高森明勅

テロ未遂者?の「自由」論(中)

高森明勅

2015年 1月 15日
幸い、監督は私たち言い分を真摯に受け止めて下さり、
映画会社もほぼ最大限の対応をしてくれた。

特に、上映中の映画にも拘わらず、技師を全国の劇場に派遣し、
問題の場面を全てカットしてくれたのは、
私たちを十分納得させる措置だった
(若かった私は更に、
プロデューサーに孝明天皇の御陵と
孝明天皇を祀る平安神宮への謝
罪参拝を求め、これも実現した)。

だがもしあの時、先方の対応が全く違っていたらと思うと、
我ながらゾッとする
この時の顛末は『マスコミ文化』昭和55年8月号、
『時の課題』
同年9月号など参照)。

だからこの件は余り褒められた話ではないものの、

言論・表現の自由が無限定に許されるとは、今も考えていない。

(続く)