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朝日新聞の思い出(5)
高森明勅
高森明勅 その3(つづき)。私が事務局長を仰せ付かったのは、つくる会にとって最初の教科書作りと採択の時期。 ある意味では、一番やりがいがあり、一番辛い頃とも言える。 私の腹づもりでは、ほんの1ヶ月か2ヶ月のワンポイントリリーフのはずだった。なのに結局、第1回の教科書採択が終わるまで、何年もやらされることに。 その際、その頃はまだ個人的な繋がりなどさほどなかった漫画家の...
朝日新聞の思い出(4)
高森明勅
高森明勅 その3。 かつて私が、「新しい歴史教科書をつくる会」の事務局長を務めていた頃のこと。 実に様々な出来事があった。中でも、過激派の革労協反主流派に夜中、事務所を放火された卑劣な事件(平成13年8月7日)は、忘れ難い。 一歩間違えば、何の関係もない地元の住民も巻き込んだ、大惨事になるところだった。 その頃は、私の自宅周辺も毎日、警察が昼夜を問わず巡回し、まだ幼か...
朝日新聞の思い出(3)
高森明勅
高森明勅 その2。平成4年のこと。 当時、西側(自由主義)陣営は、中国の天安門事件の暴虐に抗議して、経済制裁を続け、閣僚クラスの相互訪問も停止していた。 そんな中、日本の宮澤喜一政権は、国内世論の反対も押し切って、あろうことか、天皇陛下の中国ご訪問を敢えて実現させる。まさに、暴挙以外の何ものでもなかった。陛下のご訪中を実務面で推進したのは、加藤紘一官房長官。この時の政...
朝日新聞の思い出(2)
高森明勅
高森明勅 予め1つ断っておく。朝日新聞の「思い出」と言っても、別に朝日新聞自体が既に廃刊し、過去の存在になっている訳では勿論ない。 念のため。 さて、思い出その1。 昭和63年、私がまだ31歳の頃のこと。この年の9月19日夜、昭和天皇は大量の吐血をされた。 以来、翌年1月7日に崩御されるまで、111日間に及ぶご闘病の日々を送られる。 朝日は、そのご吐血から1週間も経た...
朝日新聞の思い出(1)
高森明勅
高森明勅  以前、自分でストリップショーを見たこともないのに、何故か(上)(中)(下)に分けて、ストリップを巡る思い出を、くどくどと語った。何とも馬鹿げた話だ。 しかし、意外と好評だった。 そこで、些か懐古趣味に傾き過ぎかも知れないが、今回は、朝日新聞の思い出を取り上げよう。 何故、朝日新聞かって? 近頃、『朝日』が何かと取り沙汰されているから、た...
母方から「姓」を継ぐ話
高森明勅
高森明勅 先に、元々シナ文明の影響下、「男系」主義に立脚するはずの“姓”も、わが国では母方からも女系で受け継いでいた実例を紹介した。即ち、物部弓削守屋が父方の物部姓だけでなく、母方の弓削姓をも併せ継承しているばかりか、ただ「弓削大連(ゆげのおおむらじ)」(『播磨国風土記』)と称する場合があり、また蘇我入鹿を「林臣(はやしのおみ)」(『日本書紀』)とか、「林太郎(はやし...
安倍首相は「靖国」参拝を断念するのか?
高森明勅
高森明勅 自民党の新しい「三役」の顔触れを見ると、幹事長と総務会長が揃ってバリバリの親中派の重鎮。この人事自体、中国に対するメッセージなのか? そうでなくても、この陣容で安倍首相が靖国神社に参拝するのは、相当に困難だろう。 終戦記念日には、靖国神社を差し置いて、千鳥ヶ淵戦没者墓苑に献花した安倍首相。 調べてみると、歴代首相の中で“靖国参拝を避けて千鳥ヶ淵献花...
塩崎厚労大臣はヤバい!
高森明勅
高森明勅  第2次安倍改造内閣が発足。 閣僚の顔触れを見ると、厚生労働大臣に安倍首相の“お友達”塩崎恭久氏の名前が。これは、要注意。 かねて、塩崎氏は年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の「改革」にすこぶる熱心。 要は、国民の老後を支えるべき年金資金を、リスクも顧みず、国内株式の買い入れにじゃぶじゃぶ突っ込んで、目先の株価を吊り上げ、安倍政権の経済政策...
天地雲泥の差
高森明勅
高森明勅 広島豪雨災害は予想以上に大きな犠牲をもたらした。自然の猛威もさることながら、人間の側の至らなさも省みる必要があるだろう。 心が傷む。指導者や人の上に立つ者は、こうした場面でこそ、その真価が問われる。 ここでは一切のコメント抜きで、2つの記事を紹介しておく。 「(8月20日)広島県は午前6時半に自衛隊に派遣を要請した。山梨の別荘にいた首相は同時刻、関係省庁に『...
蘇我入鹿を「林太郎」と呼ぶ理由
高森明勅
高森明勅 飛鳥時代の人物、蘇我入鹿を知らない人はいないだろう。 かつて、「入鹿」というのは、彼を悪者扱いしたい『日本書紀』が採用した蔑称で、本名ではない、とする学説があった(門脇禎二氏)。 しかし古代史上、蘇我入鹿以外にも「入鹿」と称する人物は多くいた。 またイルカは、古代では神事に関わる神聖な動物とされている。 だから、とても蔑称とは言えない(坂本太郎氏・加藤謙吉氏...
