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皇室典範の「立后」
皇室典範の「立后」
高森明勅
高森明勅 皇室典範の条文を巡る勉強会を続けている。 メンバーは政治家、法律家、更に法案作成のプロフェッショナルにも 参加して貰っている。 先日の会では「立后(りっこう)」という語が問題になった。 第10条に以下のようにある。  「立后及び皇族男子の婚姻(こんいん)は、皇室会議の議を経ることを要する」天皇・男性皇族のご婚姻に当たっては、必ず(皇族の代表と三権の...
天皇と「日本国王」
天皇と「日本国王」
高森明勅
高森明勅 室町幕府の3代将軍だった足利義満(よしみつ)は、 明(みん)の皇帝から「日本国王」の冊封(さくほう)を受けた。 それは確かな事実だ(正式には永楽帝から1404年)。  この“国王”の地位を「天皇の上」(今谷明氏)と捉える見方もある。義満は天皇を超える“君主”としての立場にあった、と。それが事実なら、歴史上、天皇以外の存在が、「国家の公的秩序の頂点」...
『神武天皇論』刊行 
『神武天皇論』刊行 
高森明勅
高森明勅 先頃、橿原(かしはら)神宮庁が清水潔氏監修『神武天皇論』と 田浦雅徳氏監修『橿原神宮史 続編』を刊行。 その2冊を発売元の国書刊行会からご恵送戴いた。 前者は、学術的な立場から「神武天皇」を扱った近来、殆ど類書を見ない 貴重な出版と言えよう。 私の手元には、日本文化研究会編『神武天皇紀元論』(昭和33年)、 中山久四郎編『神武天皇と日本の歴史』(昭和36年)...
横田滋さんを悼む
横田滋さんを悼む
高森明勅
高森明勅 横田滋さんが老衰で亡くなられた。 87歳。 長女のめぐみさんが北朝鮮に拉致されて以来、42年間にわたり、 娘を取り戻そうと渾身の努力を続けて来られた。 にも拘らず、遂にめぐみさんと再会できないままになった。 残念だ。 同胞の1人として非力を嘆くしかない。  昔、東京・千代田区にあった九段会館で、横田ご夫妻と 若い世代が公開で対話をさせて戴く催しがあ...
Zoom高森塾、意外と好評
Zoom高森塾、意外と好評
高森明勅
高森明勅 先月の高森稽古照今塾(非公式の別名、爆笑!目からウロコ塾)は 残念ながらZoomを利用したオンライン講義を余儀なくされた。 しかし、受講者の感想文を読むと意外に好評なようだ。 以下に感想文の一部を紹介する。  「Zoomで画面いっぱいに高森先生が映り、向き合うということもあり、普段よりも高森先生を近くに感じられました。また、周りの目がないのでより集...
マヤ文明を巡る新発見
マヤ文明を巡る新発見
高森明勅
高森明勅 古代マヤ文明を巡り次のような報道。 「古代マヤ文明の遺跡の調査を進める日本や米国、 メキシコなどの研究チームが、メキシコ南部のアグアダ ・フェニックス遺跡で、同文明で最大とみられる建造物を確認した。 南北約1400メートル、東西約400メートルにわたっており、 祭祀(さいし)用とみられる。 紀元前1千年~800年に築かれたとみられ、研究チームは 『社会的な不...
英語で皇室を巡って討議
英語で皇室を巡って討議
高森明勅
高森明勅 高森稽古照今塾の優等生Kさん。 若く向学心に溢れる綺麗な女性だ。 先月の塾の感想文に次のように書いてあった。  「先日、オンライン英会話でイギリス人と日本の皇室について ディスカッションしました。 その際に、日本のトップは天皇だが、政治と分かれていて 日本人から厚い信頼を得ている点や、天皇は神話の神様(天照大御神) の血筋を受け継いでいるという点を...
皇居勤労奉仕の日程
皇居勤労奉仕の日程
高森明勅
高森明勅 今年の皇居勤労奉仕。 暫く新型コロナウイルス感染症の影響で見合せになっていた。 ところが先日の連絡では、我々のご奉仕の日程が一先ず 決まったようだ。  今のところ、9月以降のご奉仕は受け入れ可能ということか。有難い。これで、平成30年から3年連続でご奉仕できそう。でもご奉仕の際には、天皇陛下から奉仕団のメンバーにご会釈を賜る為、畏れ多いが陛下ご自身...
東京新聞にインタビュー記事
東京新聞にインタビュー記事
高森明勅
高森明勅 東京新聞(5月31日付)に私のインタビュー記事が掲載された。 「代替わり考 皇位の安定継承」というシリーズ。 これまでに小田部雄次氏、河西秀哉氏、所功氏、百地章氏などが 登場している。それぞれ代表的な研究者だ。私の記事の一部を紹介する。  「憲法は皇位継承の『世襲』制のみを定め、皇室典範で『男系男子』 に限定している。 現在は男系男子にこだわるあま...
皇后陛下がカイコのお世話
皇后陛下がカイコのお世話
高森明勅
高森明勅 5月29日、皇后陛下は皇居内の御養蚕所(ごようさんじょ)にて、 8~9センチ程に育った純国産種のカイコ「小石丸」に、 皇居で育てた桑の葉を丁寧にお与えになった(給桑、きゅうそう)。 その時、カイコが桑の葉を食べる微(かす)かな音に、 穏やかに耳を傾けておられたという。 皇后陛下のお優しさが伝わる。 皇居での皇后陛下の御養蚕は、明治天皇の皇后だった昭憲皇太后が...
