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祝祭としての戦争
祝祭としての戦争
高森明勅
高森明勅 京都でのゴー宣道場で「祝祭としての戦争」 という側面を指摘した。 勿論、 無惨な敗戦を知っている日本国民は、 よほど特殊な人物でない限り、 誰しも理性的には戦争を嫌い、 憎んでいるはずだ。 しかし、自覚されざる意識下の欲望として、 戦争を好んでいる場合もあり得る。 他国の理不尽な行動が、 長年に亘って執拗に繰り返され、 偶発的に小規模な戦闘が起こって、 わが...
国家を超える「公(おおやけ)」はあり得るか?
国家を超える「公(おおやけ)」はあり得るか?
高森明勅
高森明勅 「公(おおやけ)」=公共社会の範囲をどう考えるか。 小林よしのり氏の『戦争論』には次のような記述があった。 「一見『世界のために』の方が了見が広くていいように思えるが …そもそも『世界』って『公』たり得るだろうか?」 「我々の持つ公共心が、 どのくらいの範囲まで通用するべきと考えているかと言えば、 やっぱり日本国内だろう。『公』とは『国』なのだ」 こうした発...
戦争は常にあり得る
戦争は常にあり得る
高森明勅
高森明勅 京都で初めてのゴー宣道場。 笹幸恵師範の基調講演は聴き応えがあった。 大東亜戦争を戦った兵士達が守りたかったのは 今のような日本なのか。 しきりに反省させられた。 ところで、当日の私の発言は極端に聞こえただろうか。 近代国民国家にとって、 自衛権の行使(自衛の為の制約された武力行使)は、 可能性としては“常に”あり得る (それは国際法上、戦争とは区別されるも...
異常さの背景
異常さの背景
高森明勅
高森明勅 世界的に極めて異常な 憲法9条2項が長年そのまま維持されて来た異常さ。 周辺国の核武装より自国の核武装を危険視する異常さ。   それらの背景を探ると1つの世界観に行きつく。   それは以下のような国際社会への認識だ。   「日本国民は…政府の行為によつて再び 戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し… 平和を愛する諸国民...
軍事感覚の異常さ
軍事感覚の異常さ
高森明勅
高森明勅 日本人の軍事感覚はかなり異常ではないか。 自国の周囲の国が軒並み核武装をしている。 なのに、深刻な危機感を抱かず、 真剣に対応策を考えようともしない。 一方、もし自衛隊が核武装しそうだ というニュースが流れたら、どうか。 きっと蜂の巣をつついたような大騒ぎが始まるだろう。 ロシア・中国・北朝鮮のような“危険な”国々の核武装より、 自衛隊の核武装の方がより「危...
憲法9条の異常さ
憲法9条の異常さ
高森明勅
高森明勅 憲法9条。   その1項は、第2次大戦後の国際法が 戦争や武力の行使一般、武力による威嚇をも 「違法」とする局面(国連憲章2条)では、 ありふれた規定だ。   ところが、2項は違う。   「戦力」つまり軍隊の保持そのものを禁止している。   これは極めて異常。   勿論、世界には平時の軍隊不保持を規定している 憲法を持つ国が、少数ながら存在する。   リヒテ...
憲法改正のスケジュール
憲法改正のスケジュール
高森明勅
高森明勅 憲法改正の具体的なスケジュールはどうなるか。   立憲民主党憲法調査会事務局長の 山尾志桜里衆院議員が、 「与党主導の最短改憲スケジュール」として、 目下のご自身の見通しを示されている。   現在、憲法改正に対して最も“前向き”に 取り組もうとされている野党議員の、 (野党的には)極めてシビアな捉え方だ。   広く憲法に関心を持つ国民の参考になるだろう。  ...
靖国神社の新宮司
靖国神社の新宮司
高森明勅
高森明勅 靖国神社から封書が届いた。 開けてみると、前宮司の退任と新宮司の就任の挨拶状。 「此(こ)の度(たび)、靖国神社宮司を退任致しました」 「11月1日を以(も)ちまして宮司の重責を拝命致しました」 型通りの文言が並ぶ。 読んでいて何とも言えない悲哀を感じた。 祖国の危急存亡の日に、尊い一命を捧げられた英霊たち。 その英霊たちに深く御心を寄せられ、あらゆる困難を...
学者と非学者
学者と非学者
高森明勅
高森明勅 学者とそうでない者の違いは何か。   時折、こんな質問を受ける。   なので一応、私なりの説明をしておこう。   恐らく理念型としては、 次の4つの条件をクリアしていれば学者で、 そうでなければ非学者だろう。   〔1〕学問上の研究テーマを持っている。 〔2〕そのテーマについて、これまで積み重ねられて 来た研究成果を熟知している(2―1)。 更に、それらを評...
皇室存続への対応は急がない?
皇室存続への対応は急がない?
高森明勅
高森明勅 時事通信が以下のような報道 (11月5日6時41分配信)。   「女性皇族が結婚後も皇室に残れるようにする 『女性宮家』創設について、政府は具体的な 検討の着手を来年5月1日の新天皇即位後に先送りし、 結論を急がない方針を固めた。 複数の政府関係者が4日までに明らかにした。 創設に反対する保守層への配慮が背景にあり、 事実上たなざらしになる可能性がある。 安...
