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国家を超える「公(おおやけ)」はあり得るか?
高森明勅
「公(おおやけ)」=公共社会の範囲をどう考えるか。 小林よしのり氏の『戦争論』には次のような記述があった。 「一見『世界のために』の方が了見が広くていいように思えるが …そもそも『世界』って『公』たり得るだろうか?」 「我々の持つ公共心が、 どのくらいの範囲まで通用するべきと考えているかと言えば、 やっぱり日本国内だろう。『公』とは『国』なのだ」 こうした発...
憲法改正のスケジュール
高森明勅
憲法改正の具体的なスケジュールはどうなるか。 立憲民主党憲法調査会事務局長の 山尾志桜里衆院議員が、 「与党主導の最短改憲スケジュール」として、 目下のご自身の見通しを示されている。 現在、憲法改正に対して最も“前向き”に 取り組もうとされている野党議員の、 (野党的には)極めてシビアな捉え方だ。 広く憲法に関心を持つ国民の参考になるだろう。 ...
皇室存続への対応は急がない?
高森明勅
時事通信が以下のような報道 (11月5日6時41分配信)。 「女性皇族が結婚後も皇室に残れるようにする 『女性宮家』創設について、政府は具体的な 検討の着手を来年5月1日の新天皇即位後に先送りし、 結論を急がない方針を固めた。 複数の政府関係者が4日までに明らかにした。 創設に反対する保守層への配慮が背景にあり、 事実上たなざらしになる可能性がある。 安...
憲法9条と日本思想の逆説
高森明勅
憲法9条について考える時、 気になっている事がある。 私が尊敬する数少ない保守系知識人の1人、 長谷川三千子氏がずっと前に公表された見解だ。 やや長めの引用になるが。 「戦後の日本人が、あの戦争について、 非はすべて我方(わがほう)にあると考へ、 林房雄氏の(『大東亜戦争肯定論』が)説くやうな 『あたり前』のことをむしろ奇説とみるやうになつた こ...
明治記念館「金鶏の間」
高森明勅
11月2日、明治記念館にて甥(おい)の結婚式。 明治記念館は明治神宮外苑の一角にあり、 総合結婚式場の第1号という。 式場としての格式もトップクラス。 私は元々、結婚式の披露宴が余り好きではない。 過剰な演出や空疎な美辞麗句、総じて虚飾に溢れた 雰囲気を感じる場合が多く、趣味に合わない。 だからなるべく避けて来た。 しかし今回は、そういう訳に...
11月ゴー宣道場、今日が締め切り!
高森明勅
11月のゴー宣道場では、 小林よしのり氏の作品『戦争論』と憲法9条を巡って討議する。 これは随分、贅沢な企画だ。 何しろ基調講演がジャーナリストの笹幸恵氏。 ご本人が実際に戦場だった場所に繰り返し足を運び、 実際に武器を取って戦った人々と長年、親交を深めてこられた。 勿論、戦史について豊富な知識をお持ち...
秋篠宮殿下は即位をご辞退?
高森明勅
先日、第5回立憲民主党 「安定的な皇位継承を考える会」に参加した(10月25日)。 その時は、皇室ジャーナリストの 山下晋司氏のお話を伺った。 講演終了後、私の質問に答えて戴いた。 そのやり取りは以下の通り。 高森 「今上陛下が譲位された後、直ちに『皇嗣』 になられる秋篠宮殿下が将来、即位を辞退される という噂を聞いています。 変則的ながら、...
「明治」から学ぶもの
高森明勅
明治元年から今年で150年。 “明治”という時代から現代の日本人は何を学ぶべきか。 一言で答えるなら「属国を拒否した気概」。 それが最大のものだろう。 弱肉強食の帝国主義時代に、 不平等条約を押し付けられた我が国は、 近代統一国家を建設し、一人前の軍隊を持ち、 粘り強く交渉を重ねる事で、 遂に条約改正を全面的に達成した。 敗戦後、事実上の...
皇位継承儀礼におけるタテ軸とヨコ軸
高森明勅
皇位の継承に伴って必ず行われるべき 重要な儀礼として、古代以来の伝統を持つものが3つある。 〔1〕新しい天皇が神器(じんぎ)を受け継ぐ儀礼 (剣璽〈けんじ〉等承継の儀) 〔2〕高御座(たかみくら)に昇って 即位を宣言する儀礼(即位の礼) 〔3〕国民が育てた稲を天皇が皇祖(天照大神)に 奉(たてまつ)り、自ら共に食べる儀礼(大嘗祭) これらの中で、〔1〕は...
笹幸恵氏、ゴー宣道場で講演
高森明勅
11月のゴー宣道場は、初めて京都で開催。 基調講演は笹幸恵師範。 笹氏が以前、道場で「戦争」について講演されたのは、 第5回(平成22年8月8日、靖国会館にて開催) での事(その時の司会は不肖私)。 その一端を紹介したい。 「私、実はいつも戦争のことを考えています」 「老いも若きも関係なく、戦争というのは、 国民1人ひとりが関心を持って考...