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『WiLL』編集部への襲撃事件
高森明勅
5月4日の夜、1人の若者が『WiLL』編集部の窓を割って浸入、床にペンキをぶちまけ、机などに消火器を噴射させる事件があった。同誌6月号に掲載された「西尾・加地」対談への抗議が目的だったようだ。同対談の不敬さに憤慨した読者が少なからずいて、その中から直接、暴力的な行動に出た者もいた、ということか。本人は右翼団体の役員を名乗っているという。 だが、両氏の対談の内...
雅子妃殿下のご療養が「国民を傷つける」?
高森明勅
先に「西尾・加地」対談について簡単に論評した。 その中で、西尾氏が雅子妃殿下のご療養が「国民を傷つけている」といった意味の発言をしているのを紹介した。 それに対し、何故そんな理屈になるのか、西尾氏の頭脳構造に疑問を抱いた人もいるらしい。そこで若干補足しておく。 西尾氏の言い分はこうだ。 「皇室の行事にはたいてい欠席する雅子妃が妹一家とは頻繁にお会いになってい...
トランプ大統領でも「自主防衛は高くつく」?
高森明勅
アメリカ大統領選挙で、共和党はトランプ氏が大統領候補に決まった。 勿論、だからと言って、彼が大統領になるかどうかは、分からない。というより、民主党候補が勝つと見るのが普通だろう。 それでも、彼又は彼のような大統領が現れる可能性は、予め想定に入れておく必要がある。 「日本は自分で身を守れ!」と主張する指導者だ。 「それが出来ないなら、属国のままたんまり金を用意...
立憲主義なら憲法改正
高森明勅
近来、立憲主義の大切さを強調する意見を、よく見かける。それが本心からなら、実に結構。 立憲主義の前提は、“憲法の権威”を守ること。 その為には、憲法自体に憲法の権威を損なう部分があれば、立憲主義の立場から憲法を改正する必要がある。日本国憲法の場合はどうか。 第9条は、憲法が機能する為に欠かせない国家それ自体の存立を損なうか、又は他国(具体的にはアメリカ)の軍...
『ポーの一族』続編が楽しみ
高森明勅
萩尾望都の『ポーの一族』の続編が40年ぶりに発表されるとか。時を超える一族、バンパネラ(吸血鬼)を扱った作品。少女漫画というジャンルに囚われない読者を獲得したはずだ。 『トーマの心臓』は続編の描きようがないだろう。 だが『ポーの一族』なら、短編の集成のような作品だから、可能か。 『銀の三角』を完成させた萩尾氏が、“時を超えて”どんな「ポー」を描くか。 楽しみ...
呆れ果てた「西尾・加地」対談(5)
高森明勅
このテーマもそろそろ打ち止めにしよう。 既にこれまでの指摘で、西尾幹二・加地伸行両氏の対談の“水準”が、ほぼ明らかになっただろうから。 しかし、どうしても見逃せないのは以前、『週刊新潮』(平成25年6月20日号)に極めて不敬かつ悪質な記事が掲載されたのを、両氏が今頃になって諸手を挙げて賛成していること。西尾氏はこう述べる。 「(同記事によると)天皇陛下、皇太...
呆れ果てた「西尾・加地」対談(4)
高森明勅
誤解のないように予め断っておく。 私は別に、“皇室への無知”それ自体を非難するつもりはない。 そうではなく、無知であるにも拘わらず、「諫言」だとかへったくれだとか称して、皇室へのバッシングに狂奔する悪質な振る舞いを、批判するだけ。それを前提に言えば、加地伸行氏の無知さ加減は殆ど“底無し”。何しろ次のように述べているのだ。 「私の考えでは、皇太子殿下は摂政にお...
呆れ果てた「西尾・加地」対談(3)
高森明勅
西尾幹二氏はこんな発言を繰り返している。 「(雅子)妃殿下は公人で、ご病気はご自身を傷つけていますが、皇室制度そのものをも傷つけている」 「(妃殿下のご病気は)『慢性』です。快癒を期待できない慢性的な症状がだらだらとずっと続くということ…。皇室の機能を損なう深刻な状態です。国民と皇室を傷つけているんです。皇太子殿下も宮内庁も医療関係者も、総理大臣も知らん顔を...
呆れ果てた「西尾・加地」対談(2)
高森明勅
4月27日、春の園遊会。雅子妃殿下は昨年、秋の園遊会に始めの部分だけとはいえ、実に12年ぶりにご出席になったのに続き、今年も限られた時間ながらご参加になった。これは4月3日の神武天皇「2600年」式年祭で、7年ぶりに皇室祭祀にお出ましになったのと共に、長くご療養を続けておられる妃殿下のご快復を窺わせる、嬉しく有難い出来事。 特に園遊会は、妃殿下にとって取り分...
