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安倍首相が自慢の内閣支持率
高森明勅
高森明勅 安倍首相は以前、自らの高い内閣支持率を、国会論戦の切り札として使っていた。 よほど自慢だったのだろう。それが今はどうなっているか。各メディアが7月に実施した世論調査で、内閣支持率が軒並み下落しているのは、周知の通り。NHKの調査(7月7日から9日実施)でも、次の結果。「支持」35%(前回よりマイナス13ポイント)。「不支持」48%。プラス12ポイント)。 や...
『文藝春秋』8月号から
高森明勅
高森明勅 『文藝春秋』8月号、自民党のベテラン衆議院議員、村上誠一郎氏の文章が巻頭。 題して「安倍首相が自民党を劣化させた」。共謀罪を巡る強引な法案採決に対し、「国民が問題点を理解しないうちに法案を通そう」との意図を感じる、と批判。 「ここまで審議を急いだのは、加計学園の獣医学部新設を認める国家戦略特区をめぐる追及をかわしたかったからではないか」として、その問題点を指...
内閣支持率
高森明勅
高森明勅 安倍内閣は、これまで概ね高い支持率を長く維持して来た。 又、支持率が一旦下がっても、北朝鮮がミサイルを発射するなど対外的な危機感が高まったり、大規模な自然災害があって政府の働きに期待がかかったり、首相が外遊をして主要国の指導者と首脳会談を行ったりする度に、支持率を回復させて来たような気がする。 それが「安倍一強」と言われた所以だろう。 果たして、これからはど...
女性宮家創設は急ぐ必要がない?
高森明勅
高森明勅 一部に、女性宮家創設を急ぐ必要はない、という意見がある。こんな具合だ。 「眞子さまがご婚約されるからといって急ぐような問題でありません。いったん皇籍から離れてのちに復帰されてもかまわないのです」(八幡和郎氏)と。 皇室の「聖域」性をどう考えているのか。皇室と国民の厳粛な区別をどこまで蔑ろにするのか。葦津珍彦氏の指摘をもう1度、想起しておこう。 「その事情の如...
お言葉
高森明勅
高森明勅 7月6日、再び双葉社へ。 天皇陛下のお言葉について、殆どぶっ通しで5時間ほど喋った。 勿論、関連する皇后陛下や皇太子殿下のお言葉にも触れた。あるいは御製(ぎょせい)や御歌(みうた)などについても。私が解説したのは、前回と合わせて7時間余り。用意したは小ぶりの原稿箋、僅か5枚。手書きで、こまごまと書き込んだもの。それと、参考資料のコピーや参考文献も持ち込んで、...
必要性、緊急性
高森明勅
高森明勅 安倍首相は、都議選惨敗後も自衛隊「加憲」スケジュールに変更なし、という姿勢。 しかし、果たしてそんな無理が押し通せるか、どうか。 そもそも、公権解釈で“既に”合憲とされている自衛隊を、改めて「合憲化」する憲法改正なんて、端から必要ない。 まして緊急性など皆無。それより、緊急に対処すべき重要課題は別にある。言うまでもなく、女性宮家創設を可能にする皇室典範の改正...
増悪→憎悪
高森明勅
高森明勅 7月7日に挙げたブログ「増悪からは何も生まれない」。タイトルから本文中まで「憎悪」とあるべき箇所が全て「増悪」に誤っていた。これは私の旧式携帯の変換機能が間違っていたのが原因。 「ぞうお」と3文字入力すれば「憎悪」と正しく変換される。しかし、「ぞう」と2文字入力した時点で、先回りして間違った「増悪」が出てくる。恐らく変換機能のデータ入力段階でのミスによるもの...
憎悪からは何も生まれない
高森明勅
高森明勅 秋葉原で街頭演説した安倍首相。 「安倍辞めろ!」コールを繰り返す人たちに、「憎悪からは何も生まれない」と、上から目線で叫んだ。 これは不思議な台詞だ。 個人的な「憎悪」で安倍批判をしていると、頭から決め付けている。“憎しみ”という私的な感情ではなく、公的な危機感や義憤に駆られての声だという受け止め方が、まるで出来ない。これは奇妙。 学問的な批判は勿論、思想的...
日本新党再び?
高森明勅
高森明勅 かつて自民党を政権から陥落させる引き金となった日本新党。そのメンバーを、改めてある人から聞いて、ギョッと思った。小池百合子、野田佳彦、前原誠司、海江田万里、枝野幸男、河村たかし、長浜博行等々。 私は政界には疎い。 でも、これらのメンバーが手勢を引き連れて再結集し、新党を立ち上げたらどうなるか。______________________________ 「9...
天皇陛下のお言葉
高森明勅
高森明勅 7月4日、双葉社へ。8月下旬に、同社から天皇陛下のお言葉をいくつか選んだ本が、刊行される。その為に、私が選んだお言葉について解説した。 聴き手は3人。担当の編集者、編集プロダクションから1人、それからライター。皇室についての前提知識が殆どない人が介在してこそ、分かり易い本になるだろう。 2時間ほど喋った。でも半分も進まない。 担当者から「次回は4時間ほどお願...
