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理想と現実
高森明勅
高森明勅 小林よしのり氏が大切な指摘をされている。 「政治家は理想に向けた、そして原理原則を射程に入れたリアリズムを実現しなければならない」と。 民間の言論人は正しい理想を掲げ、思想の原理原則を真摯に貫くのが「責任」だろう。 一方、政治家はそれを現実に“着地”させるのが「責任」。そこで政治家に問われるのが「リアリズムの力量」だ。ただ現実に埋没するのでも、空論や妄想に引...
求婚の「時期」は大切
高森明勅
高森明勅 6月のゴー宣道場で、眞子内親王殿下のご婚約のお相手とされる小室圭さんが、求婚された時期に言及した場面があった。 小林よしのり氏が「ちょうど野田政権で女性宮家創設の可能性が浮上していた時期だから、小室氏は皇室に入る覚悟をお持ちだ」という趣旨の発言をされた。 私も「小室氏は皇室に入る覚悟をお持ち」という点は同感。 但し、その推定を支える事実が不正確であってはなら...
6月のゴー宣道場
高森明勅
高森明勅 6月11日、民進党の馬渕澄夫・山尾志桜里両議員をゲストに招いて、ゴー宣道場。議論の水準としては、これまでの道場の中でも、恐らく最高クラスだったのではあるまいか。 「生前退位」については馬渕議員、「共謀罪」については山尾議員に、それぞれ基調発言をお願いした。どちらも極めて高度な内容を分かりやすく説明して戴いた。しかも、両議員の熱意と責任感がひしひしと伝わる。こ...
日本教師塾
高森明勅
高森明勅 6月10日、日本教師塾の第5期開講。小学校の先生方の自主的な研修会。 今期のテーマは、第1回「日本の魅力」、第2回「偉人」、第3回「日本神話」第4回「皇室」。 今回は第1回。 モデル授業をされたK、M、Y3先生が素晴らしい。 K先生は殆ど「天才」の域に達しているのではないか。「天皇杯」という珍しいテーマで、先生本人も正解を出せないような質問を、児童に投げ掛け...
旧宮家論の「転進」
高森明勅
高森明勅 男系絶対論者がこれまで唱えて来た「旧宮家系国民男子が新たに皇籍を取得できるようにせよ!」との主張。 しかし当然ながら、どうやら行き詰まって来たようだ。これまでは、「未婚の成年男子」が対象だった。当たり前の話だ。しかし、知られている4人のうち、3人までが歴然と無理。残るは、これまで意思を明らかにしていない、東久邇家の自動車販売会社に勤めているらしい30代半ばの...
ムック『天皇125代』ほか
高森明勅
高森明勅 今、発売中の廣済堂ベストムック『天皇125代ー皇位継承と生前退位の歴史』の序章から第6章までは私が執筆している。 序章は、皇位継承の歴史全体のアウトライン。 第1章は、近現代の天皇を扱う。具体的には明治天皇から今の皇太子殿下まで。皇太子殿下に5ページ割いた。 第2章は、皇室典範とその改正論議の検証。典範全37条文の解説もした。第3章は、神武天皇から10代崇神...
文字は無かった?
高森明勅
高森明勅 先日のAbemaTVの番組で私が「倭の5王」に言及した時のこと。 即座に反応し、「倭の5王の頃には日本にはまだ文字が無く…」と、ペラペラ喋り出した出演者がいた。 これには驚いた。議論の本筋から外れるし、余りにも初歩的な無知を晒しているだけなので、番組ではわざわざ訂正しなかった。 倭の5王の時代というのは、具体的には5世紀。 その頃に、いまだ日本に文字が無かっ...
安倍「加憲」、悪夢の未来図
高森明勅
高森明勅 安倍首相が憲法9条死守を主張。 ただ3項を加えて、今ある自衛隊を“明記”するとか。 前にも言ったが、これぞ究極の護憲。 改憲を潰す為の“改憲”。 もしこの提案が、衆参3分の2以上の支持を得て、国民投票でも過半数の票を集めたら、どうなるか。憲法9条(1・2項)は、日本国民自身によって改めて“選び直された”ことになる。 「押し付け憲法」という批判は100%葬り去...
求婚は女性から!
高森明勅
高森明勅 古事記のイザナキ・イザナミ神話にこんな場面がある。 天(あめ)の御柱(みはしら)を立てて、イザナミの命(みこと)が右から回り、イザナキの命が左から回って、両神が出会った時に、まず女神から相手を褒める言葉を掛けて結婚したので、水蛭子(ひるこ、不具の子)が生まれた。女が先に声を掛けたのが悪かった、と。これは男尊女卑的な印象が強く、前後とは描き方がやや異質。かねて...
JNN世論調査
高森明勅
高森明勅 JNNが6月3・4両日に行った世論調査。 「女性宮家を認めるべき」が70%。「認めるべきではない」が15%。 これが世論の大勢を概ね正しく反映した数字だろう。それに対し、女性宮家に反対の者らは「大衆は無知だから」などと、目を反らそうとするはずだ。 だが、庶民は「ご譲位」についても、“保守”系知識人などより、遥かに健全な判断をしていた。 無知なのは一体どちらか...
