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アメリカ大統領をコケにした日本の首相
高森明勅
高森明勅 これまで日本の首相はアメリカ大統領に頭が上がらなかった。ところが、わが安倍首相は見事な迄にオバマ米大統領をコケにした。何しろ現職の大統領を差し置いて、トランプ氏の自宅に参上して、早々とオバマ退任“後”の協力関係について「陳情」したのだから。 その上で「信頼関係を築くことができる」などと持ち上げて見せた。 オバマ大統領は、まだ任期中にいきなりこんな仕打ちをされ...
忠犬ぶりは健在なり!
高森明勅
高森明勅 トランプ次期米大統領に、わが安倍首相が世界の指導者に“先駆け”てお目通り戴き、会談を実現! って、自慢出来ること? まだ大統領にもなっていない人物の自宅に呼び付けられたのだから、かなり情けない。 なりふり構わず、ひたすらアメリカに尻尾を振って、「永久(とわ)に変わらぬ」忠誠を誓っているようにしか見えない。 そう言えば岸田外相は、安倍首相が各国の首脳のうち「4...
ご譲位を巡り「土俵」がズレ過ぎ
高森明勅
高森明勅 8月8日の天皇陛下のお言葉を拝して政府は何をすべきか。ご譲位を可能にし、皇室の存続を安定的なものにする為に、包括的な皇室典範の改正案を用意し、速やかに国会で成立を図る。それ以外にない。 極めてシンプル。 だから、改めて有識者会議を設ける必要なんぞ、端からなかった。 しかし、責任逃れの“隠れ簑”として、それを立ち上げた。 議論の“土俵”も、「公務負担の軽減“等...
特例法、躓いた?
高森明勅
高森明勅 朝日新聞(11月16日付朝刊)が面白い記事を載せている。ご譲位を巡る有識者会議のこれまでのヒアリングで、対象者11人の中で特例法をそのまま支持したのは、元内閣官房副長官の石原信雄氏ただ1人。条件付き容認も2人しかいなかったという事実を紹介している。実は私もブログで取り上げるつもりだった。 政府として、陛下のご譲位自体を認めないという選択肢は、さすがにあり得な...
朝日新聞へのコメント
高森明勅
高森明勅 以前、朝日新聞の取材に応じていた。 それが記事になった(11月16日付朝刊)。ご譲位が行われた後の秋篠宮殿下の位置付けについて。 「皇室典範を改正して皇太弟を設け、あわせて皇室経済法など関連の法令を改正し、経済的、人的な支援体制を整えるべきだ」 これは、いわゆる「生前退位」のみに対応した制度改正がなされた場合の“手当て”について質問されたのに答えたもの。私自...
健全な庶民、愚劣な「識者」
高森明勅
高森明勅 いわゆる「識者」の意見より庶民の健全な感覚の方が遥かに正しい場合が、しばしばある。さしずめご譲位を巡る有識者会議のヒアリングなんぞ、その典型例か。 直近の産経新聞とFNNの合同世論調査(11月12日・13日実施)では「今後すべての天皇が譲位できるようにすべきだ」との回答が70.3%、「今の天皇陛下に限り、ご譲位できるようにすべきだ」が22.3%、「譲位を認め...
大統領制という災厄
高森明勅
高森明勅 天皇・皇室の存在を否定するというのは、具体的に何を意味するか。 わが国が共和制に移るということ。恐らく「大統領」制を採用することになろう。だが歴史も国民性も異なる他国はともかく、それが日本にマッチするのかどうか。 漠然と、国のトップは世襲の君主より、自分たちが選挙で決めた大統領の方が断然、良いはずだと考えている人がいるかも知れない。 でも建国以来、大統領制を...
国家と個人
高森明勅
高森明勅 グローバル化の停滞、または反転という傾向が、かなり明確に見え始めている。 それは「国家」の再浮上を意味する。 そこで「国家と個人」を巡るエマニュエル・トッド氏の発言を、改めて顧みておこう。 「核家族は個人を解放するシステム、個人が個人として生きていくことを促すシステムですが、そうした個人の自立は、何らかの社会的な、あるいは公的な援助制度なしにはあり得ません。...
『ザ・議論』拝読
高森明勅
高森明勅 小林よしのり氏から新刊の『ザ・議論』(毎日新聞出版)を送って戴いた。 ご厚意に感謝。東京大学大学院教授で元日本法哲学会理事長、リベラリズム論の第一人者とされる井上達夫氏との「天皇」「歴史認識」「憲法9条」を巡るガチンコ討論。 サブタイトルが「『リベラルvs保守』の究極対決」。 いかにも興味をそそる。 「あとがき」に井上氏がこんなことを書いている。 「人と議論...
トランプ米大統領の次はルペン仏大統領?
高森明勅
高森明勅 来年1月にはトランプ米大統領が誕生する。 同年4・5月にはフランスの大統領選挙。4月の選挙で過半数を得る候補者がいなければ、上位2人で5月に決戦投票が行われる。 この選挙について、以下のような予測も。「(国民戦線の)ルペン党首は前回の大統領選挙では泡沫候補と呼ばれていたほどなのですが、今では2回目の投票に進む最有力候補として見られているのです。…大統領選挙ま...
