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最もシンプルな憲法9条改正論
最もシンプルな憲法9条改正論
高森明勅
高森明勅 憲法9条は改正すべきか否か。改正するならどのように改正すべきか。最もシンプルに考えてみる。 (1)国家の統治は憲法によって正当化され、規律されるべきだ。この点には殆ど異論がないだろう。 (2)ならば、憲法に国家最大の「実力」組織、自衛隊を正当化し、規律する条文がないのは、放置できない。よって、自衛隊の解体を望んでいるのでない限り、9条の改正は当然。 (3)と...
「加憲」詐欺に要注意!
「加憲」詐欺に要注意!
高森明勅
高森明勅 こんな声がある。 「北朝鮮の脅威は待ったなし。安倍首相が唱える自衛隊“加憲”で対応を急がないと危ない」と。全くの詐欺。 安倍加憲では、北朝鮮でも中国でも、対外危機への対応は何ら変化なし。 1ミリも改善されない。これは加憲論者自身がこれまで繰り返し強調してきた事だ。騙されてはいけない。
「ニュース女子」訂正と補足
「ニュース女子」訂正と補足
高森明勅
高森明勅 先に紹介した私の9条改正案に誤字があった。正しくは以下の通り。 「9条2項  前項の目的を達するため、自衛権の行使を越える戦力は、これを保持しない。  3項  自衛権の行使は、内閣総理大臣の指揮による」 また、百地章氏は9条の改正がたやすく繰り返し可能だと考えておられる、と指摘した。 しかし同氏は別の場面で、わが国の憲法は世界で...
「ニュース女子」収録
「ニュース女子」収録
高森明勅
高森明勅 1月25日、東京MXテレビ「ニュース女子」の収録。 テーマは「憲法改正」。 放送は2月5日午後10時から11時とか。私以外のゲストは憲法学者の百地章氏と弁護士の倉持麟太郎氏。私だけ法律の素人。 3人の9条改正案をもとに議論した。私の改正案が最もシンプル。 倉持氏の条文案が一番長い。長すぎて、番組中では所々「中略」や「後略」で紹介されていた。私の案は以下の通り...
西部邁氏の『堕落論』評価
西部邁氏の『堕落論』評価
高森明勅
高森明勅 1月25日、小林よしのり氏の『新・堕落論』発売。このタイトルが坂口安吾の『堕落論』を踏まえている事は改めて言う迄もない。 その『堕落論』をどう読むか。 西部邁氏の評価を紹介しておく。 「この書はね、僕の密かなバイブルでしてね。…僕の読み方は普通の人とかなりずれるかもしれないんだけれど、『堕落論』を読んだとき、これは大東亜戦争肯定論であると思った。…もちろん結...
安倍加憲か、立憲的改憲か
安倍加憲か、立憲的改憲か
高森明勅
高森明勅 ANNが1月20日・21日に実施した世論調査。安倍首相が唱えた自衛隊を憲法に書き込む提案には、51%の人々が支持した。憲法改正の具体的な論議を国会で進めることにも、63%の支持が集まった。 これは何を意味するか。もはや国会内の議席数だけでなく、世論の趨勢からも、旧来の護憲論では加憲への動きに対抗出来ない事を示す。 一方、同調査の設問に立憲的改憲の選択肢があり...
自衛隊加憲論の「正体」
自衛隊加憲論の「正体」
高森明勅
高森明勅 憲法学者の百地章氏が「『自衛隊明記』で法的安定確保を」という論説を発表しておられる(産経新聞1月23日付)。堂々たる自衛隊「加憲」弁護論だ。 「戦力」不保持を規定した憲法9条2項を維持しながら、自衛隊を書き込むのは矛盾、との批判に反論されている。 「現在でも、自衛隊は9条2項の下で、『戦力』に至らざる『自衛のための必要最小限度の実力』として保持が認められてい...
憲法9条改正の焦点
憲法9条改正の焦点
高森明勅
高森明勅 安倍首相いわく、「我が国の防衛には米軍の力を絶対的に必要としている」(平成25年4月23日、参議院予算委員会)と。ジャーナリストの櫻井よしこ氏いわく、「他国に頼りきりの国防政策は1日も早く変えなくてはならない。自国と自国民は自国が守るという鉄則を確立しなくてはならず、憲法改正が必要だ。チャンスはこの1年(平成30年)しかない」(『週刊ダイヤモンド』12月30...
法務事務次官人事に注意
法務事務次官人事に注意
高森明勅
高森明勅 小さな記事だ。 しかし、見落としてはならないだろう。法務省の黒川弘務事務次官の留任が決まった、と。東京地検特捜部が、財政投融資により3兆円が注入されているリニア中央新幹線の入札談合への捜査に踏み切り、国から助成金を得ていたスパコン開発会社の社長らが詐欺容疑で逮捕されている局面で、この人事。 「黒川氏は、甘利明元TPP担当相が絡んだ斡旋利得疑惑などで特捜部の捜...
