- 新しい順
- 古い順
- タイル表示
- リスト表示
参院選、投票は済ませた
高森明勅
先日、参院選の期日前投票を済ませた。たまたま地元に用事があって、戻っていた長男も一緒。当選出来るかどうか微妙な候補者に票を投じた。 だが、もしその候補者が落選しても、無駄とは思わない。 断固、この人物を支持するという意志を示せれば、それでよい。その人物がこれまで行って来た実績を評価し、或いは今後の活動に期待する国民が一体、どの程度いるのかという事実が、獲得票...
「歴史認識」是正を邪魔する役人根性
高森明勅
秦郁彦氏の新著『慰安婦問題の決算』。 その「あとがき」に意外な事実が記されている。日本政府は慰安婦問題を巡る国際的な誤解・曲解を是正すべく、同氏の労作『慰安婦と戦場の性』の英訳を企てながら結局、中止になってしまった。 その舞台裏が明らかにされているのだ。同書は秦氏が精根を込めて書き上げた、極めて実証的で綿密・周到な研究書。 殆ど慰安婦問題の“決定版”と言うべ...
明治維新とフランス革命
高森明勅
先に、靖国神社と「戊辰戦争」を巡り、何回かブログを認(したた)めた。 これを読んで、小林よしのり氏『民主主義という病い』の賢明な読者なら、自ずと明治維新とフランス革命との対比に、想いが及んだのではないか。 両者は何と隔たっていることか、と。フランス革命では百万単位の人命が犠牲になったとされる。その酸鼻を極めた殺戮の連鎖の結果、もたらされたのはナポレオンによる...
イギリスEU離脱派の主張
高森明勅
イギリスでのEU離脱の賛否を問う国民投票が行われる直前の6月21日発売の『ニューズウィーク日本版』(6月28日号)は「英国はどこへ行く?」という特集。その中にEU離脱派の言い分が載っている。結果が判明して読み返すと、却って胸に迫る。 イギリス・エセックス在住のジャーナリスト、コリン・ジョイスの記事。そこには、離脱論の根拠が8点に整理されている。それを一々紹介...
靖国神社と「戊辰戦争」(4)
高森明勅
『週刊ポスト』(7月1日号)によれば、共同通信配信記事の中で靖国神社の徳川康久宮司は「将来的に幕府軍側の人々を合祀する可能性も否定した」という。旧幕府軍を一概に“賊軍”と決めつけられないとすると、靖国神社への合祀の可能性を認めるべきなのか、否か。これについては、以下のように考えるのが妥当だろう。 「彼らは(賊軍とは決めつけられないものの)官軍、政府の正規軍で...
靖国神社と「戊辰戦争」(3)
高森明勅
戊辰戦争を巡る先学の発言を更に。 「幕末において尊皇派と佐幕派がはげしく対立した。しかし、その実態は決していはゆる体制理念の対立ではなかつた。幕府要路はもちろん佐幕派の人々も公武合体の立場で内外の問題を処理しようと努力したのであつて、今日の一部政党・知識人のやうに『天皇制打倒』を企図したのではなかつた。…戊辰役において会津藩士等が『禁廷(朝廷)に対し奉りて弓...
靖国神社と「戊辰戦争」(2)
高森明勅
引き続き戊辰戦争を巡る先学の発言を。些か長文に亘るがご容赦願いたい。 「明治維新史には、純潔の精神史があるとともに、悲劇的な権力闘争史がある。…とくに大政奉還から、戊辰戦役にいたる間の権力闘争は、すさまじいものがある。…もしも当時の日本人に、根深い天皇意識がなかつたならば、この権力闘争はあのやうな形では決して終らなかつたであらう。おそらく天下を二分する大戦乱...
靖国神社と「戊辰戦争」(1)
高森明勅
『週刊ポスト』(7月1日号)に「靖国神社の存在意義にも関わる?徳川宮司『明治維新という過ち』発言の波紋」という記事が載っている。 共同通信が配信した、靖国神社の徳川康久宮司の戊辰戦争を巡る以下のような発言などについて、賛否の意見を取り上げた記事だ。 徳川宮司いわく、「私は賊軍、官軍ではなく、東軍、西軍と言っている。幕府軍や会津軍も日本のことを考えていた。ただ...