トランプ勝利を予測した木村太郎氏の見方
高森明勅
高森明勅 早くからトランプ氏が「99%大統領になる」と明言していたジャーナリストの木村太郎氏。昨年12月にそう直感したという。 米国で取材して「隠れ支持者」が多数いる事実を発見したのが理由だとか。その彼がこんな発言を。 「(トランプ氏のアドバイザーによると)『米国は世界の安全のためにいろいろな国を助けてきたけど、もうできない。悪いけど手を引くよ』というのがトランプの基...
『週刊エコノミスト』にコメント
高森明勅
高森明勅 このところ取材が相次いで、いつどのメディアにどんなコメントをしたか、余り覚えていない。『週刊エコノミスト』(11月15日号)が届いて何事かと思っていたら、私のコメントが載っていた。編集部の酒井雅浩氏が書いた「天皇陛下の生前退位 政府の意向は特別立法 違憲、皇室の不安定招く」という記事。 冒頭近くにこうある。 「政府は『現在の陛下に限って可能とする特別立法』で...
トランプ米大統領の登場
高森明勅
高森明勅 アメリカ大統領選挙をトランプ氏が制した。多くの人々には意外な結果だろう。 だが、いち早くトランプ勝利を予測されていた人もいる。例えば国際政治学者の藤井厳喜氏。 氏はこう断言されていた。「これから余程の異変がない限り、トランプ候補の勝利は確実であろう。トランプ当選を阻むのは、最早、暗殺や事故死といった非常事態しか考えられない」と。その上で、今回の大統領選挙の構...
「武装せる天皇制」へのノスタルジー
高森明勅
高森明勅 あるタイプの「保守」系知識人らが、天皇陛下のお気持ちになお背こうとしている。いまだに摂政を立てろとか、国事行為の代行ではどうか、あるいはご公務の軽減を図れ、せめて譲位は一代限りにせよ、などと。 情けなく嘆かわしい。 これは一体、何故か。彼らの頭脳を支配しているのは「武装せる天皇制」(林房雄)への(自覚なき)ひ弱な郷愁ではないか。明治以降敗戦迄の天皇の在り方こ...
有識者会議ヒアリングへの感想
高森明勅
高森明勅 11月7日、ご譲位を巡る有識者会議の第1回ヒアリング。5人の「識者」が意見を述べた。それぞれの主張について改めてコメントするには及ばないだろう。そのまま頷けるものは1つもなかった。 ただ、会議のメンバーの質問に興味を惹かれた。 「戦後の天皇は祈る一方で国民と苦楽を共にし、国民の信頼を得ることが重要であると考えており、国民の9割もそれを支持している。この状況を...
陛下のご公務をポジディブリストで考えるな
高森明勅
高森明勅 天皇陛下の国事行為は憲法に列挙されている13種類。それが全て。 それ以外にあり得ない。まさにポジディブリスト方式。 国事行為以外のご公務はどうか。ざっくり言えば、3つの「条件」さえ逸脱しなければ、あとは国民側の要望と陛下のお気持ちによって決まる。3つの条件とは以下の通り。 (1)国政に関する権能が含まれない。(2)内閣が責任を取る。(3)象徴天皇としての性格...
「武装せる天皇制」から「天皇の伝統的在り方」へ
高森明勅
高森明勅 かつて林房雄氏は、明治以降敗戦迄の天皇の在り方を「武装せる天皇制」と呼んだ。 天皇は統治権の総攬者であり、軍隊を統帥する大元帥でもあった。それは弱肉強食の帝国主義の時代に、わが国が国際社会の荒波を乗り越えて行く為に必要な「国のかたち」だった。 譲位の可能性を排除したり、天皇の崩御に際して6・7世紀頃の大がかりな殯(もがり)を近代的に「再構成」した儀礼を新しく...
無知丸出し有識者会議
高森明勅
高森明勅 「生前退位」を巡る有識者会議の議事概要が公表されている。その無知ぶりが半端ではない。 例えば、皇位と共に継承される「三種の神器」に相続税が課税されるかどうかについて、“考え方”の整理を要望したとか。 そんなの「考え方」の問題じゃない。ただ法律通りに対処すれば良いだけ。相続税法第12条にこうある。 「左に掲げる財産の価格は、相続税の課税価格に算入しない。1、皇...
男系派の謎
高森明勅
高森明勅 「男系限定」派はどこへ行った?  何をしている?  今こそ、彼らがかねて主張して来た、旧宮家系国民男子の新たな皇籍取得を実現する、絶好のチャンスではないか! 政府は彼らが頼りにする安倍政権。しかも8月8日の天皇陛下のお言葉によって、皇室典範改正の気運は近年になく高まっている。このタイミングで、旧宮家系男子の皇籍取得を実現する典範改正を何故...
幻冬舎新書の章立て
高森明勅
高森明勅 幻冬舎新書の拙著も大詰め。 11月2日夕方に再校を受け取った。3日一杯でチェックして、4日に返す。 4日は、午後3時からある雑誌の企画でジャーナリストの青木理氏と対談。だから、その前に編集者に渡さねばならない。260ページあまりを1日半位で校正することになる。無茶なスケジュールだ。 しかし、私の初校の返しが遅かったのが原因らしい。 自業自得か。新書のタイトル...