高森明勅

良い改憲、悪い改憲

高森明勅

2017年 11月 4日

いよいよ憲法改正が具体的な政治日程に上るだろう。

その際、改憲にも「良い改憲」と「悪い改憲」
ある事を知っておく必要がある。

良い改憲は推進し、悪い改憲は何としても阻止すべきだ。

では、それをどう区別すれば良いか。

至って簡単。

これまで制約されて来たわが国の「個別的自衛権」

きちんと回復するか、それともそのまま放置又は固定化するか。

それがポイント。

9条(2項「戦力不保持」規定)
手を着けないのは勿論、悪い改憲。

安倍首相が唱えている自衛隊「加憲」論は、その典型。

9条2項をひたすら“護持”する。

それでは個別的自衛権は制約されたまま。
その後の改憲へのモチベーションも、決定的に失わせる。
結果、
個別的自衛権への制約を将来に向けて固定化する“だけ”。

これでは、対米依存をいつまでも維持するしかない。

属国のままなら、究極「アメリカの意志」が憲法よりも、
民意よりも優先されざるを得ない。
リベラル的な価値も決して保障されない。
よって、
紛れもなく悪い改憲。

繰り返す迄もなく、最低最悪と言う他ない。

だが、それにただ反対しているだけでは、阻止できない。
悪い改憲には良い改憲で対抗し、凌駕するしかない。