴力団、山口組が分裂状態に陥ったとか。

多数の死傷者を出した山一抗争を思い出す。

同組は今年、創設百年を迎える。

皮肉な話だ。

だが、さもありなん、とも思う。

今の司忍組長の6代目就任は、
一種のクーデターと
囁かれていたからだ。

追い落とされた側には当然、遺恨が残ったはず。

また、その正統性への疑念もあったろう。

平成9年に山口組のナンバー2、宅見勝若頭が暗殺された時、
先代の渡辺芳則組長は、宅見氏との対立から、
それを敢えて黙認したと見られている。

これはヤクザの世界では、親の“子殺し”に当たる。

その証拠を掴んだ司組長らが先代に引退を迫り、
無血クーデターに成功したという。

その後、司組長の出身組織の弘道会が勢力を張り、
渡辺前組長の出身組織だった山健組が冷遇されていたらしい。

だから今回、山健組などが脱退したのは、ある意味で自然な流れ。

但し6代目体制発足時に、
組織ナンバー3の総本部長に
入江禎組長が就任していた宅見組も一
緒に脱退しているのは、
色々と想像させる。

まぁ、堅気には関係ない話だが。