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改憲を巡る4つの選択肢
改憲を巡る4つの選択肢
高森明勅
高森明勅 わが国の憲法を巡って長年、護憲vs改憲の対立が続いて来た。護憲派は平和と民主主義、リベラルな価値を守る事を目指す。改憲派は日本の自主独立、ナショナルな価値を取り戻そうとする。しかし、日本の自主独立を事実上、断念してでも“改憲”というポーズだけを取ろうとする、堕落した「改憲」論が現れた。自衛隊を「戦力」未満のまま憲法に書き込もうという提案。安倍首相が唱える自衛...
オーソドックスな憲法学者らの改憲論
オーソドックスな憲法学者らの改憲論
高森明勅
高森明勅 久しく憲法学の世界は護憲派の牙城のように見えた。しかし近年は、学界中枢の学者も普通に改憲論を唱えているようだ。 例えば、東京大学の宍戸常寿教授。「憲法を丸ごと否定することも、永遠に守り抜くことも、いずれも無理がある。世界各国は、新たな課題が生じれば、憲法を解釈や改正でバージョンアップしている。日本も必要な課題があるならば憲法改正を議論すればよい」 又、京都大...
大正天皇例祭
大正天皇例祭
高森明勅
高森明勅 12月25日には皇室祭祀として「大正天皇例祭」が執り行われる。 第123代、大正天皇のご命日(崩御〔ほうぎょ〕相当日)だ。 小祭ながら、天皇・皇太子以外に皇族方も、大祭と同様にお出ましになる。大正天皇が崩御されたのは、大正15年(西暦1926年)のこの日だった。 謹んで御製(ぎょせい、和歌)を1首、掲げる。かきくらし雨降り出(い)でぬ人心(ひとごころ)くだち...
快晴の天皇誕生日
快晴の天皇誕生日
高森明勅
高森明勅 12月23日「天皇誕生日」。 快晴。 しかも暖かい。子供達と大手町駅D1出口付近で待ち合わせ。 長男、次男と彼らの友人O君。 皆、身長が185センチ位。3人並ぶとさすがにデカさが目立つ。 ちなみに、長女のシンガポール人の旦那も同じ位。 この日は勿論、いなかったが。 皇居への歩道は参賀の人達でビッシリ。正門に入るかなり手前で持ち物チェックがある。 なので、参賀...
天皇陛下のおことば
天皇陛下のおことば
高森明勅
高森明勅 「天皇誕生日」に際してのおことば。ご譲位について次のように触れておられた。 「この度、再来年4月末に決定した私の譲位については、これまで多くの人々が各々の立場で考え、努力してきてくれたことを、心から感謝しています」と。ハッと胸を打たれた。 皇后陛下は先頃、ご自身のお誕生日に当たり、ご譲位を巡って次のように仰っていた。 「陛下の御譲位については、多くの人々の議...
天皇誕生日
天皇誕生日
高森明勅
高森明勅 12月23日は国民の祝日「天皇誕生日」。謹んで心からお祝い申し上げる。 天皇陛下は84歳になられる。今年は、陛下がかねて願っておられた、ご譲位を可能とする皇室典範(附則)の改正と特例法の制定がなされ、その日取りも固まった。法整備の面では、決して満足できる水準ではないものの、ギリギリ陛下のお気持ちに背く形にはならなかったのではないか。だが、ご譲位の日取りは、大...
国民主権の唯一の体現者たる天皇
国民主権の唯一の体現者たる天皇
高森明勅
高森明勅 天皇の「尊厳」の憲法上の根拠は何か。 それは、“主権”の主体とされる「国民」という概念を、実際のお姿で体現し得る、唯一の存在という事だ。主権は一人一人の個別の国民にあるのではない。それではバラバラで「唯一、至高」の主権たり得ない。 “個々の”国民は(主権の形成に参与し得る立場にあるものの)、むしろ主権の下にある被治者に過ぎない。 主権の主体は、トータルな存在...
受賞の弁
受賞の弁
高森明勅
高森明勅 この度、本年度ライジング版流行語大賞とやらの第3位に、私の「迷言」が選ばれた。 光栄だ。 特に、選考者の皆さんのコメントが、1つ1つ嬉しかった。 私にとっても、あの時の生放送(10月22日「祝い酒!開票速報SP」)は強く印象に残っている。 番組が長引いたので終電が無くなって、深夜、長男の住まいを急襲。 更に盃を重ねた。 振り返ると、今年はかなり重要な1年だっ...
立憲的改憲への初めての世論調査
立憲的改憲への初めての世論調査
高森明勅
高森明勅 倉持麟太郎弁護士に教えて貰った。 誕生して間もない「立憲的改憲」が早々と世論調査の対象になった、と(産経新聞12月19日付)。 憲法9条を巡って、次のような問いを設けている。 「9条改正について、どの考えに近いか」 回答の選択肢が4つ。 その1「9条の条文を維持した上で、自衛隊の存在を明記すべきだ」。その2「9条を改正して、自衛隊の役割や制約を明記すべきだ」...
退位の儀礼を巡る迷走
退位の儀礼を巡る迷走
高森明勅
高森明勅 退位の儀礼を巡り、安倍内閣が“また”迷走している。 やっと、天皇の国事行為として行われる「方向」、との報道。 改めて検討するまでもない。 当たり前の事だ。 今まで何をやっていたのか。 退位の儀礼は、新しい天皇のご即位に伴う 「剣璽(けんじ)等承継の儀」に対応する。 後者は、昭和から平成への御代替わりの際に、 既に国事行為として行われた。 ならば、 退位の儀礼...