2→4→5→3
高森明勅
高森明勅 皇位継承のこれまでと今後。 最もシンプルにまとめると、2→4→5→3となる。 これは皇位継承資格を縛る要件の数。 今が5。 (1)皇統に属する。(2)男系。(3)嫡出(嫡系)。(4)男子。(5)皇族。 歴史上、最も窮屈な縛りだ。以前は側室の存在が前提。だから、庶出(庶系)にも継承資格を認めていた。つまり(3)の縛りは無かった。また前近代では10代の女性天皇が...
番組観察
高森明勅
高森明勅 「夏に風邪をひくのは馬鹿」という言葉を聞いたことがある。幼少期に母親から言われたのだったか。 今、その夏風邪。AbemaTV「みのもんたのよるバズ!」の出演も断ろうかと思った。しかし、出演して良かった。番組を観察する機会を得たから。 一番、庶民的バランス感覚を発揮しておられたのは、飄々とした司会のみのさん。好感を持った。女性司会者の下平さやかさんも、番組の終...
感想が嬉しい
高森明勅
高森明勅 5月31日の「ちちんぷいぷい」。 結構、高い視聴率だったようだ。この番組の制作スタッフはとても対応が丁寧。 放送翌日あたりに、わざわざ視聴者の反応を報告してくれる。前回も私のコーナーの視聴率が高かったとか、伝えてくれた。 「勿論、視聴率が全てではありませんが」と断りながら。この番組とはこれからもお付き合いが続きそうだ。また大阪にお住まいの方が、私のFaceb...
憲法第1章と第3章
高森明勅
高森明勅 天皇及び皇族方は皆様、憲法第1章の制約のもとに置かれる。一方、国民は第3章の適応対象だ。 だから、あらゆる自由、人権が最大限、尊重される。女性皇族が結婚されて国民の仲間入りをされると、第1章の“縛り”から解放されて、第3章の適応対象に、新たに加わられることになる。政治活動も宗教活動も経済活動等も、何ら制約を受けないことが憲法上、保障される。一部にそうした方に...
「1代限り」を否定
高森明勅
高森明勅 6月1日、衆議院議院運営委員会で民進党の馬渕澄夫議員が質問に立った。これは「ご譲位」を巡り、同党でも馬淵議員が実務に最も精通しておられるからだ。政府側の菅官房長官とのやり取りの中で「1代限り」を明確に否定。 「今回の基本的な考え方が将来の先例たり得る」との回答を引き出した。 これは、私が提案した「3要件」の事実上の規範化を確認する答弁だ。 「女性宮家」など皇...
また「ちちんぷいぷい」
高森明勅
高森明勅 5月30日、ある出版社から皇室関係の企画について執筆又は監修の依頼。一応、8月刊行を目指す。 これまでになかった本にしたい。 夕方、毎日放送から電話。特例法の付帯決議について「女性宮家」明記で与野党が合意した感想を聴かれた。 簡単に喋ると、面白いので明日の「ちちんぷいぷい」に生出演して解説してくれという。例によって急な依頼。 でも「女性宮家、待ったなし」を視...
馬渕澄夫議員の奮闘
高森明勅
高森明勅 この度の「ご譲位」を巡る安倍政権との戦い。何より民進党の活躍を特筆大書しなければならない。歴史的な貢献と評価しても決して大袈裟ではない。 その「最前線」で努力されたのが、実は馬渕澄夫議員だ。6月のゴー宣道場にはその馬渕議員をお招きしている。この間の経緯に最もお詳しい馬渕議員からどんな話が飛び出すか。もう1人のゲストは、前にもご登壇戴いた山尾志桜里議員。共謀罪...
施行後でなく成立後!
高森明勅
高森明勅 天皇陛下のご譲位を可能にする特例法。 その付帯決議に「女性宮家」が明記される見通しとの報道。これも民進党の努力の賜物だろう。有難い。 しかし、政府が検討を開始する時期について、「特例法“施行”後速やかに」というのは戴けない。 特例法は今国会で“成立”した後、その「施行」は来年の12月末頃と見られている。同法の施行日をもって陛下は譲位なさる(第2条)。 だから...
目の前の「二者択一」
高森明勅
高森明勅 今、日本人は単純な「二者択一」を迫られている。皇位継承資格を「(皇統に属する)男系の男子」だけに限定する、明治以来の(側室を前提にした)条件にいつまでも拘泥して、皇室の存続そのものを“敢えて”危うくするのか。 それとも、その時代錯誤な限定を見直して、「皇統に属する皇族」による皇室の末長い存続を可能にするのか。 簡単に言えば、皇室の存続を望むか、望まないか、だ...
「皇太子」ご辞退
高森明勅
高森明勅 この度の特例法で取り分け注目すべきは、「皇太子」の不在だ。これは些か驚いた。 私の皇室典範改正案でも、念のために「皇太弟」という称号を追加していた(第8条)。 しかし、今の典範は「直系」優先のルールで、直系の皇嗣(皇位継承順位第1位の方)たる皇子(その時の天皇のお子様)だけに「皇太子」という称号を用意し、皇太子が不在で皇嗣たる皇孫(同じくお孫様)がおられたら...