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国民は分かっている「生前退位」
高森明勅
高森明勅 どこまでも天皇陛下のご意向に平気で「叛こうとする」一握りの知識人がいる。 陛下はご自分の為ではなく、「公(おおやけ)」の為にこそ譲位を望んでおられる。至高の公の体現者であるべき「天皇」という地位の尊厳を、何としても守り抜く為に、ご自身の矜恃(きょうじ)を懸けて譲位を望まれているのだ。それを公然と阻もうとする者達がいる。陛下に対しまことに申し訳ないこと。 だが...
『SAPIO』も「生前退位」特集
高森明勅
高森明勅 『SAPIO』9月号は「畏るべき天皇陛下」という特集。どこかで聞いたような…。 執筆者は、富岡幸一郎・小林よしのり・百地章の各氏。 富岡氏いわく「『象徴天皇』としての歴史的意義を示され、その責務を果たされることで、国民と共にある皇室の存在理由を、新しい歴史の頁に記された今上陛下の意志を何よりも尊いものとして、大切に受け止めるべきではないだろうか」と。 まさに...
日本会議が陛下のご意向に「猛反発」?
高森明勅
高森明勅 『週刊文春』(8月11日・18日号)に「天皇生前譲位に『日本会議』が猛反発」という記事。 直接、コメントを寄せているのは、百地章・八木秀次・大原康男・入江隆則・島村宜伸・田久保忠衛の各氏。特に目新しい内容はない。 それにしても、不思議なのは以下のような発言。 「譲位を認めることは『私なし』の皇室の伝統に反する恐れがある」(百地氏) 「125代続いた皇位継承の...
摂政設置は「大不敬」
高森明勅
高森明勅 相変わらず、憚りもなく摂政の設置を唱える「保守」系知識人たちがいる。 だから念を押しておく。ご健康な陛下に対し、摂政設置を主張するのは不敬の極み。摂政を設置すれば、陛下のご意向に背いて、国事行為は勿論、全てのご公務と祭祀への関わりを「取り上げる」ことに。国民との接点も一切、遮断される。厳粛な責任感と崇高な使命感をお持ちの陛下に、畏れ多くも「当事者能力無し!」...
『正論』も「譲位の御意向」特集
高森明勅
高森明勅 『正論』9月号に「譲位の御意向」を巡る特集。執筆者は上智大学名誉教授の渡部昇一氏、麗澤大学教授の八木秀次氏、作家の竹田恒泰氏、皇室ジャーナリストの久能靖氏、皇學館大学教授の新田均氏。これら方々の中で、明確に「摂政」設置を主張するのは、渡部・八木両氏。 今の陛下に対し、摂政の設置を唱えるのは底無しの無知か、不敬の極み。 もう、それだけでアウトだろう。 お2人は...
「平成」から次の元号へ(3)
高森明勅
高森明勅 新元号の候補案はいつ用意されるのか。 確かなことは分からない。だが皇位継承後、畏れ多いことながら、いつ次の皇位継承があるか、予測し難い。 しかも、改元は遅滞を許さない。 よって、それは早く用意されるはず。つまり現時点では、とっくに用意済みと見るのが当然。若干名の学識経験者に委嘱して、それぞれ複数の候補案を出して貰っているはずだ。昭和から平成への改元の時には、...
「平成」から次の元号へ(2)
高森明勅
高森明勅 譲位(生前退位)が行われる際は、まず今上陛下が「譲位の詔書」を下されることになろう。 詔書には勿論、陛下ご自身のご署名(御名、ぎょめい)と御璽(ぎょじ、“天皇御璽”という4文字が刻まれた天皇の正式な印章)が欠かせない。それに内閣総理大臣などの副署が伴う。 詔書が下されたら、時を置かず神器(じんぎ)、具体的には宮中にある草薙剣(くさなぎのつるぎ)のご分身と八坂...
「平成」から次の元号へ(1)
高森明勅
高森明勅 天皇陛下が譲位(生前退位)を望んでおられる。 ならば、それは国民の圧倒的多数が“反逆者”でない限り、普通に実現するのが当たり前。 その場合(神器の継承に続いて)、まず「改元」が行われる。 元号が「平成」から次のものに改められるのだ。 その法的根拠は「元号法」。この法律は昭和54年6月の国会で成立した。 逆に言うと、「元号」という制度はこの法律が成立する迄、暫...
「生前退位」という言葉
高森明勅
高森明勅 大阪大学名誉教授の加地伸行氏が「生前退位」という言葉に“噛みついて”おられる。 「『生前』は不要な語である。なぜなら、退位という行為は、崩御以前のことに決まっているからである」と。 これはその通り。 “生前”だからこそ“退位”できる。退位は生前に決まっている。 『日本書紀』に第26代、継体天皇が次の安閑天皇に皇位を譲られて、“その日”に亡くなられたという記事...
譲位と国民統合
高森明勅
高森明勅 國學院大學名誉教授の大原康男氏は、恐らく葦津珍彦(あしずうずひこ)氏亡き後、天皇・皇室について最も「権威」を持って語ることができる学者だろう。 その大原氏が、この度の天皇陛下の「譲位」のご意向を巡り、次のように述べておられる。 「何よりも留意せねばならないのは『国事行為』や『象徴としての公的行為』の次元の問題ではなく、『同じ天皇陛下がいつまでもいらっしゃる』...
