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8月はゴー宣道場の真価が問われる
高森明勅
8月の関西ゴー宣道場は図らずも、とてつもなく重要な回になった。皇室の歴史そのものの転換点に立ち会おうとしているのだから、テーマを変更したのも当然。 これでより鋭角的な討議ができる。今回の大阪での道場は開始以来、最も重大な意味を持たざるを得ない。 このテーマを、深く柔軟かつ多彩にしっかり議論できるようになる為に、我々はこれまで道場を続けて来たとさえ言えよう。今...
「生前退位」について『月刊Hanada』に書いた
高森明勅
7月13日の夜、都内で子供達も一緒に妻のささやかな誕生日祝い。 その最中、陛下の生前退位のご意向を巡る情報が入る。 びっくり仰天。 直後、『月刊Hanada』の編集長から電話。 9月号のために、16日締め切りで「生前退位」についての原稿を依頼される。さすが“反射神経”の優れた編集者。しかし随分無茶なスケジュールだ。 でも今回は仕方がない。大切なテーマなので、...
摂政設置でなく生前退位を望んでおられる
高森明勅
現在の摂政とはいかなる制度か。 全く知らないで発言する「知識人」がいる。 天皇の国事行為、ご公務、祭祀の全てを代行するのが摂政。 だからその設置要件は、天皇陛下ご自身に全く当事者能力がない場合に限る。 未成年か、精神もしくは身体の重患又は重大な事故によって、ご自身で国事行為を全く行えない場合だ。当事者能力がないのが前提だから、ご本人の意思とは全く関係なく、専...
「深層NEWS」で陛下の“主体性”を語った
高森明勅
7月15日、BS日テレの「深層NEWS」という番組に出演。事前に45分位座談的に喋ると聞いていた。 ところが、テレビ局に着いてディレクターの説明を聞くと、やや話が違う。20分から25分の枠だと。 これは論点を絞るしかない。番組前に控えスペースで哲学者の萱野稔人さんと話していると、プロデューサーが「台本から外れても良いので、他の番組では扱えないテーマを掘り下げ...
日本テレビからBS番組の出演依頼
高森明勅
突然、知らない人から我がガラケーにメール。 文面を読むと、7月15日のBS日テレの番組「深層NEWS」への出演依頼だった。 拙宅にはテレビがないので、どんな番組か知らない。 「生前退位」の件で、哲学者の萱野稔人氏や読売新聞の記者らと45分位、話すそうだ。大切なポイントをうまく伝えられたらよいが。 _______________________________...
「国体」に対する疑惑
高森明勅
日本国体学会の創設者、里見岸雄博士は昭和3年に『国体に対する疑惑』という著書を公刊された。 同書は当時、陸軍士官学校、東京帝国大学、京都帝国大学、早稲田大学、慶応大学等々の卒業生や在学生から集めた「疑惑」に、真正面から答えたもの。 かなり刺激的な内容だ。疑惑は50項目に及ぶ。 その幾つかを紹介するとー 「天皇を神とするは独断的にしてむしろ自然人と...
天皇には自由が“ない”という事実
高森明勅
8月のゴー宣道場のテーマは「天皇には何故自由がないのか」。でも、天皇陛下が事実上、あらゆる自由を制限されておられる、という事実自体、一般には殆ど見過ごされているのではないか。最も公然たる社会的事実であるにも拘らず、むしろそれ故に、誰も改めてその事実に目をとめようとしない。 例えば先の参院選。天皇陛下(をはじめ皇室の方々)は誰にも投票できない。どの候補者を支持...
民主主義イコール資本主義?
高森明勅
7月のゴー宣道場で、小林よしのり氏は民主主義とナショナリズムをイコールで結んだ。これに対し、東浩紀氏が民主主義イコール資本主義と主張。ところが資本主義とナショナリズムは、決して等号では結べない。資本主義は民族性や国境を超えて、果てしなく拡大する傾向を本質的に持つからだ。まさに資本主義こそが、ナショナリズムの対極にあるグローバリズムを、必然的に生み出した。 と...
7月ゴー宣道場、失敗の一歩手前だった?
