高森明勅

自民党“憲法”草案の皮肉

高森明勅

2016年 7月 3日

改憲は自民党の党是。

ところが、その改憲草案が余りにも酷過ぎる。

これについては以前、舛添要一氏の“まっとうな”批判がある。

これが余り酷過ぎて面白い現象まで起きている。

憲法学者でリベラルな「護憲派の泰斗」樋口陽一氏が、
自民党草案に比べたら、立憲主義の観点から帝国憲法の方が遥かに
マシ、と評価している。

自民党草案は帝国憲法より前の「慶安の御触書」(
実は偽書だったが)
レベルだと。

更に、憲法と道徳を混同している自民党草案に比べたら、
教育勅語は良心の領域に法的強制が介入してはならない事を
しっか
り踏まえていて、遥かに立派だと。

これまで私どもが帝国憲法や教育勅語について長年、
強調して
来たこと。

それが皮肉なことに、自民党草案のお蔭で左派にも
再認識されつつあるようだ。

有難いのだか、情けないのだか。