呆れ果てた「西尾・加地」対談(1)
高森明勅
『WiLL』編集部が新体制に移行して最初の6月号。 一番の“目玉”が西尾幹二・加地伸行両氏の対談「いま再び皇太子さまに諫言申し上げます」。 一読、その内容の酷さに呆れ返った。 無知、不遜、悪意に満ちている。そもそも、皇太子殿下は日々、皇室のご公務や祭祀に熱意と責任感を持って、誠実かつ精勤に取り組んで下さっている。その感謝すべき事実を前にして、何故「諫言」なん...
小堀桂一郎氏の安倍政権批判
高森明勅
『産経新聞』4月25日付「正論」欄に保守論壇の重鎮、小堀桂一郎氏の「『主権回復の日』に向けて」と題する一文が掲載されている。 これも、端的な安倍政権への“絶縁”宣言と言って、敢えて過言ではあるまい。その一部を引用しておく。 「我が国は昨年8月の安倍晋三総理の停戦70年記念談話に於いてあの忌まわしい20年前の村山談話を否定する最後の機会を生かす事無く、肝腎の点...
中西輝政氏の安倍首相批判
高森明勅
『歴史通』5月号に保守論壇の重鎮、中西輝政氏の「政治に譲った歴史認識」という連載の最終回が掲載されている。タイトルは「さらば安倍晋三、もはやこれまで」。かなり長い論文だが、その中からごく一部を引用しておく。 「(平成27年)8月に出された…いわゆる安倍談話は、あの村山談話を『ゆるぎなく継承』しただけでなく、未来に向けて決定的な形で確立させることになった。…昨...
4月のゴー宣道場は成功
高森明勅
4月の故堀辺正史師範追悼のゴー宣道場は、成功だったろう。反省会の席で、私が「我々“自身”が成功だったと言っているんだから間違いない!」と断言すると、皆さん笑っていた。 幽世(かくりよ)の堀辺師範もニヤニヤされていたのでは。 個人的には冒頭、小林よしのり氏が「涙を流さなかった」事実を率直に披露された上で、その理由を見事に説明された場面と、第2部で“心と身体”を...
自民党は「国体の敵」
高森明勅
『WiLL』5月号の原稿では、このところ共産党が選挙で連戦連勝を続けている背景について、次のような主旨のことを、元の原稿には書いていた。 民主党(改め民進党)のダメダメぶりが消去法的に自公政権への支持率を高止まりさせ、それに安心しきった自民党の目を背けたくなるほどの弛緩ぶりが、これまた消去法で共産党への投票に繋がっている気配が濃い、と。だが、この部分は掲載に...
反天皇の共産党は「民主主義の敵」
高森明勅
現在、発売中の『WiLL』5月号に共産党の「天皇否定」の政治姿勢を批判する一文を書いた。 私が付けたタイトルは「反天皇の共産党は『民主主義の敵』」。 だが、編集部によって変更された。 中身も一部削られている。 でも勿論、私が言いたいことは、ほぼ掲載されているので、関心のある向きは一読頂きたい。この原稿の依頼を受けたのは3月10日の夜11時半頃。普通ならもう寝...
どこにでもある「阿漕な」話
高森明勅
私、実は泉美木蘭氏のブログの隠れファンである(と言ってしまうと“隠れ”じゃなくなるか)。ひたすら笑わせてくれたり、ちょっと考えさせてくれたり、私が全く知らない世界を垣間見させてくれる。 時折、美しい写真を掲げてあるのも、魅力的だ。先日の泉美さんの地元の「阿漕(あこぎ)」という地名を巡るブログも、興味深く拝読した。 阿漕と言えば「どこまでも強欲無慈悲で、あくど...
恙無く2600年式年祭をご斎行
高森明勅
4月3日、天皇陛下におかれては百年ぶりの神武天皇2600年式年祭を無事、奈良県橿原市の畝傍陵にて厳粛に執り行われた。その傍らには秋篠宮殿下のお姿が。 あれ?皇太子殿下ではないのか? と不審に感じた人がいるかも知れない。皇太子殿下にはもっと大切なお役目があった。同じ時刻に皇居にある宮中三殿の1つ、歴代の天皇や皇族方の御霊を祀る皇霊殿で行われた式年祭で、天皇陛下...
神武天皇を巡るご進講
高森明勅
3月29日午前、御所にて米田雄介氏による、初代神武天皇のご事跡に関する両陛下へのご進講があった。 無論、今年が百年ぶりに神武天皇「2600年」の“式年”に当たる為。4月3日には2600年式年祭が控えている。米田氏は宮内庁の書陵部勤務を経て正倉院事務所の所長を勤められた、よく知られた古代史学者。 私の書棚にも、同氏の『郡司の研究』や『歴代天皇の記録』などの著書...
共産党は「民主主義の敵」、自民党は「国体の敵」
高森明勅
「民主主義を守れ」と叫んでいる日本共産党は“民主主義の敵”であり、皇室を敬愛する風を装っている自民党は“国体の敵”だ。何故か? 共産党はコミンテルン(国際共産党)の日本支部として結成されて以来、一貫して「天皇」の存在それ自体を否定する目標を掲げ続けて来ている。 だが、わが国において民主主義がそれなりに機能しているのは、天皇による統合とその持続によって、人々の...