西部邁先生との写真
西部邁先生との写真
高森明勅
高森明勅 やや前に、西部邁先生と一緒に写っている写真を、さる方から送って貰っていた。この時が西部先生とお会いした最後だったかも知れない。先生を偲ぶ縁(よすが)として、謹んでここに掲げる。
護憲から立憲的改憲へ
護憲から立憲的改憲へ
高森明勅
高森明勅 憲法改正の国民投票が夢物語ではなくなりつつある。もはや護憲論は賞味期限が過ぎた。 改憲的(?)護憲であれ何であれ、護憲論で安倍加憲を止めるのは無理。それが厳しい現実だ。 この点について、漫画家の小林よしのり氏は以下のように指摘されている。 「もう3分の2の議席を取られているんだから、『反対運動』を死に物狂いでやったところで『発議』は止められない」 「発議され...
西部邁先生の死を悼む
西部邁先生の死を悼む
高森明勅
高森明勅 思想家の西部邁先生が亡くなられた。かねてご自身が公言しておられた通り形で、自らのご生涯に区切りをつけられたようだ。ご生前の濃やかなご配慮に改めて深く感謝し、謹んでご冥福を祈り上げる。
改憲的護憲論?
改憲的護憲論?
高森明勅
高森明勅 安倍加憲論に対して真面目な護憲派が危機感を持つのは当然。これまでの教条主義的な護憲論では対抗出来ない、と。 「護憲派がどんなに説得力のある批判を展開したとしても、結論として『自衛隊は絶対に憲法に明記してはならない』という姿勢が示されるわけです。 …改憲派と護憲派の争いの焦点は、自衛隊を認めるかどうかにあると国民の目に映ることは必定です。そうなってしまえば、圧...
立憲主義の実践
立憲主義の実践
高森明勅
高森明勅 帝国憲法の発布が明治22年。 中江兆民『三酔人経綸問答』の刊行がそれに先立つ明治20年。 にも拘らず、同書では既に「立憲の制を設け…」との論は、「児童・走卒(そうそつ)も之(これ)を知る」とされていた。 立憲主義は憲法発布以前から、早くも“理論”としては陳腐と見られていたのだ。 しかし、その“実践”はどうか。 少なくとも今の日本では、まともに実践されていると...
百年の大計
百年の大計
高森明勅
高森明勅 明治の自由民権運動の理論的指導者だった中江兆民。その代表作は『三酔人経綸問答』。 その末尾にある、洋学紳士と東洋豪傑の2人と南海先生とのやり取りは示唆深い。2人は「邦家(ほうか)将来の経綸(わが国将来の大方針)」に関する南海先生の持論を尋ねる。 これに対し南海先生は、「唯(ただ)立憲の制を設け…」と一見、月並みそうな回答。 それに、2人は大いに不満を述べた。...
中江兆民における「政府」と「天皇」
中江兆民における「政府」と「天皇」
高森明勅
高森明勅 明治の自由民権運動において巨大な存在感を示した中江兆民。その思想については、以下のような整理がある。 「かれが日本という地の条件に即して考えたところの民権政体は、格別に革命的なものではなく、立憲君主政体であった。『三酔人経綸問答』の中で、それは南海先生の結論的言葉として明瞭に語られているとおりである。 …『三酔人経綸問答』とあい前後して出版された『平民の目ざ...
平成の自由民権運動
平成の自由民権運動
高森明勅
高森明勅 明治の自由民権運動を支えたロジックを巡り、日本政治思想史が専門だった故・坂本多加雄氏がこんな指摘をしておられた。 「民権運動がめざしていたのは、『民主主義』の実現を通しての国民意識の形成であったということができるのではなかろうか。一般に西欧をふくめて、『民主主義』は『国民主義』を実現し、逆に『国民主義』は『民主主義』を要求するのである」(『明治国家の建設』)...
櫻井よしこ氏の「正論」
櫻井よしこ氏の「正論」
高森明勅
高森明勅 ジャーナリストの櫻井よしこ氏。 最近、こんな意見を述べておられる。 「他国に頼りきりの国防政策は1日も早く変えなくてはならない。自国と自国民は自国が守るという鉄則を確立しなくてはならず、憲法改正が必要」と。 正論だ。 しかし、安倍首相が唱える「戦力」未満の自衛隊を憲法に書き込むだけのやり方では、決してそのような「鉄則」は確立できない。 どころか、 「他国に頼...
改憲の発議は今年?
改憲の発議は今年?
高森明勅
高森明勅 安倍首相に近いジャーナリストの櫻井よしこ氏。憲法改正のタイミングについて文章を書いている(『週刊ダイヤモンド』12月30日・1月6日号)。 「政治日程を考えれば、憲法改正の機会は(20)18年しかない」と。 ならば、タイムリミットは秋の臨時国会。 勿論、9月の自民党総裁選で安倍氏が敗れたら話は別だ。 しかし、今のところ、そうした前提を立てる訳にはいかない。 ...
改憲発議は年内?
改憲発議は年内?
高森明勅
高森明勅 安倍首相が改憲発議を行うとすれば、今年中か。 こんな指摘が。 「憲法改正に安倍が挑むとすれば、時期は限られている。18年(今年)秋の自民党総裁選で順当に勝利すれば、規定上は21年までの任期を得る。ただ任期を全うするには19年夏の参院選に勝利しなければならない。 しかもこの年は重要な日程が目白押しだ。決まっているだけで4月の統一地方選、同月末に天皇陛下の退位、...