高森明勅

有識者会議まだまだ迷走

高森明勅

2017年 4月 13日

看板が気の毒な有識者会議。

このところ、専らご譲位の議論しかしていない。

しかもメインとなる論点は、
既に国会の合意が成り立っている。

だから、隙間の議論に特化。

それも、伝統的な「太上天皇」を止めて略称の
「上皇」
をそのまま正式な称号にするとか。

天皇陛下が昨年の8月8日の「おことば」ではっきり
殯(もがり)などの簡素化を望まれ、
しかも皇室典範は天皇だけが「大喪の礼」
行うという原則なのに、(皇族に戻られた)
上皇も大喪の礼を行うとか。

目を覆いたくなる迷走ぶり。

最終報告書のレベルが今から想像できる。

どうかメディアには、たかが一私的諮問機関に
過ぎない有識者会議の不出来なレポートを

あたかも権威あるものであるかのように、
過大に扱わないで戴きたい。

国民が錯覚するので。

政府がその不出来なレポートに
引き摺られた法案を用意しようとし
た場合は、
その骨子が各党に提示された段階で、
しっかり国会の見識を示して戴きたい。

最悪、政府がそのまま法案化した時は、
国会の審議を通じて是正する必要がある。

国民もしっかりそれを監視し、
声を挙げるべき時には声を挙げようではないか。

繰り返し言っておく。

これからが正念場だ。