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昭和天皇は皇室典範改正の発議権をご希望
高森明勅
現在の皇室典範は憲法と同じく占領下に制定された。 その際、昭和天皇から「皇室典範改正の発議権を留保できないか」とご下問があった(『芦田均日記』)。 国民生活には関係せず、専ら皇室だけを律する典範について、皇室が一切関与出来ないのは余りにも理不尽、とお考えだったのだろう。 その理不尽さは、この度の天皇陛下のご譲位を巡る動きの中で、改めて鮮明に浮かび上がった。 ...
お気持ちより皇室制度の維持?
高森明勅
昨年8月8日以降もご譲位に公然と反対した者が何人かいた。その事実を私らは忘れるべきではない。 あからさまに、こう言い放っていたのだ。 「陛下の御意向はあるのですが、私は皇室制度をいかに維持していくのかということを最優先に考えるべきだと思います」(八木秀次氏)と。自分が何を言っているか理解できているのか。 陛下がお嫌でも、俺たち国民の為に皇室制度を維持しなけれ...
あのとき陛下にお声を…
高森明勅
ノンフィクション作家で『魂でもいいから、そばにいて 3・11後の霊体験を聞く』を上梓した奥野修司氏。東日本大震災で4人の家族を亡くされたある女性が、天皇皇后両陛下のお見舞いを振り返って、こう語られたと雑誌で紹介している。 「あのとき陛下にお声をかけてもらえなかったら今頃私たちはこの世にいなかったでしょうね。陛下が来られるまで、私たちは誰からも声をかけてもらえ...
不思議だった「譲位」否定論
高森明勅
今となっては不思議だ。 しかし、「譲位を可能にすると世襲制と矛盾する」という論理が確かにあった。占領下に今の皇室典範の作成に携わった、法制局次長の井手成三や宮内省文書課長の高尾亮一らの主張だ。これは当時、昭和天皇の戦争責任を問う声があり、退位論まで取り沙汰された特殊な事情を勘案すべきだろう。無理な論理でも、退位の可能性を一切、制度上排除する、政治的な必要性に...
平成の輝きを曇らせてはならない
高森明勅
平成2年11月12日。 天皇陛下は「即位礼正殿の儀」を終えられた後、皇居から当時お住まいの赤坂御所まで「祝賀御列(おんれつ)の儀」を行われた(午後3時半から4時)。明るい日差しの中、天皇皇后両陛下が乗られたオープンカーの前後に、白バイやサイドカーを含め44台の車列を連ねた祝賀パレードだ。4.7キロの沿道には11万6千8百人(警視庁調べ)の国民が詰めかけた。 ...
小川榮太郎氏の「終身在位」批判
高森明勅
『月刊Hanada』5月号に文芸評論家の小川榮太郎氏の文章が載っている。 題して「平川祐弘氏に反論する 譲位の制度化がなぜ必要なのか」。同誌先月号に掲載された平川氏の“終身在位”論への批判だ。興味深い内容なので、その一部を紹介する。 「祈りや国民への寄り添いという『天皇の務め』を大切になさることは、『機能』や『能力』の重視ではないでしょう」 「極論すれば、皇...
「皇太子」か、「皇太弟」か
高森明勅
3月22日、何だか看板が気の毒な有識者会議で4人の外部「専門家」を呼んでヒアリング。 老年医学の専門家が「老化に伴う自立度や様々な機能の変化は、個人差があって多様」と指摘されたのは、私が素人考えで思っていた通りで、心強い。他の3人が、ご譲位後の称号は「太上天皇」とされたのも、当然のことながら結構だった。 しかし秋篠宮殿下の称号について、3人のうち2人が「皇太...
敬宮殿下の「平和」論
高森明勅
敬宮殿下、学習院女子中等科をめでたくご卒業。おめでとうございます。 心からお祝い申し上げます。殿下は卒業記念文集に「世界の平和を願って」というご文章をお寄せになった。 平和論だ。ここに謹んでその一部をご紹介申し上げる。 「平和を願わない人はいない。だから、私たちは度々『平和』『平和』と口に出して言う。 しかし、世界の平和の実現は容易ではない。今でも世界の各地...
ご譲位「議論のとりまとめ」のポイント
高森明勅
3月17日の与野党全体会議で決定した「天皇の退位等についての立法府の対応」に関する衆参両院正副議長による議論のとりまとめ。その中でいくつか注目すべき点を紹介する。 「昨年8月8日の今上天皇の『お言葉』を重く受け止めている」 「象徴天皇の在り方を今後とも堅持していく上で、安定的な皇位継承が必要であり、政府においては、そのための方策について速やかに検討を加えるべ...