高森明勅

嘘つき内閣

高森明勅

2017年 7月 20日

嘘つきは一般に、自分の嘘を簡単には認めない。

そんなことは普通の社会人なら誰でも知っている事実だ。
いや、
子供でも知っているだろう。

稲田防衛大臣はいよいよ窮地に追い詰められているようだ。

私は彼女が議員バッヂを付ける前から存じている。

だから、些か複雑な感慨を覚える。

それにしても、安倍首相がもっと早く更迭していれば、
彼女もここまでボロボロになることもなかった。
皮肉な話だ。

政府が獣医学部新設の告示をする2ヶ月も前に、
山本幸三国家戦略特区担当大臣が日本獣医師会に
加計学園に決めた
ことを伝えていた、と報じられた件も
限りなく“黒”に近い。

そう受け止めた国民が多いだろう。

獣医師会が公益社団法人として正式に纏めた議事録の内容を、
山本大臣が自分の「記憶」だけを頼りに否定しても、
誰も説得力を感じない。

しかもその議事録には、今治市や愛媛県の事業費の負担額について、
山本大臣の詳しい説明が記載されている。
獣医師会側が自分たちの思い込みを勝手に書いた」という
稚拙な弁明が通用するとは、とても思えない。
今治市や愛媛県の名前が出ていること自体、
加計学園を前提としたもの。

以前、

「嘘つきは政治家の始まり」

と嘯
いた人物がいたのを思い出す。

安倍内閣には嘘つきが何人もいるのか。

その中でも取り分けタチが悪いのは…。