なぜ女系はダメなのかという、三橋貴明と施光恒の動画を観た。
https://www.youtube.com/watch?v=d0UU487VtXg
伝統とは何か。皇室とは何か。ツッコミどころはたくさんあれど、結局のところ、二人は井上毅を妄信しているだけだ。
井上毅は、「女帝が夫を迎えたら、その夫の姓になり易姓革命が起きる、これは最も恐ろしいことだ」と言っている。
三橋なんか、『謹具意見』を読んだこともないくせに「最も恐ろしいこと!」だと不安を煽って自著の宣伝までしている。
何の茶番だよ。
この動画では、井上毅がなぜこんなことを言ったのかには、全く触れていない。
だけど本当は、そこが大事なポイントだ。
井上は当時行われた嚶鳴社の討論会における女帝反対論者(島田三郎と沼間守一)の意見を引用している。
この反対論者が何を言っていたか。
「男を以て尊しとなし、之を女子の上に位せり」
「(我が国では)男を尊び、女を卑むの慣習、人民の脳髄を支配する」
要するに男尊女卑だ。
伝統とか何とかじゃない、我が国は男尊女卑だから女帝はダメなのだ、と言っているのだ。
男系しか認めないというのは、
「私は男尊女卑です」
「我が国は男尊女卑の国です」
と言っているのと同じ。
男より女のほうが卑しいとする根拠は何だ?
日本人の半数を占める女の前で、三橋と施は、それを明確に言えるのか?
もっとも、この二人は自分の男尊女卑感覚に無自覚だ。
愛子さまが外国人と結婚したら、そいつに乗っ取られ、別の王朝になる。
自分が敵対する隣国の人間なら、女系を認めさせたのち、「男系が正統ですよね」と言って継承争いを起こさせる。
「悪さをするのはだいたいが男ですからね」などと自虐的に笑い合っている。
このあたりなんか、倉山と同じ論点ずらしで気色悪い。
いずれにしろ、女の主体性を見事なまでにスルーしているこの感性、これぞ「ザ・男尊女卑」。
女がそんなに易々と男の言いなりになると思っているのか?
女帝が、思慮もなく自分の夫を選ぶと思っているのか?
バカにするのもたいがいにしろ。
もっとも、そんな感性しか持ち合わせていないから、何の疑問もなく井上毅を妄信できるのだろう。
ついでに言えば、時代背景も、当時の価値基準もまるっと無視できる程度の知性しか持ち合わせていない。
そもそも、動画の前半では天皇と国民の関係、日本らしさについて延々と述べている。
だが、そのことと「男系で継承すべき」が全くつながっておらず、自家撞着を起こしている。
女系になったら王朝が変わる、スキができる、継承争いが起きる・・・etc.
前半で天皇と国民の紐帯を語っていたのは何だったんですかね?
その紐帯とは男系の天皇に限定されるのか?
性別で変わるほど、天皇と国民との信頼関係はヤワなものか?
結局のところ、三橋と施は、本当には現代の天皇と国民をこれっぽちも信じていないのだ。
上っ面だけだから、井上毅を妄信できる。