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警察庁長官人事でご譲位と東京五輪の警備に黄信号?
高森明勅
警察庁長官に栗生俊一氏が就任。これはOBの杉田一博官房副長官の「強い意向」だったとか。杉田副長官と言えば、天皇陛下のご譲位のお気持ちを、まともに取り合おうとしなかったとされる人物。 「『政治屋』と揶揄される栗生氏をめぐっては複数の怪文書が出回り、就任以前にもパチンコ業界との癒着ぶりが告発されていた」。この人事の余波で警察庁上層部から「警備」畑の主流派はいなく...
「加憲」擁護論のレベル
高森明勅
『週刊新潮』(2月15日号)に憲法改正を巡る記事。タイトルは 「今国会の最大の焦点!異端学者4人が座談会、『我ら9条改正賛成派』」。 かなりお粗末な内容。先ず憲法学者で中央大学名誉教授の長尾一紘氏。「9条はもともと自衛のための軍隊保持を禁止しているわけではありません。9条がそのまま残っても何ら問題がないのです。加憲案に賛成です」と。 9条は今のままでも「軍隊...
プライムニュース紹介ニュース
高森明勅
先日、2月7日のBSフジ「プライムニュース」を紹介するフジテレビのニュースを視た(ちょっとややこしい)。「『自衛権の行使制約』についての議論を」というタイトル。山尾志桜里衆院議員のメッセージをそのまま使っている。中身も3分の2程は、山尾議員(立憲民主党法務部会長)の発言を紹介。 残りは小池晃衆院議員(共産党書記局長)の発言。映像では、他に自民党と公明党の議員...
自己満足的改憲vs自己満足的護憲
高森明勅
護憲派に学習能力は無いのか。 安保法制反対運動の「敗北」から一体、何を学んだのか。自分らの敗北という冷厳なる現実を直視したくないので、必死で目を背けているのか。幅広い国民が既に受け入れている自衛隊を、ただそのまま書き込むだけの安倍“加憲”に対して、絶対反対をどれだけ叫んでも、まともに対抗できるはずがない。むしろ相手の思う壺。 負けても負けても、戦略も戦術も見...
安倍「加憲」の支離滅裂
高森明勅
安倍首相寄りとされる産経新聞(2月6日付)の記事。 「安倍晋三首相は5日の衆院予算委員会で、憲法9条の1、2項を変えずに自衛隊を明記する自らの改憲提案について『自衛隊の任務や権限に変更が生じることはない』と述べた。その上で『自衛隊が合憲であることは明確な一貫した政府の立場だ』と強調し、改憲案が国民投票で否定された場合も自衛隊の合憲性は『変わらない』との認識を...
合憲の自衛隊を合憲にする為の改憲?
高森明勅
安倍「加憲」とは何か? 自衛隊を合憲にする為の改憲。 ならば今、自衛隊は違憲なのか? 政府・国会としては勿論、合憲(!)との立場。 なのに何故、改めて800億円(!)もの国費を投じて憲法改正の国民投票を行い、既に合憲の自衛隊を、改めてわざわざ合憲“化”する必要があるのか? しかも、それによって、自衛隊への理不尽(殆ど狂気に近い)としか言えない現在の制約が、“...
主権を有する国民の政治的批判
高森明勅
いよいよ「憲法改正」を追求するゴー宣道場の開幕。今回のテーマは「憲法9条の命運」で、ゲストは憲法学者で慶應義塾大学法学部教授の駒村圭吾氏と立憲民主党の衆院議員、山尾志桜里氏。 駒村教授は、学者らしい冷静綿密な議論とユーモアを取り混ぜた、充実した基調発言。 取り分け、「砂川事件判決」(昭和34年12月16日、最高裁大法廷判決)の読み取りは、素晴らしかった。 単...
