高森明勅

有効求人倍率の罠

高森明勅

2018年 1月 31日

ニュースを視ていると、安倍首相がアベノミクスの
“成果”
に胸を張っていた。

「47都道府県において(有効求人倍率が)1倍を超えた。
これは高度経済成長期にも、
或いはバブル期にもなかった」と。

本気で言っているのか。

それは経済政策の成果なんぞではない。

逆に「高度経済成長期にも、或いはバブル期にもなかった」
労働人口の激減(!)という厳しい現実と、それに対する
無策(!
)を示しているに過ぎない。

人手不足を埋める働き手として
外国人労働者が求められているのは
その為だ。

平成27年の1年間に流入した
「移民」(国連とOECDの定義による)の数は約40万人。

先進国ではドイツ、アメリカ、イギリスに続く4番目の多さ。

移民の流入が賃金を押し下げる効果を持つことは
改めて指摘するま
でもない。

トータルの在日外国人は昨年で既に約247万人に達している。

有効求人倍率の高さは政府が自慢できる話ではない。

国民の目を誤魔化すつもりか。

それとも現状の危うさが本当に分かっていないのか。