関西ゴー宣道場「呼び込み」ブログは逆効果?
高森明勅
高森明勅 このところ連日、関西ゴー宣道場への参加を募るブログを挙げ続けて来た。今回の道場がいかに大切か、又どんな論点があるか等々。さぞや甚大な効果があったに違いない。 今回の応募者の殆どは、私の魅力的なブログに引き寄せられたに違いない。と思っていたら、こんなアドバイスが。 もう止めたら、と。私が書けば書くほど、無駄に“敷居”が高くなっているのではないか。 私が力を込め...
「生前退位」を巡る週刊誌の記事から
高森明勅
高森明勅 天皇陛下の「譲位」のご意向を巡り、週刊誌に識者の発言が取り上げられている。いくつか紹介しておく。 宗教学者の山折哲雄氏「こんどの天皇の『生前退位』の問題が、伝統ある大嘗祭(だいじょうさい)という儀礼のあり方とどのようにかかわるのか、重要な課題であるといわなければならないだろう」。同氏はどうやら、大嘗祭について殆ど何の勉強もしないで、全く思い付きで言及されてい...
陛下のお田植え
高森明勅
高森明勅 天皇陛下の宮中でのお田植えは、昭和天皇が昭和2年に始められたのが、そもそもの起こり。今上陛下の場合は、お田植え前の種籾を蒔くところ(お手まき)から、ご自身でなされる。 昭和天皇がなさった遣り方をもう一歩、徹底した形。 品種はニホンマサリ(うるち米)とマンゲツモチ(餅米)に、ある時期(前者は昭和51年、後者は同63年)から一定。 更に今上陛下は毎年、新しく品種...
『WiLL』「陛下は摂政を置いてお休みを」だと
高森明勅
高森明勅 先にもお伝えしたように、7月26日発売予定の『月刊Hanada』9月号に「生前退位」を巡る文章を、かなり無理なスケジュールで書いた。 一方、同日発売の『WiLL』にも「生前退位」についての記事が。執筆者は渡部昇一氏、加地伸行氏、大原康男氏、百地章氏という、まさに保守論壇の重鎮。中身は以下のような論調で足並みを揃える。 渡部氏「退位なさりたいというのは身体を休...
「摂政」を置くと陛下と国民の接点は皆無に
高森明勅
高森明勅 摂政は天皇の代行者。 天皇が当事者能力を喪われた時に置かれ、国事行為もご公務も祭祀も全て代行される。 だから、摂政を立てると陛下と国民の接点は皆無となる。しかも摂政の設置は、天皇が主体となることはなく、専ら皇室会議で決められる(天皇が内閣の助言と承認によって行われる国事行為の委任とは、そこが異なる)。 よって、妄(みだ)りにその設置要件を緩和したり、拡大解釈...
動態概念としての「象徴」
高森明勅
高森明勅 よく知られているように、日本国憲法第1条は「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴」と規定する。 では「日本国の象徴」と「日本国民統合の象徴」はどう異なるのか。様々な意見がある。 その中で特に傾聴すべきは、大原康男氏の次の指摘ではあるまいか。 即ちー「『日本国』は、空間的には4つの島を中心とした島嶼(とうしょ)的国土として、時間的には不可逆の固有の歴史...
生前退位、「一代限りの特例法」は無理
高森明勅
高森明勅 天皇陛下の生前退位のご意向に関連して、政府内には今上(きんじょう)陛下“一代限り”の特例法で対応しようとのプランもあるという。 しかし、それは無理。 憲法に、皇位の継承は皇室典範による、と規定しているからだ(第2条)。 生前退位は明らかに、皇位継承の(今の典範には規定していない)もう1つの在り方。だったら典範を改正するしかない。 それ以外は全て憲法違反。なお...
生前退位のジレンマ
高森明勅
高森明勅 天皇陛下の生前退位にに向けて事態が動き出すには、些か厄介なジレンマが伴う。 原因は今の憲法の規定(第2条)。生前退位を可能にするには皇室典範の改正が不可欠。 だが、専ら皇室のみに関わる法律である典範の改正が、憲法によって国政上の案件とされている。 その為、天皇はじめ皇室の方々は、それについてご意向を“公式に”表明できない。 しかし生前退位については、天皇陛下...
「国体」に対する疑惑
高森明勅
高森明勅 日本国体学会の創設者、里見岸雄博士は昭和3年に『国体に対する疑惑』という著書を公刊された。 同書は当時、陸軍士官学校、東京帝国大学、京都帝国大学、早稲田大学、慶応大学等々の卒業生や在学生から集めた「疑惑」に、真正面から答えたもの。 かなり刺激的な内容だ。疑惑は50項目に及ぶ。 その幾つかを紹介するとー 「天皇を神とするは独断的にしてむしろ自然人と解...
共同通信のインタビューを受けた
高森明勅
高森明勅 7月19日、汐留メディアタワーの一室で「生前退位」について共同通信のインタビューを受ける。 たっぷり2時間。でも、インビュアーが若くて美形かつ理解力のある女性記者だったので、苦痛に感じなかった。 よく事前に勉強している様子が窺える。質問に引き出される格好で、これまでまだどこでも喋らず、原稿にも書いていない内容も、語った。 従来、ややもすると「象徴」との名目で...