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改憲を巡る4つの選択肢
高森明勅
わが国の憲法を巡って長年、護憲vs改憲の対立が続いて来た。護憲派は平和と民主主義、リベラルな価値を守る事を目指す。改憲派は日本の自主独立、ナショナルな価値を取り戻そうとする。しかし、日本の自主独立を事実上、断念してでも“改憲”というポーズだけを取ろうとする、堕落した「改憲」論が現れた。自衛隊を「戦力」未満のまま憲法に書き込もうという提案。安倍首相が唱える自衛...
オーソドックスな憲法学者らの改憲論
高森明勅
久しく憲法学の世界は護憲派の牙城のように見えた。しかし近年は、学界中枢の学者も普通に改憲論を唱えているようだ。 例えば、東京大学の宍戸常寿教授。「憲法を丸ごと否定することも、永遠に守り抜くことも、いずれも無理がある。世界各国は、新たな課題が生じれば、憲法を解釈や改正でバージョンアップしている。日本も必要な課題があるならば憲法改正を議論すればよい」 又、京都大...
国民主権の唯一の体現者たる天皇
高森明勅
天皇の「尊厳」の憲法上の根拠は何か。 それは、“主権”の主体とされる「国民」という概念を、実際のお姿で体現し得る、唯一の存在という事だ。主権は一人一人の個別の国民にあるのではない。それではバラバラで「唯一、至高」の主権たり得ない。 “個々の”国民は(主権の形成に参与し得る立場にあるものの)、むしろ主権の下にある被治者に過ぎない。 主権の主体は、トータルな存在...
立憲的改憲への初めての世論調査
高森明勅
倉持麟太郎弁護士に教えて貰った。 誕生して間もない「立憲的改憲」が早々と世論調査の対象になった、と(産経新聞12月19日付)。 憲法9条を巡って、次のような問いを設けている。 「9条改正について、どの考えに近いか」 回答の選択肢が4つ。 その1「9条の条文を維持した上で、自衛隊の存在を明記すべきだ」。その2「9条を改正して、自衛隊の役割や制約を明記すべきだ」...
退位の儀礼を巡る迷走
高森明勅
退位の儀礼を巡り、安倍内閣が“また”迷走している。 やっと、天皇の国事行為として行われる「方向」、との報道。 改めて検討するまでもない。 当たり前の事だ。 今まで何をやっていたのか。 退位の儀礼は、新しい天皇のご即位に伴う 「剣璽(けんじ)等承継の儀」に対応する。 後者は、昭和から平成への御代替わりの際に、 既に国事行為として行われた。 ならば、 退位の儀礼...
昭和大嘗祭「亀卜」の真実
高森明勅
天皇の祭祀中で最も重大な大嘗祭。大嘗祭では国民が献じる新穀が最も大切。 その新穀を献じる悠紀(ゆき)・主基(すき)両地方を、「亀卜(きぼく)」という古来の作法で選ぶ。 その亀卜の実態について、昭和の大嘗祭に実際に奉仕した人物の証言がある。 以下の通り。 「陛下の御手もとには、まず、その候補地として悠紀地方にて3県、主基地方にて3県が進められる。そうすると陛下...
平成大嘗祭の「斎田点定」を巡るエピソード
高森明勅
天皇の祭祀で最も重大なのが一代に一度の大嘗祭。その大嘗祭で最も大切なのが悠紀(ゆき)・主基(すき)両地方の特別に選ばれた田(斎田、さいでん)から献上される新穀だ。 ところが安倍内閣は、一定の地域で既に田植えが終わっている、5月1日を新しい天皇の即位日と決めてしてしまった。明らかに失態と言わざるを得ない。その事は繰り返し指摘しておく。 但し、ここで紹介したいの...
「平成の100人」に小林よしのり氏
高森明勅
『中央公論』1月号は「平成の100人」という特集。12人の識者が、政治、経済、社会・事件、文化、科学、スポーツという6ジャンルから、平成を代表する100人を選んだ。 その「文化」部門(20人)の1人に漫画家の小林よしのり氏が選ばれている。小林氏を取り上げたのは事業構想大学院大学准教授の鈴木洋仁氏。いわく、「私の選ぶ10人として、まずは思想から、漫画家の小林よ...
昭和大嘗祭での斎田行事
高森明勅
天皇の皇位継承に伴う大嘗祭。天皇の数ある祭祀の中でも最も重大だ。その大嘗祭で最も大切な意味を持つのが、悠紀(ゆき)・主基(すき)両地方の農民が献上する新穀。その新穀を献上する特別の田を「斎田」と呼ぶ。 斎田は当然、“清らかさ”が求められる。 昭和天皇の大嘗祭での様子は『昭和大礼要録』(昭和6年)によって知ることが出来る。そこには「斎田の奉仕は弥(いや)が上に...
ゴー宣道場、新たな挑戦
高森明勅
12月のゴー宣道場は間違いなく大成功。山尾志桜里衆院議員の基調発言。さすがだった。これまでの旧式の護憲vs改憲の対立図式そのものを、一挙に過去の遺物としてしまう。 これぞ立憲的改憲の神髄。明快で歯切れが良く、実に聴き応えがあった。倉持麟太郎師範のフォローも見事。海外の憲法事情を巡る知見の披露は有益だった。 会場には、百戦錬磨の良心的な護憲派とおぼしき方々も何...