高森明勅
7月のゴー宣道場が終わった。飛び入り参加の津田大介氏が大切な役割を果たして下さった。元々、ご本人はフロアー参加のつもり。それを小林よしのりさんが、せっかく来てくれるならどこかで喋って貰おう、とお考えになった。 私は考えなしに「だったら、最初から席を設けてゲストとして登壇して戴いたらいかが?」と提案。 徹夜続きのご本人も当日、本番直前の依頼に些か驚いたようだ。...
「憲法違反」の参院選
高森明勅
本人が既に期日前投票を済ませておきながら、今更こんな話を持ち出すのは変かも知れない。 でも、やはり指摘しておく必要がある。 この度の参院選は「憲法違反」状態の“まま”行われる。 メディアは、選挙権年齢が18歳以上に引き下げられたと大騒ぎしながら、何故かこの点には殆ど触れないが。 勿論、参議院の選挙制度の本来あるべき姿については、様々な議論があり得る。 地域代...
妄想の国民投票(2)
高森明勅
国民投票という直接民主主義は“劇薬”にもなり得る。イギリスのEU離脱を巡る国民投票の前後の様子を見て、そんな感想を持った人も少なくないだろう。 他人事ではない。わが国でもやがて憲法改正についての国民投票が行われる。それを、やっと些かリアリティーを持って想像できるようになったのかも知れない。 護憲派か改憲派の政治家が、誰か殺されたりするのか、どうか。 投票率は...
今年も福島からの贈り物
高森明勅
今年も福島から贈り物を戴いた。石川郡玉川村の小針幸吉さんが育てたファーストトマトとミニトマトアイコ。ファーストは独自に開発した有機質の堆肥で土作りをして極力、水と養分を与えないで、通常のトマトの倍の時間をかけて育てたという。果肉に張りがあって、味わいが濃い。 果物のような感覚で、これまで食べたトマトで最高の味。 アイコは、作付けから1年半かけて栽培したという...
日本会議バッシングへの鈴木邦男氏の反論
高森明勅
このところ、保守系最大の民間団体「日本会議」への“批判”が一種のブームになっている。 書籍のベストセラー化を皮切りに、新聞や週刊誌なども便乗。 これに対し、関係者の反論も現れた。まぁ、前に「在特会」の内部事情などをレポートした本が売れたのと同様の、“覗き趣味”的な売れ方から始まって、流行ならろくに考えないでとにかく「乗る」人たちが追随した、というところだろう...
「新しい歴史教科書をつくる会」理事に復帰
高森明勅
以前、さる事情から「新しい歴史教科書をつくる会」の理事を辞任した。 別に喧嘩をした訳ではない。 その後も、一会員としてお手伝い出来ることは、僅かながらしてきたつもりだ。 ところがこの程、再び理事に戻るよう熱心なお誘いを受けた。微力で余りお役に立てることはない。むしろ私が理事に加わる事で様々なマイナス要因も考えられる。だから、本気で固辞したのだが、かねて尊敬申...
自民党“憲法”草案の皮肉
高森明勅
改憲は自民党の党是。 ところが、その改憲草案が余りにも酷過ぎる。 これについては以前、舛添要一氏の“まっとうな”批判がある。これが余り酷過ぎて面白い現象まで起きている。憲法学者でリベラルな「護憲派の泰斗」樋口陽一氏が、自民党草案に比べたら、立憲主義の観点から帝国憲法の方が遥かにマシ、と評価している。自民党草案は帝国憲法より前の「慶安の御触書」(実は偽書だった...
“文明”国こそが野蛮だった
高森明勅
小林よしのり氏『民主主義という病い』第12章の締め括りの、洞察に富んだ印象深い台詞。 「自由・平等・人権・文明という美しい理念と、野蛮な歴史の実態とのカイ離… それがフランスの、いや西欧諸国の今に影を落とし、暴力の連鎖を生み出している。文明国こそが野蛮だったのだ!」。ここから様々な先人の言葉を連想する。 例えば会田雄次氏。 「ヨーロッパ人…のヒューマニズムは...