皇后陛下の明治「民間憲法草案」へのまなざし
高森明勅
皇后陛下は平成25年のお誕生日に際しての文書ご回答の中で、明治の「民間憲法草案(私擬憲法)」について言及された。 「5月の憲法記念日をはさみ、今年は憲法をめぐり、例年に増して盛んな論議が取り交わされていたように感じます。主に新聞紙上でこうした論議に触れながら、かつて、あきる野市の五日市を訪れた時、郷土館で見せて頂いた『五日市憲法草案』のことをしきりに思い出し...
自衛隊への理不尽な制約、元幹部の訴え
高森明勅
自衛隊に感謝し、自衛隊を大切にしたい国民は、自衛隊に対する憲法の“縛り”をそのまま「死守」する加憲論を、決して支持してはならない。 以下に、自衛隊への理不尽な(殆ど狂気に近い)制約を告発する元自衛隊幹部の切実な訴えを紹介する。 「防衛出動命令が出ていない状況(平時から戦時への移行期、即ちグレーゾーン)の場面では、外国艦船はもとより指揮系統の違う自衛隊艦船、海...
立憲主義の破壊を追認?
高森明勅
奇妙なニュース。立憲民主党の枝野幸男代表が山尾志桜里衆院議員が主張する立憲的改憲に「現時点では否定的」だとか。 枝野氏いわく、「(『純粋法理論上の問題』ではなく『政治論』の問題として)違憲の安保法制が存在している状況のもとで9条を触るということは、一般的に言えば立憲主義の破壊を追認することに手を貸すことになる」と。 変な理屈だ。 「立憲主義の破壊を追認するこ...
ゴー宣道場は「熟議」の場
高森明勅
憲法9条改正を巡り、集団的自衛権の扱いについて、小林よしのり氏と私の間に、些か考え方の違いがある。敢えて私流に乱暴に整理すれば、以下のようになるだろうか。改憲はあくまでも半人前国家から一人前国家への脱皮を目指すべし、というのが私のシンプルな考え方。 これに対し、今の堕落した日本の現実を直視すれば「赤ちゃんにハイハイを教えるところから始めるしかない」。つまり、...
普通に「自衛権」を考える
高森明勅
憲法9条の改正は何の為か。言うまでもなくわが国の真の自主独立を回復する為だ。自主独立を回復しなければ、平和も民主主義もその他のリベラル的価値も、決して保障されない。 自主独立を回復するには、「自衛権」を十全かつ規律ある形で行使できるように、憲法を改正しなければならない。 さしあたり叩き台となる、「自衛権」を明記した9条改憲私案は、先に発表した(それに過度に拘...
日本教師塾1月研修会参加者の感想
高森明勅
1月の日本教師塾は「御製(ぎょせい)」がテーマだった。その時の私の講義への感想の一部を紹介する。 「これまで御製に触れる機会が少なかったことを恥じています。まさに、陛下の御心をうかがうには、御製を学ぶべきだったと思います。大正天皇の御製がとてもすてきで、ぞくぞくしました」(千葉県、T先生、女性) 「和歌の力、御製の尊さが十分にわかりました。御製、御歌を通じて...
良い集団的自衛権、悪い集団的自衛権
高森明勅
国際法上、「自衛権」は当然ながら、独立国ならどの国にも等しく認められている。 その自衛権は、「個別的自衛権」と「集団的自衛権」によって構成される。 普通、個別的自衛権のみを認め、集団的自衛権が排除されるような事はない。 しかし、わが国の場合はどうか。 憲法の制約(具体的には9条2項の「戦力不保持」規定)があるので、軍隊を持つことが出来ない。個別的自衛権(!)...
自衛隊を巡る初歩的な「誤解」
高森明勅
どうも自衛隊を巡って初歩的な誤解があるようだ。 根深い誤解が。自衛隊は今のままでも軍隊である、と。 ただ、これまで歴代の政府が憲法の建前に配慮して、口先だけで「軍隊ではない」と誤魔化して来たに過ぎない、と。 ああ、誤魔化しだったなら、どれだけ良いだろう。 しかし、残念ながらそうではない。 正真正銘、自衛隊は「戦力」未満の非軍隊なのだ。 その証拠に常備の交戦規...