高森明勅

「新しい歴史教科書をつくる会」理事に復帰

高森明勅

2016年7月5日 13:30

以前、さる事情から「新しい歴史教科書をつくる会」の理事を
辞任した。

別に喧嘩をした訳ではない。

その後も、一会員としてお手伝い出来ることは、僅かながらしてきた
つもりだ。

ところがこの程、再び理事に戻るよう熱心なお誘いを受けた。

微力で余りお役に立てることはない。

むしろ私が理事に加わる事で様々なマイナス要因も考えられる。

だから、本気で固辞したのだが、かねて尊敬申し上げ、また長年、
ご配慮戴いている方々のお誘いを、頑固に断る訳にはいかなかった。

振り返ってみると、初代の西尾幹二会長時代には事務局長、八木秀次・
杉原誠四郎会長時代には副会長として、皆さんの足を引っ張りながら
悪戦苦闘して来た思い出がある。

取り分け、早く亡くなられた坂本多加雄先生の面影が、
わが心中から
常に去らない。

最初に検定申請した教科書の草稿を、先生と手分けをして書いた時、
編集会議で無知な素人に、
苦心して書き上げた原稿をズタズタにされた
事がある。

専門家としてかなりプライドを傷つけられたに違いない。

それでも先生は、ひたすら教科書の完成度を高める為に終始、
誠実に対応された。

後で2人だけになって、「先生、よくご辛抱下さいました」
と声をかけると、穏やかに「大義だよ」とお答えになった。

大義”という些か時代がかった語が、あの時ほど自然な
日常の言葉として耳に響いた事はない。

坂本先生の志をどれだけ受け継げるか、自信はない。

だが、暫くつくる会の理事として、何かしら貢献できればと
考えている。