「愛」という語の初出
「愛」という語の初出
高森明勅
高森明勅 天皇・皇后両陛下のご長女、敬宮(としのみや)愛子内親王殿下。 直系の皇族(内廷皇族)としてお生まれなので、 ご実名(愛子)とご称号(敬宮)を天皇(今の上皇陛下)から 授けられた。 選ばれた3人の学者が協議して、複数の候補を選び、 その過程で天皇・皇后両陛下(当時は皇太子・同妃)のご意向を汲みつつ、 最終的に3つに絞られた中から、慎重にお決めになった。 出典は...
「独断」「独裁」をするな!
「独断」「独裁」をするな!
高森明勅
高森明勅 聖徳太子の憲法十七条。 冒頭は有名だが、最後の条文を知っている人は どのくらいいるだろうか?   日本古典文学大系本によって引用しよう(但し一部改めた)。 「夫(そ)れ事(こと)は独(ひと)り断(さだ)むべからず。 必ず衆(もろもろ)と論(あげつら)ふべし。 少(いささけき)事は是(これ)軽(かろ)し。 必ずしも衆とすべからず。 唯(ただ)大きなる...
「和を以て貴しとなす」の真意
「和を以て貴しとなす」の真意
高森明勅
高森明勅 「憲法十七条」の冒頭は極めて有名。 だが、一般に誤解されているのではあるまいか。 日本古典文学大系本によって第1条の全文を紹介する (但し林勉氏の指摘により一部の訓み方を改めた)。  「和(やわら)ぐを以(もち)て貴(とうと)しとし、忤(さか)ふること無きを宗(むね)とせよ。人(ひと)皆党(たむら)有(あ)り。亦(また)達(さと)る者少なし。是(こ...
「憲法十七条」の信憑性
「憲法十七条」の信憑性
高森明勅
高森明勅 今年、編纂(へんさん)千三百年を迎えた日本書紀。 その様々な記事の中でも特に注目すべき1つが、 推古天皇の統治を支えた聖徳太子の憲法十七条だ。 しかし、その信憑性を疑う意見が根強くあった。 だが近年の歴史学界では、基本的に信頼して良いとする見方が有力だ。 以下の通り。 「憲法十七条については…当時に実際に作成されたものか、 作成者は『日本書紀』が記すように聖...
「公」という語の初出
「公」という語の初出
高森明勅
高森明勅 初めて「公(おおやけ)」という語を確認できる日本国内の文献は何か? 聖徳太子の「憲法十七条」(604年)だ。 「公事」(8条)「公務」(13条)「公」(12・15条)という用例が出てくる。 例えば15条には以下のようにあった。  「私(わたくし)を背きて公に向(ゆ)くは、是(これ)臣が道なり」と。明らかにシナの『韓非子(かんぴし)』の記述を踏まえた...
上皇は歴史的に天皇の下位
上皇は歴史的に天皇の下位
高森明勅
高森明勅 室町幕府3代将軍で、公家・武家双方の頂点に立った とも見られている足利義満。その国家的な位置付けを巡る問題は、 天皇の「本質」を探る上で貴重な示唆を含む。 そこで引き続き、義満が皇位の簒奪を狙っていたという 説を批判した見解を、紹介する。 「義満に数々の『僭上(せんじょう=身分・権限を越えた ことをすること)』の振る舞いがあり、あるいは現実に 太上(だいじょ...
秋篠宮殿下と「立皇嗣の礼」
秋篠宮殿下と「立皇嗣の礼」
高森明勅
高森明勅 東京新聞の吉原康和記者からご著書『令和の「代替わり」 ―変わる皇室、変わらぬ伝統』(山川出版社)を送って戴いた。 これまで何度も取材に応じて来た記者(編集委員)だ (一番新しくインタビューに答えた内容は近く掲載予定)。 この度の御代替わりを巡るメディア関係者の著書は何種類もある。 だが、単独の記者によって纏められた本は、珍しいのではないか。 今回の一連の出来...
顕宗天皇・仁賢天皇の即位事情
顕宗天皇・仁賢天皇の即位事情
高森明勅
高森明勅 歴史上、初めての皇統断絶の危機だった清寧天皇(22代) の後の、顕宗(けんぞう)天皇・仁賢(にんけん)天皇 の即位。この時の様子は古事記・播磨国風土記 ・日本書紀に記事がある。雄略天皇が市辺押磐皇子(いちのべのおしわのみこ) らを殺害。 →皇子のお子様だったオケ・ヲケ王が逃亡。 →2王が播磨の豪族(忍海部造細目、おしぬみべのみやつこ ・ほそめ)のもとに暫く潜...
千年後の居酒屋
千年後の居酒屋
高森明勅
高森明勅 私は以前、千年後にも残っていて欲しい“5つ”のものを 列挙したことがある。 その5番目に挙げたのが「居酒屋」。 日本人にとって、打ち解けたコミュニケーションの為に、 欠かせない場所だろう。 少なくとも私自身はそう感じている。 レストランやバー、クラブなどとは違う空気が流れている。 “寛(くつろ)ぎ”のボタンがもう1つ外れるような感覚。先日も、今年で開業50年...
貴賤を論ずるな
貴賤を論ずるな
高森明勅
高森明勅 継体天皇の即位を巡って、日本書紀は印象的な エピソードを伝えている。 朝廷の馬の飼育や管理に携わっていた、河内馬飼首荒籠 (かわちの・うまかいのおびと・あらこ)の活躍だ。 身分は至って低い。 しかし、継体天皇の即位に当たり、決定的な役割を果たした。 その功績を、当人の身分の低さに拘(こだわ)らず、特筆大書したのだ。 この一点からも、日本書紀編者の見識の高さを...