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戦後レジーム的「天皇」像との対決
高森明勅
ご譲位を巡る最も本質的な対立。 それは、2つの天皇像の対立だった。 「国民に寄り添う」天皇と「国民と無縁な」天皇の対立。 前者は「天皇の伝統的在り方」に立脚した天皇像であり、後者は憲法の天皇条項を最大限、抑圧的に歪曲解釈した天皇像だ。 それは正に「戦後レジーム」的な天皇像と言うべきだろう。 今、政府が用意している、国会の合意すら軽視した特例法骨子案は、その戦...
徳ヲ樹(た)ツルコト深厚ナリ
高森明勅
明治天皇の「教育勅語」の冒頭は次のように始まる。 「朕(ちん)惟(おも)フニ我カ皇祖皇宗(こうそこうそう)国ヲ肇(はじ)ムルコト宏遠(こうえん)ニ徳ヲ樹(た)ツルコト深厚(しんこう)ナリ」と。 これは、皇室の歴史への回想に他ならない。皇室の祖先が日本の国を始められたのは遠い昔に遡り、以来、代々にわたり「徳」を大切なものとして尊んで来た、と。 天皇は「存在」す...
皇位の安定的な継承の為に
高森明勅
有識者会議の最終報告案の概要。 その締め括りにこうある。 「今回、天皇陛下の譲位が実現され、皇太子徳仁親王殿下が新たな天皇に即位されることになれば、皇族数の減少に対してどのような対策を講じるかは一層先延ばしのできない課題となってくるものと考えられる。…内親王殿下および女王殿下は7方いらっしゃるが、天皇および皇族以外の男性と婚姻された場合、皇族の身分を失うこと...
朝まで生テレビ30周年パーティーほか
高森明勅
4月13日は結婚記念日。 でもそれどころではなかった。午後1時から六本木のANAインターコンチネンタルホテルで朝まで生テレビの30周年記念パーティー。次の予定があるので早めに会場を訪れ、田原総一朗氏やチーフプロデューサーのY氏に簡単にご挨拶。すると西部邁先生がお見えに。レザーのジャケットにハットをかぶり、手には黒い革手袋という出で立ち。 田原氏いわく、「番組...
有識者会議まだまだ迷走
高森明勅
看板が気の毒な有識者会議。 このところ、専らご譲位の議論しかしていない。 しかもメインとなる論点は、既に国会の合意が成り立っている。 だから、隙間の議論に特化。それも、伝統的な「太上天皇」を止めて略称の「上皇」をそのまま正式な称号にするとか。 天皇陛下が昨年の8月8日の「おことば」ではっきり殯(もがり)などの簡素化を望まれ、しかも皇室典範は天皇だけが「大喪の...
BS11のインサイドアウトに生出演
高森明勅
4月13日、BS11の「報道ライブINsideOUT」に生出演。 午後8時59分から1時間の放送。 テーマは「議論大詰め 天皇陛下退位の行方」。ゲストは私の他に成城大学教授の森暢平氏。番組プロデューサーの話によると、森氏はご本人と私の立ち位置の違いを、概略こんな感じで分析されたとか。 横軸に「保守」―「リベラル」の対立を置く。 縦軸には「天皇の人間としての側...
譲位要件(3)について
高森明勅
先頃の衆参正副議長による“議論のとりまとめ”で、特に心配なのが譲位要件(3)。 譲位は皇室会議の議決による。この要件だ。 何故この要件が必要なのか。 先ずは、譲位が万が一にも客観的妥当性を欠くことが無いように。これで所謂「恣意的な」ケースを防ぐことが出来る。 更に、譲位の責任が直接、天皇ご本人に及ぶのも避けられる。 では、どうして国会ではなく、皇室会議なのか...
民進党の全議員懇談会へ
高森明勅
4月6日、民進党の「皇位継承等に関する全議員懇談会」に招かれた。 先頃、ご譲位を巡って衆参正副議長による“議論のとりまとめ”が、与野党全体会議で了承された。これをうけて、その内容をどう評価するかをテーマに、講演を依頼されたのだ。 司会は山尾志桜里議員。 冒頭、皇位検討委員会の長浜委員長の挨拶。 次に、馬渕同委員会事務局長から「とりまとめ」及びこれへの党のスタ...