高森明勅

学者と非学者

高森明勅

政治・経済
2018年11月6日 13:55
学者とそうでない者の違いは何か。
 
時折、こんな質問を受ける。
 
なので一応、私なりの説明をしておこう。
 
恐らく理念型としては、
次の4つの条件を
クリアしていれば学者で、
そうでなければ非学者だろう。
 
〔1〕学問上の研究テーマを持っている。
〔2〕そのテーマについて、これまで積み重ねられて
来た研究成果を熟知している(2―1)。
更に、それらを評価・分類して、
系統的な見通しを立てている(2―2)。
〔3〕自らの研究テーマを解明する為に必要な(客観的で検証可能な)
学問的手続きを弁(わきま)えている(3―1)。
更に、その手順通りに研究を進める能力を備えている
(3―2)。
〔4〕実際にそうした手順を踏んだ研究業績がある。
 
例えば、ジャーナリストの池上彰氏。
名城大学教授、東京工業大学特命教授、
東京大学客員教授等々の肩書きを持ち、
多数の著書を刊行し、幅広い知識をお持ちのようだ。
しかし、彼が学者であるかどうか。
それは、上記の4条件をクリアしているか否かによって、
判断すべきだろう。
 
一方、駐車場の誘導係りのアルバイトをしていても、
屋台でタコ焼き売りをしていても
(どちらも私自身が若き日に体験しているが)、
先の条件をクリアしていれば、紛れもなく学者だ
(いわゆる評論と学術論文の違いも、ここから類推できるだろう)。
 
勿論、学者か非学者かは、
単純な優劣の問題ではない。
 
そこを短絡してはならない。
 
例えば、ジャーナリストが学者である必要がないのは、
学者がジャーナリストである必要がないのと同様だろう。