憲法9条と日本思想の逆説
憲法9条と日本思想の逆説
高森明勅
高森明勅 憲法9条について考える時、 気になっている事がある。   私が尊敬する数少ない保守系知識人の1人、 長谷川三千子氏がずっと前に公表された見解だ。   やや長めの引用になるが。   「戦後の日本人が、あの戦争について、 非はすべて我方(わがほう)にあると考へ、 林房雄氏の(『大東亜戦争肯定論』が)説くやうな 『あたり前』のことをむしろ奇説とみるやうになつた こ...
明治記念館「金鶏の間」
明治記念館「金鶏の間」
高森明勅
高森明勅 11月2日、明治記念館にて甥(おい)の結婚式。 明治記念館は明治神宮外苑の一角にあり、 総合結婚式場の第1号という。   式場としての格式もトップクラス。   私は元々、結婚式の披露宴が余り好きではない。 過剰な演出や空疎な美辞麗句、総じて虚飾に溢れた 雰囲気を感じる場合が多く、趣味に合わない。   だからなるべく避けて来た。   しかし今回は、そういう訳に...
明治天皇と帝国憲法
明治天皇と帝国憲法
高森明勅
高森明勅 11月3日は「文化の日」。   祝日法では 「自由と平和を愛し、文化をすすめる」 という趣旨の祝日とされている。   だが、この日は元々、明治天皇のお誕生日。   だから明治時代には「天長節」という祝日だった。   大正時代に一旦、平日になったものの、 国民多数の要望を背景に昭和2年、 「明治節」として復活した。   そうした経緯も、既に大方、 忘れ去られて...
大嘗祭を京都で?
大嘗祭を京都で?
高森明勅
高森明勅 今となっては誰もそんな話を蒸し返さないだろう。   時代が昭和から平成に移って間もない頃。   大嘗祭は京都で行われるべきだという意見があった。   理由は「それが伝統だから」と。   確かに大正、昭和の大嘗祭は京都で行われた。 だが、それは旧皇室典範に、 「即位ノ礼及(および)大嘗祭は京都ニ於(おい)テ行フ」(第11条) という明文の規定があったからだ。 ...
11月ゴー宣道場、今日が締め切り!
11月ゴー宣道場、今日が締め切り!
高森明勅
高森明勅 11月のゴー宣道場では、 小林よしのり氏の作品『戦争論』と憲法9条を巡って討議する。   これは随分、贅沢な企画だ。   何しろ基調講演がジャーナリストの笹幸恵氏。   ご本人が実際に戦場だった場所に繰り返し足を運び、 実際に武器を取って戦った人々と長年、親交を深めてこられた。   勿論、戦史について豊富な知識をお持ち...
秋篠宮殿下は即位をご辞退?
秋篠宮殿下は即位をご辞退?
高森明勅
高森明勅 先日、第5回立憲民主党 「安定的な皇位継承を考える会」に参加した(10月25日)。   その時は、皇室ジャーナリストの 山下晋司氏のお話を伺った。   講演終了後、私の質問に答えて戴いた。   そのやり取りは以下の通り。   高森 「今上陛下が譲位された後、直ちに『皇嗣』 になられる秋篠宮殿下が将来、即位を辞退される という噂を聞いています。 変則的ながら、...
「明治」から学ぶもの
「明治」から学ぶもの
高森明勅
高森明勅 明治元年から今年で150年。   “明治”という時代から現代の日本人は何を学ぶべきか。   一言で答えるなら「属国を拒否した気概」。   それが最大のものだろう。   弱肉強食の帝国主義時代に、 不平等条約を押し付けられた我が国は、 近代統一国家を建設し、一人前の軍隊を持ち、 粘り強く交渉を重ねる事で、 遂に条約改正を全面的に達成した。   敗戦後、事実上の...
絵画館を拝観
絵画館を拝観
高森明勅
高森明勅 10月27日、日本教師塾の研修。 午前11時半に東京・千駄ヶ谷駅に集合。   教師以外の人も参加してくれた。 ベビーカーに赤ちゃんを乗せたお母さんも。 先ず近くの貸し会議室に移動。   そこで2人の先生が、 「明治時代」を扱ったモデル授業。   K先生のモデル授業で、 近年でも「明治〇〇」と名乗る会社などが 次々と誕生している事実を、初めて知った。   なる...
皇位継承儀礼におけるタテ軸とヨコ軸
皇位継承儀礼におけるタテ軸とヨコ軸
高森明勅
高森明勅 皇位の継承に伴って必ず行われるべき 重要な儀礼として、古代以来の伝統を持つものが3つある。   〔1〕新しい天皇が神器(じんぎ)を受け継ぐ儀礼 (剣璽〈けんじ〉等承継の儀) 〔2〕高御座(たかみくら)に昇って 即位を宣言する儀礼(即位の礼) 〔3〕国民が育てた稲を天皇が皇祖(天照大神)に 奉(たてまつ)り、自ら共に食べる儀礼(大嘗祭) これらの中で、〔1〕は...
笹幸恵氏、ゴー宣道場で講演
笹幸恵氏、ゴー宣道場で講演
高森明勅
高森明勅 11月のゴー宣道場は、初めて京都で開催。   基調講演は笹幸恵師範。   笹氏が以前、道場で「戦争」について講演されたのは、 第5回(平成22年8月8日、靖国会館にて開催) での事(その時の司会は不肖私)。   その一端を紹介したい。   「私、実はいつも戦争のことを考えています」   「老いも若きも関係なく、戦争というのは、 国民1人ひとりが関心を持って考...