「国体」は何故守られたか
高森明勅
高森明勅 終戦後、若き皇太子だった天皇陛下の常時御教育参与として、そのご教育の責任者となったのが、小泉信三氏だった。同氏の講義の下書き(昭和25年4月24日)は甚だ注目すべき内容。よって、ここに紹介する。 「近世の歴史を顧(かえりみ)るに、戦争があつて勝敗が決すると、多くの場合、敗戦国に於(おい)ては民心が王室をはなれ、或(あるい)は怨(うら)み、君主制がそこに終りを...
秋葉原
高森明勅
高森明勅 7月2日の東京都議会選挙。 自民党が予想を上回る歴史的惨敗。一方、小池都知事率いる都民ファーストは50人の候補者のうち49人を当選させて、議会第1党に(プラス追加公認も)。 これは、東京の有権者の安倍政権そのものへの拒絶表明以外の何ものでもあるまい。 投開票日前日の1日、安倍氏が秋葉原(!)で、この選挙で最初で最後、ただ1回限りの街頭演説を行った。その事自体...
万世一系の理由
高森明勅
高森明勅 わが皇室は万世一系の皇統を今日まで保って来られた。これは何故か。 昭和天皇のお答えはこうだ。 「国体というものが、日本の皇室は昔から国民の信頼によって万世一系を保ってきたのであります。戦国の、あの皇室の衰微の時代において、時の戦国武将、毛利元就(もとなり)あるいは織田信長にしても皆、皇室を尊敬し、ご衰微でお気の毒だというんで、非常に莫大な財産を献上したという...
ホップ・ステップ…にはならない
高森明勅
高森明勅 元自衛官で参議院議員の佐藤正久氏が、安倍首相の「自衛隊」加憲論について、こんな弁護をしている。 「私も…『国防軍』の保持を強く主張した立場なんです。しかし、改正実現のためにはぐっとのみ込んで、現実と折り合いをつけるのが政治です。 ホップ・ステップ・ジャンプで言えば、まずホップしなければジャンプもできません」(産経新聞7月1日付)と。 確かに「現実と折り合いを...
女性宮家への近道
高森明勅
高森明勅 秋篠宮家のご長女、眞子内親王殿下のご婚約が間近に迫った。女性宮家創設への取り組みを急ぐべきだ。 その為には、皇室典範の改正を滞らせている障害物を取り除くのが近道。では最大の障害物は何か。 改めて言う迄もあるまい。7月2日の都議選は一見、女性宮家とは全く無縁のように見える。だが、障害物の除去という点では、意外と重大な意味を持つかも知れない。
福島から野菜が届いた
高森明勅
高森明勅 毎年、福島から旬の野菜を送って戴く。 今年は以下の品々。13年目の株から栽培したアスパラガス(生産者は伊達市梁川町の安藤伸一郎さん)。赤・黄・緑3色の初ものミニトマトのセット(同、同町、八巻賢壽さん)。牛の堆肥を肥料にして育てた夏採りカブ(同、二本松市岩代町の安斎貞夫さん)。5、6月の早生きゅうり(同、石川郡玉川村の小針幸吉さん)。サラダ用の鈴なりかぼちゃ(...
神宮祭主に黒田清子さま
高森明勅
高森明勅 神社の頂点は神宮(一般には伊勢神宮)。その神宮の神職の頂点が祭主(さいしゅ)。 これまで、天皇陛下の姉に当たられる池田厚子さまが、長年、務めてこられた(昭和63年以来)。しかし既に86歳とご高齢の為、その職から退かれることになった。 後任には、陛下のご長女、黒田清子さまが、去る6月19日に就任された。祭主という重い職は、神宮当局と当事者の合意だけで決まる性格...
日本経済新聞にコメント
高森明勅
高森明勅 『日本経済新聞』(6月29日付朝刊)にコメントを寄せた。 「危うき皇位継承」シリーズの3回目。 見出しは「皇室史上 最も狭い『通路』」。 私の他に、象徴天皇制研究者で京都大学文書館助教の冨永望氏のコメントが収められている。 記事の締め括りは次の通り。 「両氏は側室・庶子が考えられない現状では、女系の可能性を認めない限り継承は困難とみている」。限られた字数に必...
ある会合
高森明勅
高森明勅 保守系のある会合に久しぶりに顔を出した。参加された皆さんの周囲には、男系絶対論者が少なからずいるらしい。と言うより、男系絶対にあらずんば保守にあらず、という勢いだとか。私自身は保守にもリベラルにも余り興味はない。平凡な日本人でありたいとだけ願っている。参加されている方々は、どなたも皇統問題についての私の立場は先刻ご承知。でも、私が立脚する「事実と論理」までは...
信なくば…
高森明勅
高森明勅 『論語』に「信なくば立たず」という言葉が出てくる(顔淵第十二篇)。 孔子に門人の子貢が「政治の要諦」を尋ねたやり取りの中に、現れる。 孔子は、政治に大切なものを次の3つだと述べる。 「食物を満ち足らせ、兵備を不足なきように整え、人民に国の政治を信頼させること」(藤堂明保氏の現代語訳による)と。これらから1つだけ残すとすれば、それは“信頼”だと孔子は断言する。...