高森明勅

小堀桂一郎氏の安倍政権批判

高森明勅

2016年 4月 26日

『産経新聞』4月25日付「正論」欄に保守論壇の重鎮、
小堀桂一郎氏の「『主権回復の日』に向けて」と題する一文が
掲載されている。

これも、端的な安倍政権への“絶縁”宣言と言って、敢えて過言では
あるまい。

その一部を引用しておく。

我が国は昨年8月の安倍晋三総理の停戦70年記念談話に於いて
の忌まわしい20年前の村山談話を否定する最後の機会を生かす
無く、肝腎の点であれを踏襲してしまつた。
つまり又しても東京裁判史観への屈服を公言したことになる」

年末の12月28日に日韓両国外相の合意の結果だといふ
共同発表
の中で日本国総理大臣の意向なるものが伝えられると…
これでは、
確信犯としての村山談話よりも更に悪質な平成5年8月の
河野談話
さへも、結果として肯定し、趣旨を生かしてしまつたことに
なるのではないか、
との大いなる失望が広がり始めた。

単に日韓関係に就いてのみではない、この合意は結局のところ、
所謂(いわゆる)歴史戦に於ける日本の敗北宣言に等しい重大な意味を
持つ。

つまり日本は再度東京裁判史観を肯定し、
そこから生ずる反日敵性
諸国からの過去の戦争に関はる罪責への非
難を、日本国民の次の世代
が永く受
け続けるであらうことを容認したことになる」

期待を担つて登場した現政権とても、所詮は敗戦=占領利権亡者の
最強の根城である外務省が操る木偶(でく)
と化してしまつてゐる」