高森明勅

安保関連法案の為に自虐史観強化という逆説

高森明勅

2015年 8月 11日

第2次安倍政権の登場を歓迎した人々は一体、何を期待したのか。

 恐らく、その最たるものは歴史問題の克服であり、
自虐史観からの脱却ではなかったか。

だが、実際はどうなったか。

靖国
神社神社への参拝は又々中断。

世界遺産登録では、韓国に譲歩して「強制性」を
自ら認める大失策を犯した。

そして戦後70年談話。

本来、これは村山談話を事実上、
撤回する為のアイディアだったはず。

しかし結局、村山談話を確認、強化する内容になりそう
読売新聞8月11日付朝刊)。

日本の首相は10年ごとに「お詫び」を繰り返し、
それを永遠に続けるのか。

今回の安倍首相の判断は、
公明党に配慮した為と見られている。

だが、それもさることながら、
安保関連法案の成立を睨んでの後退だろう。

同法案はあっさり言えば、
自国の防衛力を強化するのではなく、
アメリカへの“奉仕”を強め、
その温情にすがって守って貰う為のもの
(但しそれがどの程度、
有効かは全く未知数)。

そんなものの為に、自虐史観を更に強めるなんぞ、
本末転倒も甚だしい。