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行政の公平・公正とは
行政の公平・公正とは
高森明勅
高森明勅 一昨年(平成27年)の12月、京都産業大学が獣医学部新設について文部科学省を訪れ、相談したら「獣医学部は認めることが出来ない」と門前払い。これは、今治市の課長らがわざわざ首相官邸に呼ばれて、安倍首相の代理の首相秘書官から「希望に沿えるような方向で進んでいます」と太鼓判を押して貰って、「さすが加計さんだ、首相とも話ができるんだ」と盛り上がった、8カ月後。この扱...
官邸の幽霊
官邸の幽霊
高森明勅
高森明勅 一昨日の4月2日、愛媛県今治市の企画課長と課長補佐らが、胸を躍らせて首相官邸を訪れた。 要件は「獣医師養成系大学の設置」を巡って。そこで安倍首相の代理として柳瀬唯夫首相秘書官に会った。柳瀬氏いわく、「希望に沿えるような方向で進んでいます」と。面会後、地元は大盛り上がり。 「絶対に誘致できる」「さすが加計さんだ、首相とも話ができるんだ」と。 「官邸に来てくれ」...
自衛隊合憲論の有力化
自衛隊合憲論の有力化
高森明勅
高森明勅 元共産党員だった松竹伸幸氏、東大憲法学の正統を受け継ぐ長谷部恭男氏と木村草太氏、先に紹介した篠田英朗氏。 これらの人々は、言う迄もなくそれぞれ立場が大きく異なる。だが一方で、共通点もある。 それは皆、自衛隊合憲論に立っておられるという事。 公平に見て、今後は知識人の間でも、自衛隊合憲論が主流になるだろう。そうした趨勢の中、安倍首相の自衛隊加憲論は、いかにも時...
やはり安倍政権語辞典が必要だ
やはり安倍政権語辞典が必要だ
高森明勅
高森明勅 「文書の存在を確認出来なかった」→文書は存在する。しかし、それを確認出来ないように探した。 「記憶にない。記憶の限りではない」→その事実はあった。しかし、都合が悪い事実なので認めたくない。
国際協調主義
国際協調主義
高森明勅
高森明勅 篠田英朗氏の近刊『ほんとうの憲法ー戦後日本憲法学批判』から、もう少し引用を。 「憲法9条よりも…『前文』の国際協調主義のほうが、日本国憲法の考え方を特徴づけていると言ってよい。日本の憲法学では、憲法9条を必要以上にロマン主義的に捉え、世界でも類例のない画期的な規定であると説明するのが普通である。…しかし…本当の憲法9条は最初から国際協調主義的なものだった」 ...
憲法9条の正体
憲法9条の正体
高森明勅
高森明勅 国際政治学者、篠田英朗氏の近刊『ほんとうの憲法ー戦後日本憲法学批判』から、いくつか引用しよう。 「(日本国憲法が施行された)1947年当時の日本が、国際社会において、どのような国であったか、客観的に振り返るべきである。日本は、満州事変によって国際連盟が象徴した第1次世界大戦後の国際法範規にあからさまな挑戦をし、東アジアにおいて空前の侵略行為を繰り返した挙句に...
究極の自衛隊合憲論
究極の自衛隊合憲論
高森明勅
高森明勅 国際政治学者で東京外国語大学教授の篠田英朗氏の近刊『ほんとうの憲法ー戦後日本憲法学批判』(ちくま新書)。かなり挑発的かつ刺激的な著書だ。 国際法・国際政治学の立場による、戦後憲法学への根源的な批判で、極めて説得力がある。 又、自衛隊合憲論としても、殆ど“最強”の論陣を張っている。 全体を通して「戦後レジーム」の頑強な擁護論になっている。 今後、憲法を論じよう...
山本大臣の変な弁明
山本大臣の変な弁明
高森明勅
高森明勅 嘘つきは一般に、自分の嘘を簡単には認めない。山本幸三国家戦略特区担当大臣が奇妙な弁明をしている。同行した秘書官が面談記録のメモを途中で止め、その途中まで書いたメモも既に廃棄したと。大臣とその秘書官が何故、敢えてそんな無責任なことをしでかしたのか。甚だ不審。そんなことをしたら、相手側から一方的に不利な主張を突き付けられても、説得力ある反論が出来ない。 場合によ...
嘘つき内閣
嘘つき内閣
高森明勅
高森明勅 嘘つきは一般に、自分の嘘を簡単には認めない。そんなことは普通の社会人なら誰でも知っている事実だ。いや、子供でも知っているだろう。稲田防衛大臣はいよいよ窮地に追い詰められているようだ。私は彼女が議員バッヂを付ける前から存じている。 だから、些か複雑な感慨を覚える。 それにしても、安倍首相がもっと早く更迭していれば、彼女もここまでボロボロになることもなかった。皮...
改革という災厄
改革という災厄
高森明勅
高森明勅 改革というマジックワードがある。 構造改革、規制改革、働き方改革等々。 それらは全て、十分な根拠も示されないまま、善とされる。 逆にその障害となる存在は「岩盤」規制であり、「抵抗」勢力と“印象操作”されてしまう。 しかし、改革なるものの実態は、既に“時代遅れ”となった1時代前のアメリカ流新自由主義であり、市場原理主義であり、グローバリズムに他ならない。それら...