四辻善成、皇籍復帰ならず
高森明勅
高森明勅 歴史上、君臣の分義を厳かに守るために、皇籍復帰が斥けられた実例を1つ、紹介する。南北朝時代の貴族にして和学者、四辻善成(よつつじよしなり)という人物がいた。 源氏物語の注釈書『河海抄(かかいしょう)』の著者として知られる。 第84代順徳天皇の皇子善統親王の孫で、尊雅王の子(天皇から3世)。 31歳で皇籍を離れて源姓を賜り、北朝に仕えた。 祖父が四辻宮と号され...
男系「新宮家」創設案の問題点(下)
高森明勅
高森明勅 (3)提案の妥当性にも疑問符がつく。 旧宮家系の血筋を「もう1つの皇統」(八木秀次氏)などと表現する向きがある。だが、皇籍を離れた以上、当然、「皇統」ではあり得ない。離脱の政治的な事情がどうであれ、平氏や源氏がそれぞれ天皇出自であっても、その血筋を皇統と見なすことが出来ないのと同様だ。まさに里見岸雄博士が夙に指摘された通り。 「『祖宗の皇統』とは、単に家系的...
男系「新宮家」創設案の問題点(中)
高森明勅
高森明勅 (2)提案が実現する可能性も不透明だ。 百地氏は候補者として何故か、旧宮家系国民男子の「未成年者」4人だけを例示しておられる。これは、竹田恒泰氏のこれまでの振る舞いなどを念頭に置いて、除外されたのだろうか。 確かに、旧宮家系の4人の「未婚の成年男子」の場合、竹田恒泰氏以外も、秋篠宮殿下より年上だったり、織田信長の生まれ変わりと称する「プロのゲーマー」だったり...
男系「新宮家」創設案の問題点(上)
高森明勅
高森明勅 百地章氏の「男系子孫による新宮家創設を」との提案が産経新聞(8月23日付)に掲載されている。 真剣なご提案であろうから、これについても、私なりの感想を述べておきたい。申し上げるべきことは3点。 以下、順次述べて行く。 (1)この提案が、仮にそのまま100%実現しても、残念ながら皇統の危機を打開する解決策にはならない。ただ、問題を先送りするに過ぎない。 何故な...
百地章氏「女性宮家」否定論の不思議
高森明勅
高森明勅 産経新聞(8月16日付)に保守系を代表する憲法学者で日本大学教授の百地章氏の一文が載っている。 ポイントは2点。 (1)女性宮家の問題点の指摘。(2)女性皇族がご結婚による皇籍離脱後も皇室のご公務を支えられる方策を検討することの提案。 (2)は、政府が検討しようとしている「皇室輔佐」「皇室特使」と重なり、それがいかに無理で無茶な話か、すでに繰り返し指摘して来...
安倍首相の千鳥ヶ淵献花への疑問
高森明勅
高森明勅 安倍首相は8月15日、千鳥ヶ淵戦没者墓苑にて献花した。 一方、靖国神社には代理の者が玉串料を届けただけ。 これは、おかしくないか。靖国神社には全ての戦没者の御霊が祀られている。英霊たちは生前、「死んだら靖国で会おう」と誓い合って、散華された。 明治・大正・昭和3代の天皇がご親拝を重ねられ、今も春秋の例大祭には欠かさず、天皇陛下から勅使のご差遣を戴く。 その靖...
8月15日、公式ニコ生で靖国神社を語る(後編)
高森明勅
高森明勅 ドワンゴの担当プロデューサーとしては、戦後の靖国神社だけを見ていたのでは、戦後の問題についてさえキチンと判断できない、という考えがあったのでは。 ーと勝手に臆測した。心優しい次男坊辺りは、ニコニコ生放送だと、ネット上で悪口雑言を投げつけられるのではないか、と心配してくれたようだ。 だが、そんなことは屁でもない。これまで靖国神社についてよく知らなかった人たちに...
8月15日、ドワンゴ公式ニコニコ生放送で靖国神社を語る(前編)
高森明勅
高森明勅 8月15日、ドワンゴ公式ニコニコ生放送ではこれまで、日本武道館の全国戦没者追悼式典や靖国神社境内の様子を、ひたすら中継していたようだ。 ところが今年は、靖国神社の基礎的な事柄について、誰かに解説させようという企画が持ち上がったらしい。どうしたいきさつからか、その解説役が私に回って来た。 当日、境内の適当な場所で喋ってくれないか、という依頼。ニコ生の視聴者は、...
8月日記抄
高森明勅
高森明勅 8月1日。 神社本庁で「政教関係を正す会」(大原康男会長)の役員会・総会・研究会。役員会で急遽、総会と研究会の座長をやることに。 私は前回も、座長を拝命。 しかし、座長をやる予定だった役員がやむを得ない用事で欠席したため。それにしても、恐らく事務局の手落ちだろうが、当日急に依頼されるのは頂けない。 研究会では、日本大学法学部教授・百地章氏の「靖国参拝訴訟と霊...
謎解き「集団的自衛権」
高森明勅
高森明勅 「集団的自衛権」行使容認は、とても分かりやすいパズルゲームだ。情報1。アメリカの連邦予算削減の一環として軍事費のカットが進む米軍のアキレス腱は、海軍における掃海戦力の「弱さ」。それがシステム上の欠陥だと彼らも分かっている。 しかし、そんな状態のまま20年以上も放置。 「大衆アピール的にも金額的にも、地味すぎて、人気がない。部内にも部外にも、ここに予算をつけて...