昭和大嘗祭「亀卜」の真実
昭和大嘗祭「亀卜」の真実
高森明勅
高森明勅 天皇の祭祀中で最も重大な大嘗祭。大嘗祭では国民が献じる新穀が最も大切。 その新穀を献じる悠紀(ゆき)・主基(すき)両地方を、「亀卜(きぼく)」という古来の作法で選ぶ。 その亀卜の実態について、昭和の大嘗祭に実際に奉仕した人物の証言がある。 以下の通り。 「陛下の御手もとには、まず、その候補地として悠紀地方にて3県、主基地方にて3県が進められる。そうすると陛下...
平成大嘗祭の「斎田点定」を巡るエピソード
平成大嘗祭の「斎田点定」を巡るエピソード
高森明勅
高森明勅 天皇の祭祀で最も重大なのが一代に一度の大嘗祭。その大嘗祭で最も大切なのが悠紀(ゆき)・主基(すき)両地方の特別に選ばれた田(斎田、さいでん)から献上される新穀だ。 ところが安倍内閣は、一定の地域で既に田植えが終わっている、5月1日を新しい天皇の即位日と決めてしてしまった。明らかに失態と言わざるを得ない。その事は繰り返し指摘しておく。 但し、ここで紹介したいの...
「平成の100人」に小林よしのり氏
「平成の100人」に小林よしのり氏
高森明勅
高森明勅 『中央公論』1月号は「平成の100人」という特集。12人の識者が、政治、経済、社会・事件、文化、科学、スポーツという6ジャンルから、平成を代表する100人を選んだ。 その「文化」部門(20人)の1人に漫画家の小林よしのり氏が選ばれている。小林氏を取り上げたのは事業構想大学院大学准教授の鈴木洋仁氏。いわく、「私の選ぶ10人として、まずは思想から、漫画家の小林よ...
祝日と休日
祝日と休日
高森明勅
高森明勅 祝日と休日。 全く違う。休日は単に日常的な労働をしない日を指す。 一方、祝日は国民にとって、普段の日とは区別されるべき、特別の趣旨と由緒を持ち、それ故に「国民こぞって祝い、感謝し、又は記念する日」(祝日法第1条)とされている。そうした特別な日“だから”休日にしているのだ(同法第3条)。ところが、超党派のスポーツ議員連盟(麻生太郎会長)は、3年後の東京五輪の開...
虚報に気を付けろ
虚報に気を付けろ
高森明勅
高森明勅 『週刊新潮』(12月14日号)が天皇陛下のお考えについて、虚報。 あたかも陛下がご譲位に際し、華やかなセレモニーを希望されているかのような記事だ。それに対し、首相官邸は簡素な形を模索している、と。 奇妙だ。同じ年には新しい天皇の「即位の礼」が行われる。そこで新天皇の一代に一度の華やかな行事がある。 なのに、皇位を退かれる陛下が、それに重なるようなやり方を、こ...
共同通信の配信記事
共同通信の配信記事
高森明勅
高森明勅 天皇陛下のご譲位の日取りを決める政令の閣議決定のタイミングに合わせて、拙文が共同通信から配信された。それを掲載した新聞の一部が先日、届いた。 信濃毎日新聞、東奥日報、高知新聞、熊本新聞、長崎新聞など(いずれも12月9日付)。 私以外には、作家の落合恵子氏、ノンフィクション作家の保阪正康氏、放送大学教授の原武史氏。東奥日報には前侍従長の川島裕氏の「大型談話」も...
真の「改憲」とは?
真の「改憲」とは?
高森明勅
高森明勅 ただ憲法の条文の字ヅラを変えれば「改正」だと思っている人達がいる。 それにひたすら反対するのが護憲派。それだけをひたすら求めるのが改憲派。 両者は一見、対立しているようでいて、字ヅラだけに拘っている点で、見事に一致している。 しかし、憲法を改正したり、護ったりする「目的」は何か。 改憲派なら日本の自主独立。護憲派なら平和と民主主義を守ること。 だったら、自主...
真の「護憲」とは?
真の「護憲」とは?
高森明勅
高森明勅 12月のゴー宣道場で、会場からこんな発言があった。平和主義を重んじる立場からの問いかけだろう。 「憲法9条であれだけ厳格に『戦力』不保持を規定していても駄目なら、どんな改正をやっても無駄ではないか」と。こうした懐疑ないし諦めは、意外と広く持たれているかも知れない。 だが今の憲法には、「戦力」未満の“実力”組織を規律する条文は、皆無。これでは事実上、好き勝手を...
昭和大嘗祭での斎田行事
昭和大嘗祭での斎田行事
高森明勅
高森明勅 天皇の皇位継承に伴う大嘗祭。天皇の数ある祭祀の中でも最も重大だ。その大嘗祭で最も大切な意味を持つのが、悠紀(ゆき)・主基(すき)両地方の農民が献上する新穀。その新穀を献上する特別の田を「斎田」と呼ぶ。 斎田は当然、“清らかさ”が求められる。 昭和天皇の大嘗祭での様子は『昭和大礼要録』(昭和6年)によって知ることが出来る。そこには「斎田の奉仕は弥(いや)が上に...
ゴー宣道場、新たな挑戦
ゴー宣道場、新たな挑戦
高森明勅
高森明勅 12月のゴー宣道場は間違いなく大成功。山尾志桜里衆院議員の基調発言。さすがだった。これまでの旧式の護憲vs改憲の対立図式そのものを、一挙に過去の遺物としてしまう。 これぞ立憲的改憲の神髄。明快で歯切れが良く、実に聴き応えがあった。倉持麟太郎師範のフォローも見事。海外の憲法事情を巡る知見の披露は有益だった。 会場には、百戦錬磨の良心的な護憲派とおぼしき方々も何...