高森明勅

日本会議が陛下のご意向に「猛反発」?

高森明勅

2016年 8月 4日

『週刊文春』(8月11日・18日号)に
「天皇生前譲位に『
日本会議』が猛反発」という記事。

直接、コメントを寄せているのは、百地章・八木秀次・大原康男
入江隆則・島村宜伸・田久保忠衛の各氏。

特に目新しい内容はない。

それにしても、不思議なのは以下のような発言。

「譲位を認めることは『私なし』の皇室の伝統に反する恐れがある」
(百地氏)

125代続いた皇位継承の伝統を弊履のように捨てて…
皇室制度の変更を検討するのは拙速」(入江氏)

この人達は、“125代”のうち、譲位による皇位継承がどの程度を
占めるか、
ご存知ないのか。

前近代の皇位継承では、むしろ「譲位」こそが標準であり、
伝統だった事実を知らないのだろうか。

明治大学名誉教授で日本会議の代表委員という入江氏に至っては
今上陛下や皇太子殿下、秋篠宮殿下などのお顔だけを考えて…」
などと放言。

単に無知なだけでなく、自ら反逆者、不忠者と名乗りを挙げているに
等しい。

記事には―
日本会議では(陛下の)『お気持ち』が表明された後の行動も
検討しているという」と。

まさか、よりによって“保守”系最大の運動団体が、
組織を挙げて陛下のご意向に「叛(そむ)く」
などと想像する人はいないだろう。