高森明勅

靖国神社の新宮司

高森明勅

政治・経済
2018年 11月 7日
靖国神社から封書が届いた。
開けてみると、前宮司の退任と新宮司の就任の挨拶状。
「此(こ)の度(たび)、靖国神社宮司を退任致しました
「11月1日を以(も)ちまして宮司の重責を拝命致しました」
型通りの文言が並ぶ。

読んでいて何とも言えない悲哀を感じた。
祖国の危急存亡の日に、尊い一命を捧げられた英霊たち。
その英霊たちに深く御心を寄せられ、あらゆる困難を踏み越えて、
戦跡への「慰霊の旅」を重ねて来られた天皇陛下。
その陛下のご真意を、あろう事か、
靖国神社の宮司たる人物が全く理解出来ていなかった。

天皇陛下のお気持ちによる勅使のご参向を仰いだ
10月の例大祭では、宮司が謹慎の為に祭典への参列が許されないという、
異例の事態を招いた。

靖国神社の歴史上、恐らく前代未聞の不祥事ではないか。
今の日本の衰えを映し出すかのような、余りにも残念な情景だ。
但し新任の山口建史宮司は、同氏が神社本庁の教学部長をされていた頃から
存じ上げている。

靖国神社の権(ごん)宮司としても手腕を発揮されていた。
今の危機的な局面を立て直すには相応(ふさわ)しい人材だろう。

来年の同社ご創建150年という節目を、
良い形で迎えられる

よう期待したい。勿論、私も何かお役に立つ事があれば、
及ばずながらご助力は惜しまないつもりだ。