高森明勅

旧宮家の復帰?

高森明勅

皇室・皇統問題
2019年 10月 1日

秋に設置が予定されている「安定的な皇位継承を確保するための」
政府有識者会議。

その「結論」は「政府として初めて旧宮家の復帰を
オーソライズすること」
(八木秀次氏)という。

但し対象となるのは、生まれ時から「国民」又は
その子供以下の世代。

だから「復帰」は正しくない。正確には、
皇籍の新たな「取得」。

前々からこの提案はあった。
しかし、「国民の理解が進んでいない」(八木氏)。
だけでなく、様々な難題が控えている。
だから私は、政府はその実現“可能性”を、
早めに本格的に検討した方が良い、

とこれまで訴えて来た。
にも拘らず、徒(いたずら)に先延ばしされて来たのは遺憾。

それがやっと検討の俎上に上るのなら歓迎だ。
是非とも丁寧かつ慎重に検討して戴きたい。
但し、この方策自体は(可能と仮定しても)、残念ながら
「安定的な皇位継承を確保する」結果に、そのまま繋がるものではない。
側室不在、非嫡出による継承の否認という、動かし難い条件下では、
宮家が一時的に多少増えても、その宮家の継承“自体”が不安定な
状態に置かれる。

なので、事態を根本的に解決することにはならない。
従って、「安定的な皇位継承」を“本気で”望むならば、
自ずと別の方途を探る他ない。
それを望まないなら、勿論、話は別だが。

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