稲田問題
稲田問題
高森明勅
高森明勅 またぞろ、稲田防衛大臣を巡る問題が表面化した。南スーダンに派遣されていた陸上自衛隊の「日報」を廃棄していたと虚偽の説明がなされていた件に絡んで。稲田防衛大臣が、日報保管の事実を公表しない方針を、予め「了承していた」との証言が、複数の政府関係者から飛び出した。これが事実なら、稲田氏は他でもない国会で、明白な嘘の答弁をしていたことになる。それは国民を騙していたこ...
留守中だけエアコン作動
留守中だけエアコン作動
高森明勅
高森明勅 わが家では一階の居間に、エアコンなる文明の利器が1台、据え付けてある。 何年か前、家内の英断によって導入された。但し倹約を旨とし、夏場は原則、使わない。専ら冬の寒さ対策に使用される。 夏は窓を開け放し、網戸にすれば、幸い隣家とは些か距離があるので、風が縦横に吹き抜ける。 もっとも、私の書斎は座椅子のスペース以外、机の上も含めて、すっかり本や資料が覆い尽くして...
内閣支持率、前回退陣時に近付く
内閣支持率、前回退陣時に近付く
高森明勅
高森明勅 ANNの世論調査(7月15・16日実施)でも安倍内閣の支持率が3割を切った。 支持は29、2%(先月からマイナス8、7ポイント)。 不支持が54、5%(プラス12、9ポイント)。第1次安倍内閣退陣時の支持率に誤差の範囲まで近付いている。しかも支持率下落の底はまだ見えない。
アベノミクスという災厄
アベノミクスという災厄
高森明勅
高森明勅 アベノミクスについて、早くから警鐘を鳴らして来たエコノミストの1人に、中原圭介氏がいる。 彼の発言から。 「日銀が国債だけでなく、民間のETFやREITを大量に購入している様子を見ると、私の目には安倍政権と日銀の本音は、『地価や株価を上昇させ、その資産効果によって富裕層の消費を増やし、それにより企業の業績を向上させる』こと、すなわちバブル期さながらの資産イン...
アベノミクスは成功したか?
アベノミクスは成功したか?
高森明勅
高森明勅 安倍政権の最大のセールスポイントは、その経済政策だったはずだ。 いわゆるアベノミクス。これは成功したのか、どうか。 理論経済学(マクロ経済学、金融政策)が専門の服部茂幸氏の評価は、こうだ。 「アベノミクスの真実は単純である。日銀の異次元緩和はデフレ脱却にも、実体経済の回復にも失敗した。延べ就業時間は微減か、横ばいである。就業者の増加は、短時間労働者が増加した...
特例法を巡る謎
特例法を巡る謎
高森明勅
高森明勅 天皇陛下のご譲位を可能にする特例法。一般には余り気付かれていないようだが、1つ大きな謎がある。それは、最終的に皇室会議の関与が法律に盛り込まれた事実。これは不思議だ。 何故なら、与野党の合意(国会見解)では、あくまでも“努力目標”という「軽い」扱いにとどまっていたからだ。 政府は国会見解での合意事項さえ、押し戻そうと姑息な動きを見せた。 にも拘らず、努力目標...
ある女子高生の憲法理解
ある女子高生の憲法理解
高森明勅
高森明勅 憲法学者と女子高生とのやり取り。 憲法学者「憲法は国家権力を縛るものだから…『こんなものはないほうがいい』と権力者は思っている。だからこそ…改正しにくくなっているのは当然です。でも、日本だけが一度も改正していないというのは、ちょっとおかしくないですか?」 女子高生「…解釈が1つしかない憲法に直したほうがいいと思います」憲法学者「なるほど、解釈にゆれがあって議...
どこまで下がるか内閣支持率
どこまで下がるか内閣支持率
高森明勅
高森明勅 下落が続く内閣支持率。 時事通信の世論調査(7月7日から10日実施)では、「支持」が29、9%まで落ち込んだ(前月よりマイナス15、2ポイント)。 一方、「不支持」は48、6%(プラス14、7ポイント)。遂に支持率が3割を切る調査結果まで現れた。第1次政権退陣時の数字により近づいている。 今後の推移に注目。
【あれから1年】
【あれから1年】
高森明勅
高森明勅 昨年の7月13日、NHKの夜7時のニュースで、天皇陛下が「生前退位」を望んでおられるとのスクープ。 それから1年たった。果たして、天皇陛下のご念願は達せられただろうか。 勿論、この事に最も冷淡(もしくは反抗的!)な「安倍1強」下での取り組みだったので、十分な成果とは言えない。でもギリギリ、陛下のお気持ちに近い線で、一応の決着を見る事が出来たのではないか。ご譲...
安倍首相の体調は?
安倍首相の体調は?
高森明勅
高森明勅 『文藝春秋』には毎月、赤坂太郎の名前で執筆される政治レポートが掲載される。今月号のレポートには、安倍首相の求心力低下と体調にも、言及していた。 「安倍の求心力低下が印象付けられたのは(6月)21日のことだった。自民党の憲法改正推進本部の総会が全議員を対象に行われた。…出席者からは異論が多く出た。…右からも左からも異論が噴出する様は、『安倍一強』と呼ばれるよう...