「在日米軍」がいなくなる日
高森明勅
保守もリベラルも、右翼も左翼も脳天気。在日米軍はいつまでも駐留し続ける、とタカを括っている。在日米軍への糾弾を繰り返す人達も、まさか本当に“全て”いなくなるとは思っていない。 だから安心して糾弾を続ける。一方、保守は保守で「自主防衛は高くつく」などと恥ずかしげもなくソロバンを弾いて来た。国防なんか後回しにして目先の経済こそ大事と。そこにトランプ米大統領候補が...
「立憲主義」なら憲法改正
高森明勅
近来、立憲主義という言葉を比較的よく耳にするようになった。ところが、護憲と立憲主義の区別がついていないか、敢えて混同しているようなケースをしばしば見かける。憲法に基づいて国家権力を行使する立場が立憲主義。与件としての憲法をひたすら死守する、というスタンスとは異なる。憲法に基づいて国家権力を行使するというのは、言い換えると権力を行使する際に、憲法による制約が前...
「民主主義ゴッコ」という病い
高森明勅
民主制とは、シンプルに言えば民衆が国家の主権を握る仕組み。これに対し、そうした政治形態を価値あるものとする理念を、民主主義と呼んで区別しても良かろう。一般には単に民主主義と称し、殆ど区別されないが。しかし厳密に言って、わが国には敗戦以来、一貫して国家統治の独立した最高権力、つまり主権が存在しない。残念ながらそれが現実。 だから元々、民主制も民主主義も成立し得...
カルチャーセンターで「天皇史」講座という経験
高森明勅
6月17日、名古屋の中日文化センターでの「天皇史」最終講義。拙著『日本の10大天皇』(幻冬舎新書)をテキストに、1月から6回の講義だった。一般市民向けのいわゆるカルチャーセンターで講座を開いたのは初めて。 しかもテーマはセンター側のリクエストにより、やや扱い方が難しい「天皇史」。私なりにセレクトして古墳時代の雄略天皇、飛鳥時代の推古天皇と天武天皇、平安時代の...
舛添騒動はリアル「民主主義という病い」
高森明勅
舛添騒動を巡り、こんな報道。 「舛添要一(東京都)知事は公私混同が政治資金規制法違反に当たるとして刑事告発されたが、検察幹部は『支出先は明らかにしており、違法性を問うのは難しい』と慎重な姿勢を見せる」(時事通信6月15日配信)と。 検察サイドは、使途の妥当性は有権者が判断すべきで、「捜査機関が使途の中身まで立ち入るのは、政治活動の自由の侵害にもつながりかねず...
ホームグロウン・テロは防げない
高森明勅
6月13日、米フロリダ州で大規模なテロ。米国史上最悪の銃撃事件とか。 犯人は「イスラム国(IS)」に忠誠を誓う発言をしていたという。 メディアは「これまでの捜査ではISとの直接の関わりを示す証拠は確認されてない」などと報じている。 だが、“直接の関わり”が無くて起きるのがホームグロウン・テロ。だから有効な対策を打つのが難しい。アメリカは国家の威信を賭けてIS...
「日本の魅力」感想抄
高森明勅
日本教師塾の研修で「日本の魅力」というテーマを設けたのは、今回で3回目。 だから、私はこれまで同じテーマで既に2回分、つまり60分4コマの講義を行って来たことになる。 この度は「歴史から見た魅力」という切り口で講義を用意した。だが要領が悪く、用意した3分の1位しか話せなかったのは、先に述べた。 当日の感想文から一部ご紹介する。 「まず『日本に生まれてラッキー...
日本教師塾「日本の魅力」研修
高森明勅
6月11日、日本教師塾第4期スタート。 第1回目は「日本の魅力」がテーマ。 まず、小学校の4人の若手の先生方が、それぞれの切り口からモデル授業を15分ずつ提案。最初のM先生は水産業を素材に。都内のミシュラン3つ星レストランを全て取り上げ、肉料理より魚を使った料理の店が高く評価されている事実を、美味しそうな映像を使って紹介。そこを入り口に最後は天皇陛下の「豊か...