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ゴー宣道場に参加下さる憲法学者に敬意
高森明勅
私の周囲からよくこんな声を聞く。 「ゴー宣道場によく一流の憲法学者が何人も参加してくれますね」と。 よほど珍しい出来事と思っているようだ。 それも無理はない。学者の世界では、ごく一握りの「確信犯」を除き、左右を問わず、思想的・政治的に強いメッセージ性を孕む行事には、積極的に参加しないのが普通だろう(学会や大学、公的機関、新聞社等の催しならともかく)。 まして...
「激論!サンデーCROSS」補注
高森明勅
2月25日放送のTOKYO MX「激論!サンデーCROSS」は幸い好評を得たようだ。担当のプロデューサーとは以前、同局の「西部邁ゼミナール」に出演した時に会っていた。 様々な配慮が行き届く好青年。時間の制約で舌足らずに終わったのは、わが力量不足を反省している。 対論相手の百地章氏は「歴史上、先人は“男系を守る為に”懸命の努力をして来た」と主張して、具体例を挙...
自民党も立憲的改憲?
高森明勅
自民党も「立憲的改憲」に舵を切ろうとしているのか。 『毎日新聞』(2月25日付)にこんな記事が。 「自民党憲法改正推進本部は、憲法で自衛隊の存在を書き込む場合、首相が最高指揮権を持つと明記する調整に入った。シビリアンコントロール(文民統制)を明確にするためで、自衛隊を国会の統制下に置くことも明示する方向だ。自衛隊明記の条文案は、現在の憲法の9条とは法的に別条...
国民による国民の為の立憲的改憲
高森明勅
わが国の自主独立を取り戻し、平和と民主主義が保障される為には、憲法9条を巡る改正は避けられない。 その改憲はどうあるべきか。個別的自衛権への制約(戦力不保持)をそのまま維持する、自衛隊明記の加憲か。それとも自衛権の十全な行使を可能としつつ、それを憲法できちんと規律する、立憲的改憲か。後者こそ真っ当な改憲。 それは勿論、特定の政治家や政党、学者や民間人グループ...
TOKYO MX出演など
高森明勅
2月25日、TOKYO MXの「激論!サンデーCROSS」(午前11時59分から午後1時25分まで生放送)という番組に出演する。 私が出るのは、番組中の「激論!CROSS」というコーナー(12時40分から40分程度)。今回のテーマは「女性宮家創設・再考」。討論の相手は憲法学者の百地章氏。このところ、百地先生とご一緒する機会が多い。司会は元NHKのアナウンサー...
加憲「一手詰み」のタネ明かし
高森明勅
安倍首相が力コブを入れている「自衛隊明記」の加憲案。2月22日、衆院予算委員会での山尾志桜里議員のたった1つの質問で、ロジックとして敢えなく粉砕されてしまった。僅か一手で即詰み。どうしてそんな惨めな結果になったのか? 理由は簡単。安倍氏は恐らく周囲からからこんな助言を受けたのだろう。「自衛隊明記の加憲案なら、自衛隊は晴れて違憲の疑いを払拭できるし...
皇太子殿下のお誕生日
高森明勅
2月23日、皇太子殿下の58歳のお誕生日。国民の1人として心からお祝い申し上げる。 再来年からこの日は「天皇誕生日」になる。 新しい御代(みよ)の最初の天皇誕生日は、さぞや祝意に満ち溢れたものになるだろう。 皇太子殿下が長年、胸に刻んで来られた1つが、花園天皇が時の皇太子、量仁(かずひと)親王(後の光厳〔こうごん〕天皇)に授けられた「戒め」だ。 その趣旨の一...
質問1つで自衛隊加憲論を粉砕
高森明勅
2月22日、衆院予算委員会で山尾志桜里議員が、安倍首相が唱える「自衛隊明記」の加憲提案を取り上げた。たった1つの質問で完全論破。 なかなか見モノだった(但し、我が家にはテレビが無いので、ラジオで拝聴)。憲法9条1項2項をそのまま残し、自衛隊の権限も憲法解釈も“全く”変更しない。 ただ自衛隊を巡る「合憲・違憲」論争を終わらせる為、という加憲提案。 山尾議員「合...
天皇が皇位を「譲って」はいけない?
高森明勅
麗澤大学教授の八木秀次氏。 また奇妙な論説を発表している(産経新聞2月20日付)。 憲法4条1項に「天皇は…国政に関する権能を有しない」と規定している。 にも拘らず、「天皇陛下が皇位を新天皇に『譲る』という意思が儀式に見られれば、憲法…に抵触することになる」 「退位の宣言の際は…新天皇に皇位を『譲る』との文言はお避けにならなければならない」 「退位、即位の儀...
東京新聞へのコメント
高森明勅
2月7日に『東京新聞』の取材を受けた。 翌日の「こちら特報部」面に「剣璽(けんじ)等承継の儀」を巡る記事。 今上(きんじょう)陛下の皇位継承の際に、同儀が行われた場には男性皇族しかいなかった。 これは何故か、と尋ねられた。 戦前は、旧皇室典範の下に「皇室令」以下の(国務法とは区別された)宮務法の体系があり、その皇室令の1つに、皇位継承に伴う儀式などを定めた「...
関西ゴー宣道場への期待
高森明勅
3月の関西ゴー宣道場のゲストの1人は、憲法学者で京都大学教授の曽我部真裕(そがべ・まさひろ)氏。年齢は40代前半。 これまでの発言の一部を紹介する。 「憲法だけを議論するのは短絡的で、関連する法令も含めてパッケージとして議論すべきだ。憲法9条も、この先の日本の安全保障や国際貢献のあり方を論じ、必要に応じて9条なり関係法令なりを変える、という議論をすべきだ」 ...