高森明勅

『週刊エコノミスト』にコメント

高森明勅

2016年 11月 10日

このところ取材が相次いで、いつどのメディアに
どんなコメントをしたか、余り覚えていない。

『週刊エコノミスト』(11月15日号)
が届いて何事かと
思っていたら、私のコメントが載っていた。

編集部の酒井雅浩氏が書いた
「天皇陛下の生前退位 政府の意向は特別立法 違憲、皇室の不安定
招く」という記事。

冒頭近くにこうある。

政府は『現在の陛下に限って可能とする特別立法』
まとめる方針だ。
皇室典範改正に踏み込むと、
女系天皇や女性宮家の議論を
避けられないためだが、
それは陛下が願う『安定的な皇位継承』
ないがしろにしているとの批判があるうえ、
特別立法には違憲の
疑いが付きまとう」。

極めてまっとうなスタンスだ
それは記事のタイトルにも表れている)。

私のコメントは以下の通り。

「公務のあり方は、陛下が全身全霊で、国民とともに
築き上げてきた。(
有識者会議が)数ヵ月でまとめられる
ものではない」

「…(政府のやり方には)『摂政では(陛下の)意思を尊重でき
ないので、
すぐに対応できる特別立法しかありません』
というあざとさが見える」

「(特別立法では、それが)前例となり、将来の恣意的な
退位につながる危険が
ある」

これらについて、私がチェックをした記憶はない。

でも、趣旨を大きく外してはいない
(但し最後のコメントは、むしろ「
強制退位」につながる懸念に
力点を置いたつもりだが)。

この種の記事が人々の目に触れることが大切だ。


なお11月9日の
「『武装せる天皇制』へのノスタルジー」
というブログで
「(本来、『武装せる天皇制』
の構成要素に過ぎない)譲位について
は頑なに抵抗しようとする」
と書いたのは、舌足らずで逆の表現になっていた。

「(本来、『武装せる天皇制』の構成要素に過ぎない)終身在位を
見直して、
再び譲位を採用することについては頑なに抵抗しよう
とする」
と訂正。

以後、気を付けよう。