高森明勅

『WiLL』編集部への襲撃事件

高森明勅

2016年 5月 7日

5月4日の夜、1人の若者が『WiLL』編集部の窓を割って浸入、
床にペンキをぶちまけ、
机などに消火器を噴射させる事件があった。

同誌6月号に掲載された「西尾・加地」
対談への抗議が
目的だったようだ。

同対談の不敬さに憤慨した読者が少なからずいて、
その中から直接、
暴力的な行動に出た者もいた、ということか。

本人は右翼団体の役員を名乗っているという。

だが、両氏の対談の内容がいかに酷くても、いきなりこの種の行為に
及ぶのは感心しない。

編集部を介して両氏に面会を求め、2人に直接、
自分の主張を訴える、
という手順を先ず踏めば良かった。

但しその場合、編集部や両氏が真面目に対応しないと、
事態が更にエスカレートする危険はあるが。

以前、西尾氏が同誌で執拗な雅子妃殿下へのバッシングを繰り返した
時に
は、このような事件は起きていないはずだ。

その頃はまだ、忠義ヅラした皇室バッシングの“正体”が、
よく理解されていなかったのだろう。

それがいかに不遜かつ非礼で、妃殿下のご快復を妨げ、
今後、
皇室に嫁ごうとする女性への強烈なプレッシャーになり、
皇室そのものの存続さえ危うくしかねない暴挙だということが。

今回のような暴力
的な事件が繰り返されたり、よりエスカレートする
ことは、
決してあって欲しくない。

だが一方、一般国民のように自由に反論したり、法的な手段に
訴えることが出来ない、
皇室の方々への事実無根の非難攻撃は、
それ自体が「暴力」
に等しいことも知っておく必要がある。