高森明勅

求婚の「時期」は大切

高森明勅

2017年 6月 12日

6月のゴー宣道場で、眞子内親王殿下の
ご婚約のお相手とされる小室圭さんが、
求婚された時期に言及した場面があった。

小林よしのり氏が
ちょうど野田政権で女性宮家創設の可能性が
浮上していた時期だか
ら、小室氏は皇室に入る覚悟をお持ちだ」
という趣旨の発言をされた。

私も「小室氏は皇室に入る覚悟をお持ち」という点は同感。

但し、その推定を支える事実が
不正確であってはならないと考えて、
求婚は安倍政権に移って女性宮家が
一旦白紙になってからでは」
と疑問を呈した。

平成24年に出会われ、
およそ1年後位に求婚された、
という報道を記憶していたからだ。

他の師範も同様の発言をされていたはず。

このあたりが、些か手前味噌ながら、
いかにも道場らしい。

小林氏の発言は女性宮家創設を加速したい我々には無論、
有利な内容だ。

だから、「そうだ、そうだ」と無責任に同調した方が、
みんな気分が良いし、
会場も盛り上がる。

しかし、事実性に疑問が残っていたら、
普通にそれを口にする。

小林氏ご自身も、改めて確かめるまでは、
敢えて主張に拘らなかった。

当たり前のやり取りながら、
ポジショントークと予定調和の世界では、
こうはならなかったはずだ
小林氏は、その場では「そうだったかな?」

不審を抱きつつも一度、判断を留保された。

その後、きちんと再調査された結果を、
早々とブログで発表された。

やはり小林氏のご発言は正しかったようだ。

我々の道場でのこの点についての発言は、
全て撤回しなければならない。

だがこれは、私にとっても大歓迎すべき結果。

かねて推定していた小室氏のご覚悟により確信が持てた。

これも、あの場で皆がナァナァで同調していなかったからこそ。

小林氏が不快な顔も見せず、
我々の疑問を公平に受け止めて下さったお陰だ。

まさに「公論」の場にふさわしい顛末。

それにしても大切な事実を再調査して下さった
小林氏に改めて敬意
を表したい。

付記。

道場では小林氏が廣済堂ベストムック
天皇125代』の私が執筆した序章から第6章までを
推奨して下さった。
恐縮の至り
(とか言いながら、
せっかく褒めるんだったら
道場の本番でお願いします、
と厚かましいことを頼んだのは私だが)。

但し、85ページの元正天皇の記述に
「先帝の子」とあるのは「
女帝の子」の誤植。

重要な箇所のミスは残念。